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MP1の転生者  作者: 赤い人
第3章-MP1の新人冒険者-
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ギルドカードの事情

ショウ、カオリ、スズはまだステータスの確認はしていません。

フライングでステータスを公開しましたがステータスは可視化出来ないので順番に確認しようとしているところから始まります。

3章-MP1の新人冒険者 其の3-



-ステータスの確認-



「俺のレベルは5だけどカオリとスズはいくつなんだ?」

「私とスズも5です」

「いっしょだにゃん!」

「レベル5って高いの?あと何でレベルはギルドカードに載ってないかしっている?」

「レベル5は魔物を倒したことがない者にとっては限界のレベルらしいです。えっとギルドカードにレベルが載ってない理由ですけど・・・ショウさんなら大丈夫ですよね。皆がギルドカードを作れるように依頼したのはヒューマンの王様です。当時その国では獣人は捕虜や奴隷として大量に連れてこられていました。そのため獣人はヒューマンより下であるという考え方が一般的でした。獣人はレベルや戦士系職の適性値がヒューマンより随分高いです。代わりに――大半はMPもほとんど変わらないのですが、天職による適性値でMPが高い者もいましたので――平均的にMPは獣人より高いとされています。このような背景から自分たちより高いレベルは表示させず、MPを表示させることで明確に獣人より上であると示そうとしため今の使用になったそうです」


な、なんだその理由は!

捕虜に奴隷って・・・この時代では普通なのか?

俺は一気にギルドカードに嫌悪感を抱いてしまった。


「今はどうなっているんだ?今も奴隷になっているのか?」

「いえ、今はそこまでひどくなっていませんし、無理やり奴隷になるものはいません。ただ名残としてヒューマンではMP至上主義という考えが残っています」

「つまりレベルよりMPが高い方が優れているから、獣人より優れているって考える人が今でも多いってことだよね。あ、冒険者内では大丈夫だっけ?」

「他国ではそうらしいです。ただニホン国では――種族間では適性値分布が違うのだからMPやレベルなどの優劣を競うのは愚かな事だ――と初代の王様がおっしゃったらしく、特にオオサカは世界で一番獣人が住みやすいヒューマンの町といわれています。実際、私とスズはずっと住んできましたけどヒューマンの方は優しかったですよ」

「お父さん(ヒューマンで妻が獣人)も優しかったって、おじいちゃん(院長)が言ってたにゃん!」

「そうかリュウはいいこと言ったなグッジョブ! それじゃあ他の国に行く時は注意しような」

「はい!でも大分獣人とヒューマンの混血が多くなっているので、さほどひどくないとも聞きます。気にかける程度で大丈夫だと思いますよ」

「ヒューマンのお兄ちゃんとも仲良しだもん!大丈夫だにゃん!」


口調と表情を見ても全く危惧はしてなさそう。

院長は世間知らずといっていたけど、これまでの事を考えても2人は無知ではない、むしろ博識だし、悪意があることも知っている。

・・・その代わり悪意が自分に向くことは考えてないってことね。

ちょっと釘をさしておくか。


「見てもいないのに決めつける考えは危険だよ。いい人かどうかは個人によっても違うんだし、俺たちはもう冒険者なんだ。これから見たことのない場所に行って、想像もつかないようなことを経験していくんだろう。だから楽観視は死につながる愚かな行為という認識を持つべきだと思う。・・・誰も信じるなって言っているわけじゃないからね」

「すみません。前におっしゃっていたのに・・・気を付けます」

「よくわからないけど、お兄ちゃんの言う通りにするにゃ!」


カオリはわかってくれたようですごく反省した様子だ。

・・・スズは勝手にどっかに行かないように見張っていよう。

にしてもカオリとスズは50日しか歳が違わないはずなのに精神年齢が違いすぎないだろうか。

カオリは精神年齢30オ-バーな俺と普通にしゃべれるくらいだし、逆に俺に慣れてからのスズは幼すぎるような気がする。

・・・まあ気にしないでいいか。


「ところで混血が進んでいるって言ってたけど、他種族間でも子どもって出来るんだね」

「いえ、基本的にはできませんがヒューマンが片親の場合は別です。ただ獣人や他の種族と子を成しても必ず獣人や他種族になります。ヒューマンの中には子どもが獣人なのに差別される環境に疑問を持つ方もたくさんいらっしゃるので、今は改善されているということです」

「へ~そうなんだ」


俺は他のステータスを聞こうとしたが、いやな気配を感じた。


右手の人差し指と中指をくっつけて額にあてた。

≪我に及ぶ危険を知らせよ!≫

「気配察知」


俺はアクティブスキルを使って詳細を確かめようとした。

右側は見晴らしの良い草原だが左側は森になっている。

スキルによると森の方から1つの危険が近づいていることが分かった――これが魔物だろう。


「カオリ、スズ! おそらく魔物だ! 戦闘体制をとれ! 森の方から1匹だと思う」


俺の指示に従ってカオリは槍を構え、スズは弓を引いていつでも撃てるようにしている。

これはダガーの方が弓から取り変えやすいためあらかじめ決めておいた。

二人の前で俺は居合の構えをとり、襲撃者が森から姿を現すのを待つ・・・そして。


俺たちの魔物初対戦が始まる。


ステータスの確認を先に全部やってもよかったのですがどれだけの強さかわかりにくいと思ったのでこうします。

まあステータスの確認だけで2,3話かかりそうだからってものありますが。

次回まだ2割ほど能力が制限されている状況ですが戦闘が始まります。

ついでに町の中では9割以上制限されていました。

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