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MP1の転生者  作者: 赤い人
第4章-MP1の”13人目”の冒険者
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メイドの町

この章から若干見やすように気をつけています。


第4章-“13人目”の冒険者 其の1-



-ソウルの町-



「へ~ ここが母上の生まれた場所か~」

「まあメイ様の生まれた時と国は変わってしまっているし、住んでいたところもないらしいからほとんど別の町だけどね」



母上が10歳の時に1度、国が崩壊しているので仕方ないが・・・



「あ、でもメイド服の方がすごい多いです! さすがメイ様の故郷です!」

「お姉ちゃんみたいのがいっぱいだにゃん!」



そう、町に入って驚いたのがメイド服率の高さだ。

母の天職【万能メイド】が有名だったからであろうか、はじめからメイドがこんなにいるわけじゃないと思うので、町興しとしてメイ・ソウルにあやかっているんだろう。

現に母の銅像(メイド服)が広場のど真ん中に設置されていた・・・。



「ソウル――別名<メイドの町>。まさかここまでとはな・・・」

「・・・驚いたかい。ちなみにこの町興しを企画したのもメイ様だからね」

「え!? 本当ですか?」

「ああ、カンコクの王に指名クエストで依頼されたらしい・・・。で「奉仕の心が足りません」とこの町で商売をしている女の子を集めて徹底的に指導し、その後こんなありさまになったらしい」

「・・・町興しは成功しているんですよね?」

「ああ! おかげで国の規模は未だ小さいけど経済力は3大国に次ぐくらいさ、うちのロシアよりリッチなんじゃないかな」

「メイド恐るべし・・・」



ああ、そうそうカオリとスズには母上がメイ・ソウルだったことは話している。

さすがに父上(王)のことは内緒だが、レア職を持っていることも伝えることができた。


どうやらカオリはメイ・ソウルのファンだったらしく、「メイ様のようなメイドで立派な冒険者になります!」・・・と宣言された。

俺のパーティ化による恩恵とカオリ自身の適性値も悪くなかったので、クラスチェンジやクラスアップを経て、無事【メイド見習い】の職業を得ている。


他の職業は【槍士】、【雷魔法使い】だ。


【槍弓士】から【槍士】に行動範囲を狭めるようにクラスチェンジしたのにはもちろん理由がある。


この世界には職業やスキルの才能を表す適性値というものが存在する。

適性値は基本的に生まれた時から変化せず、種族差や個人差がある。


適性値が高ければ習得効率や熟練度上昇効率が上がり、日消費MPを抑えることができるため本人の適性値に沿った職業が望ましい。


だがカオリは戦闘系では槍など長物の適性値は+2あったが、他は0で【槍弓士】では適性値の高い槍と低い弓が混合しているため+2が生かせない状況であった。


ほどほどの冒険者を目指すのならそのままでもよかったが、より上を目指すのであれば適性値を最大限に生かさなくてはいけない。

はっきりいって俺との旅は非常に危険だ。

だがカオリとスズは現状を理解したうえで「私も強くなりますから大丈夫です」「強くなるにゃん」と答え、カオリは【槍士】にクラスチェンジした。


【メイド見習い】や【雷魔法使い】習得に時間を割いていたため未だ中級職だが、サポート役として心強くなってきた。


【雷魔法使い】は唯一魔法系で適性値+1あった職で、遠距離攻撃を失った代わりに習得した。

まだ下級職なのでたいした威力はないんだが・・・最近スズや俺が粗相をすると躾と称して雷が飛んでくるようになって来たのは気のせいだと思いたい。


はじめの頃の純粋なカオリが懐かしい・・・。



「どうしました? ショウ様?」



うん・・・呼び方もメイの息子とわかってから様付けになってしまった。

カオリよ、どこに行くつもりなんだい・・・メイドか。



「お兄ちゃん! あれおいしそうだにゃん! 買ってもいいにゃ?」



俺が何かを言う前に焼き鳥の、いい臭いのする方へ駆けて行った。



-リーン、リーン-



相変わらず着けている、鈴の音が響く。

今スズが付けているのは初めに買ったやつではなく、GPS機能付きなのでどこに行っても居場所がすぐにわかる。(衛星はないけどこっちの方がわかりやすいよね)

スズは人見知りがなくなって余計に元気になった。

その何時もの行動に微笑みを浮かべながら、スズの向かった方へ俺たちは足を運ぶ。



「待ちなさい! あとでパーティを開くのだから今はダメです!!」



カオリだけは声を上げて追いかけて行った。(まだ雷は出ていない)

