抱き枕
本日2本目です。
同時に予約投稿しているので携帯で最新話から見ている人は注意してださい。
3章-MP1の新人冒険者 其の6-
「もう食えない・・・」
「にゃー」
俺とスズはお腹を押さえて動けないでいた。
正直食い過ぎた。
おそらく一人当たり10人前は食べたような気がする。
レベルアップの弊害らしいがどこにこんな量が入ったのだろう?
ああそうだ、レベルアップすると筋力とか身体能力が上がるだけでなくて、体重も増加するみたい。
まあそうじゃないと180kmで突っ込んで来た30cmのスライムにぶつかって吹っ飛ばないのはおかしいか。
ちなみに結界の中でも軽くなるが慣れれば体重はコントロールできるらしい・・・ただ体重を軽くすると身体能力も落ちるので不意打ちに注意しなければいけない。
今後食事量を普通にするにはレベルにあったマジックアイテムな食事を取らないといけないらしい。
ただカオリの「下っ端料理人」では魔材を使って料理出来ないので、しばらく旅中は大量の飯か俺がつくるしかなさなそう。
カオリは「ギルドランクを早く上げてクラスアップします!」とは言っているが正直焦る必要はないと思う。
まだ12歳のんびりいきましょう。
「ところで夜の番だけどどうする? 身体慣らしたいから俺がずっとでもいいけど?」
「それはちょっと、2、3時間で交代でいいのでは?」
「みんな一緒に寝たいにゃん!」
カオリが真っ当な回答を、スズが嬉しいけど状況を考えて欲しい回答をしてくれた。
「寝ている間に襲われるかもしれないだろ」
「でもお兄ちゃん誰か来たらわかるようにしてたにゃん! だからみんな寝ててもいいはずにゃん」
「そうなんですか?」
「いやいや確かに仕掛けはしたけどあれがちゃんと働くかわからないし、慣れてないからあれで起きれると思う?」
実をいうと他にもトラップ魔法をしかけているし、危険が近付いたらわかるスキル「危険予感」を持っている筈なのでそこまで警戒する必要はないと思う。
しかしそれを越えるやからもいないとは言い切れないし警戒し過ぎるくらいでちょうどいいと思う。
「地図を確認したけどアワジシマまで俺たちなら急げば昼くらいにはつくだろ。で着いてから寝るとこ探して夕方まで寝たらいいかなって。短い時間で寝るとか慣れてないとしんどいと思うし、正直今の俺たちは冒険者の心得を知らなさ過ぎる。今慣れるより早くアワジシマまで行って情報を集めよう」
「うーん、それなら・・・」
「一緒に寝たかったにゃん・・・」
気まずそうなカオリとミミがしぼんでるスズを見てカオリに後片付けとして1時間見張りを兼用してもらい、その間俺はスズと一緒に仮眠をすることになった。
「お姉ちゃんお休みだにゃん」
「それじゃあ一時間ほどよろしくね」
「はいお休みなさい。任せてください」
そう言って俺とスズはテントの中に入って行った。
もちろん何もしませんよ。
「えい! お兄ちゃんもおやすみにゃ-」
「お、お休み」
一緒の布団を使っているのにさらに勢い良くしがみついて来た・・・えいって!?
俺は小さく柔らかい感触に若干ドキドキしたが、すでに聞こえるスズの寝息で冷静になり、俺もスズを抱き枕として堪能しながら眠ることにした。
裏設定
ちなみにロードの強度が最大結界範囲程度と書きましたが場所によって違います。
レベルを上げると体重も増えるとしていますが気を抜いている時はレベル0です。
コントロールは戦闘中でという意味です。