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MP1の転生者  作者: 赤い人
第3章-MP1の新人冒険者-
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ギルドの守秘義務

昨日ミスって1話投稿しているので前の話読んでない人は注意です。

3章-MP1の新人冒険者 其の11-



アワジシマの冒険者ギルドは外見と同じで小汚かった。

クエストボードと受付が一つで教室の半分以下くらいの大きさだ。

まあ中でくつろぐつもりもないし、報告さえできればいいからいいんだけど・・・。


「すみません。クエストの報告やレベルアップ、スキル習得をしたいのですが」


1人だけいる受付のお姉さんに声をかけた。

ついでにこのギルドの一階には俺たちとこのお姉さん、クエストボードを見ているうさ耳男女6人組しかいない。


「初めてのご利用ですか? それでは皆さんのお名前を教えてください」

「ショウ・オオサカ」「カオリ・ホッカイドウです」「・・・スズ・ホッカイドウ」

「はいありがとうございます。それではこちらの水晶玉に手を当ててください。・・・あ、パーティメンバーなら一人づつでなくても大丈夫ですよ」


俺たちは言われるがままに水晶に手を当てた。


ぼーん。今度はどっちだ?


神3?『う~ん初冒険者クエスト達成おめでと~ これからも頑張ってね!』

神2?『ショウ・オオサカ、カオリ・ホッカイドウ、スズ・ホッカイドウは代理クエスト「スライム・ゴブリン・コボルトの討伐」を達成しました

    クエスト達成報酬はありません

    ショウ・オオサカはクエストポイントが一定値を超えましたのでギルドランクE4が与えられます』


神3?の方か・・・まだ2回だけだけどおそらく冒険者ギルドで神と交信すると神3?になるのだろう。

オオサカのギルドのお姉さんは「我らが神」と言っていたので冒険者ギルドの神ということだろうか?

まあ神について無知というのは変な眼で見られそうだし、後でカオリに聞こう。


ギルドランクがE1⇒E4ということはギルド登録による日回復MPが1から4に増えたということだ――正直「加護」による回復が1千万なのでほとんど変わらない。

だが1日でこんなに伸びたということは結構上げやすいのかもしれないな。


「俺はギルドランクがE4になってたけどどうだった?」

「え? なんでそんなに違うんですか? 私はE2でした」

「・・・わたしもE2だったよ」

「あ~夜中にもちょっと戦闘してたからかな? パーティで受けたから皆同じように上がったと思ったんだけど」

「すみません。夜中に戦闘をしたんですか?」


ギルドのお姉さんが俺たちの話の腰を折って話しかけてきた。


「ええ、はいそうですが」

「報告が初めてということは新人でしょう?なのに夜間戦闘するなんて命知らずです! 魔物は夜間に凶暴化するんです! 移動するだけでも寄ってきます、ましてや戦闘なんてすると魔物の大群が押し寄せてくるので絶対にやってはいけません! 初めにそういった注意を受けていたはずです!」


あ~あの魔物の量はそういう理由があったのね。

でカオリが番をしていた時は物音を立てなかったからやってこなかったと。


「えっと聞いてないですけど・・・」

「へ? そんなはずは! 初めて冒険者になる人には登録する前にきっちりそのことも説明するように義務付けられているのに・・・!? もしかしてオオサカで登録をしましたか?」

「はいそうです」

「登録をした人はもしかして私にちょっと似ていませんでしたか?」


?? う~ん、よく見るとオオサカのギルド受付お姉さんに微妙に似ている気がする。

向こうはうっかりしていてそうで、こっちは自信がありしっかりしてそうな雰囲気なので印象がかなり違うが・・・。


「もしかしてご姉妹ですか?」

「やっぱりそうなんですか・・・本当に申し訳ございません」


いきなりお姉さんは頭を90度下げた――20代後半ぽい人が12歳に見える俺たちに頭を下げているのはどこかシュールだ。


「他にも何か粗相をしてはいなかったでしょうか?」


・・・あるな。


「僕のMP量を周りにばらしたり、早く出発しないと登録が抹消されると叫んだり・・・ギルドには守秘義務はないんですか?あと夜間戦闘のことも聞いてませんでしたし、他にも聞き逃していることがあるかもしれません」

「もちろん守秘義務はあります! あの子は「シークレットトーク」のスキルも使ってなかったんですか!」


そういってまずギルドの守秘義務対策について教えてくれた。

・普通ギルド受付嬢との会話は「シークレットトーク」と呼ばれるスキルが使われているのでパーティメンバー以外には聞こえないようになっている――「聞き耳」と呼ばれるスキルを使われると聞かれる可能性もあるそうだが重要なことは聞かないようにしている

・神との「天啓」は個人にしか聞こえないようになっているので仲介したギルド職員にも知られることはない――これは絶対らしい

・初めこそ「ギルドカード」を提示しなくてはいけないが以降名前以外は聞くことはない――名前が分かれば「天啓」が使えるので聞く必要がない

・個人情報(ギルド名簿)は神が管理しているので書類として盗まれる心配はない――個人的に知ってしまっても答えてはいけないように決まっている

・もし破ったものがいて訴えられれば厳しい処罰がくだる――このために全力で謝っているみたい


「重ねて申し訳ございません。当然冒険者についての注意事項等は説明させていただきます。他に何か償えることはありませんか? あの子は先週勤め始めたところなんです。どうか許して頂けないでしょうか?」


う~んどうしよう。

もう過ぎてしまったことを悔やんでも仕方ないし・・・もう諦めてたから今さら何だよな~

はっきりいってお金(MP)は十分あるのでいらん。

道具も揃えればいい。

コネっていってもこのお姉さんじゃたいしたことなさそうだ。

身体・・・カオリとスズの信頼を裏切るから他の鬼畜なことも却下だ。

となれば


「そうですね。僕たちも新人なのでミスがあるのはわかってます。次から注意してくれればいいです。ただ僕たちはあまりものを知っているわけじゃないので色々情報をくれませんか?」


カオリとスズは結構物知りだが冒険者や外の世界の情報、魔物の情報などはあまり知らない。

ここにいる間にそういった情報を集めようと思っていたので都合がいい。


「そんなのでいいんですか? わかりました! すみませんがここの業務は20時までになっているのでそれ以降でよろしいでしょうか?」

「ええいいですよ。20時にここに来たらいいんですか?」

「はい、お待ちしております」


今後の予定が決まった。

俺たちはお姉さんに別れを告げてギルドを去ろうと思ったが。


「君たち新人かい?」


ギルドに初めからいたうさ耳獣人の一人が話しかけてきた。


というわけでオオサカの叫ぶお姉さんはダメな人ということです。

まあ守秘義務はあるけど有名になるとどこからか噂は流れるものでギルドランクB以上は基本的に天職は自然と知られることになってます。

ただそれ以下で知られると盗賊等に狙われる可能性があるので注意が必要です。

新人狙いもいますし、実は登録初日に出ていた場合はショウも町を出たところで襲われることになってました。

しかし1日待っても来なかったので引き揚げました。

テリーとのやりとりでリスクも大きそうだとみなされたことも理由の一つですが・・・。

こういった新人やその他の冒険者の情報は同じく冒険者や他の職の者が罪系職の人に売ることによって知られます。

オオサカなどの大都市だとこういった輩も多いです。

ギルドカードによって冒険者以外に対する被害は減りましたが特定の冒険者を狙い撃ちにする犯罪は増えているようです。

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