パ-ティがすぐあろうが、スズなら食べるのは問題ないだろうな~


カオリの成長にも驚かされたが、スズの成長は異常だった。

まあ精神年齢的には全く変わっていないが・・・。


スズの適性値は戦闘系がすべて+3というかなりふざけたもので、ウサミさんらと話し合って【戦士】を目指そうと決まった。


【戦士】というのはすべての武器と格闘技を扱えるオールマイティーな職業である。

すべて適性値が+3とはいえ、天職で持っていない者ならまず目指さない・・・いうか無理だ。


思い出して欲しいのだが俺が【両手木枝剣戦闘】を習得するのに半日かかっている。

だが実はこれも異常で本来は【初心者】で適性値+1を持とうが1月はかかるらしい。

実際他の剣系以外のスキルを得るのには結構苦労した。


一方スズは数秒で習得した。


もちろんスズがすごいのもあるが俺の【パーティ化】の行動共有のおかげである。

行動共有によって俺が習得しているスキルの行動は制限がある程度解除されている。

さらに習得効率や熟練度上昇効率にも恩恵があって+25%らしい。

つまり俺とパーティを組んでいる者はスキルが上がりやすいということだ。


話を戻すがこれはこう振るんだよ!っと俺が教えるとスズは「にゃん」といきなり戸惑うことなく一振りして、スキル習得した。


これを何回も続けたわけなんだが・・・これを見たラビッツファミリーの皆さんは、あまりの光景に顎が外れそうになっていた。

すみません常識外れで・・・まあこれはスズが天才と思われたわけだが――間違ってないか。


戦闘センスも並はずれたところがあり、超感覚派なのでアドバイスはほとんどしていない。



しかし反面、他の適性値はほとんどマイナスだった・・・。

治癒魔法や自己強化魔法の適性値は+1だったので12歳になる前に【自己強化治癒魔法使い】を習得したが、他は無理だった。(冒険者は0だったが被るので却下)


この世界ではマイナスの適性値の場合、天職で得た以外では習得が不可能である。

俺が今持っている以外のスキルに適性値があるのかもしれないが、今日までに調べることはできなかった。


まあスズは未だ神から与えられた天職候補から職業を得る可能性を残していたので、3つ目の職業は今日手に入ると思う。



「おいふぃーにゃ!」

「口にものを入れたまましゃべらないの!」



どうやらスズはカオリに捕まったようだがもう焼き鳥は口の中だ。

・・・おなかが減ってきたな。

まあ俺は大人なので我慢できる!



「おお! おいしそうだね。私らも貰おうか!」

「「「「イエス! マム!」」」」「・・・」



え~ 食べるの?

ラビッツファミリーの援護を受けスズはお叱りから解放され、俺たちと一緒にもう一度購入した焼き鳥を食べながら冒険者ギルドに向かった。



-ソウル冒険者ギルド-



クエスト達成のためにギルド受付嬢に報告をする。

ギルド受付嬢もメイド服である――さすがメイドの町。

・・・??

良く見るとこのお姉さんには見覚えがあるような・・・あ!



「あ~!! MP1の子だ~!!!」



この守秘義務をぶっちぎって叫ぶお姉さんは俺がオオサカで冒険者登録した時の人だ。

あの時はおかげで酷い目に会ったが、今は・・・


「MP1だと? ふんそんなのが冒険者なんて笑わせるな!」

「「はは」」

「おい! お前ら知らねえのか!! 一緒にいるのはラビッツファミリーだろ。じゃああのMP1は“13人目”だ!! 下手な事言うと殺されるぞ!!」

「“13人目”ってあの『前代未聞』か!」

「ショウ・オオサカ、現在最年少の古代級職持ちの一人・・・」

「ギルドでもあいつを含めて13人しかいないんだろ・・・というか古代級職のやつと関わったらやべ~ さっさとどっか行こうぜ!」



-ガヤガヤ-



47日間で俺の名を聞いて周りがざわめく位に成長しました。


ステータスを出すとそれだけで3話分くらいいきそうだったので省略してみました。

実験的な感じで色々変えてみるつもりです。


ちなみに【戦士】を手に入れる順番は【初級全戦闘】を習得して、【短剣弓士】から【短剣弓使い】にランクダウンして【戦技使い】にクラスチェンジ、それから【戦士】にクラスアップという感じです。


カオリの【メイド見習い】は【初級下っ端雑用】を習得して【お手伝いさん見習い】にクラスチェンジ、【お手伝いさん】にクラスアップ、【下級全家事技能】を習得して【メイド見習い】にクラスチェンジです。


ちなみに一から職業を得る場合と古代級職以上にクラスアップするにはクエストが必要です。

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