パーテー化の呪文
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
若干登場人物も増えたので今日の23時に登場人物表を投稿します。
祝三万アクセス!
ありがとうございます!
2章-MP1の駆けだし冒険者 其の6-
ようやく一通りの危機は去ったのでパーティを組むべく姉妹に声をかけた。
「大丈夫ですか? 怪我はありませんか?」
「いえ、守ってもらえましたし・・・それよりもテリー様相手にあの対応ができるなんてすごいですね」
「・・・お兄ちゃんカッコよかった」
「はは、あれはハッタリだったりするんですけどね。でもテリーさんに追いつけるように頑張るつもりだよ! それはそれとして私の登録とパーティ化のアクティブスキル習得が終わったので、さっそくパーティでも組みましょうか?」
「あ、はい。お願いします」
「・・・します」
二人はぺこりと頭を下げた。
さてんーじゃあ「パーティ化」を使うとするか・・・え?
俺はアクティブスキル「パーティ化」を使おうとしたが、いつものようにイメージするだけではいけないことが何故か判った。
これ、本当にしないといけないんだろうか・・・
俺が悩んでいると姉妹が心配そうにこちらの顔色をうかがっていた。
いやまあ恥ずかしいけどやるしかないか。
俺はオーバーアクションで勢いよく右手をカオリさんの方に差し出し叫んだ。
≪我は留まることを知らない冒険者 いかなる危険があろうとも冒険することをやめない 我が進む道いずれも困難が待ち受ける 汝よ! 我とともに茨の道を行く覚悟があるか 何時如何なる時もともに支えあうことができるか それができるならば我らは友だ! さあ新たなる友よ! 手を取りたまえ!≫
カオリさんはちょっとびっくりしたようだが迷わず手を取った。
「パーティ化」
ようやくスキルが発動した。
神2?『カオリ・ホッカイドウがショウ・オオサカのパーティに加わりました』
成功したようだ。
俺はもう一度恥ずかしいポーズとセリフを言ってスズともパーティを組んだ。
カオリとスズは受付に行って無事登録も完了したようだ。
「これからよろしくお願いします。カオリさん、スズちゃん」
「こちらこそよろしくお願いします。ショウさん」
「よろしく。お兄ちゃん」
ふーやっとパーティを組めた。
そして一息をついたら冷静になった。
よく考えたらこの子達のこと全く知らないのにパーティとか組んで大丈夫なんだろうか・・・
ものすごく今さらである。
逆にこの子らも俺のこと知らないのに何でこんなMP1で「剣聖」とかいう怪しい奴とパーティを組んでいるんだろうか。
そもそも常識を全く知らないのにいきなりこんなとこ来るべきじゃなかったし、装備とか旅に必要なものとかまず揃えるべきだったような気がしてきた。
・・・まあやっちゃったものはしょうがない。
とりあえずまずじっくり話し合いをした方がよさそうだな。
「あの、まず今後のことについて落ち着いて話をするために、拠点を探しませんか?」
「そうですね。わかりました」
「行く」
そう言って俺たちは冒険者ギルドを後にした。
「ところでお勧めの宿泊できるところを知っていますか?」
「いえ、外泊はしたことないのでよくわからないですが、登録したら一度帰ってくるように院長さんに言われているのでそこはどうでしょう。少しの間くらいなら泊めて下さると思います」
「院長さん? どこかの施設ですか?」
「はい、私とスズは孤児院で育ちましたので」
「そ、そうなんですか。すみません」
「なんで謝るんですか? みんなすごく優しい人ばかりでいいところですよ」
「ん、おじいちゃん大好き」
ミスったな、親が死んだとか変な嘘をつかなかったらよかった・・・めっちゃ後ろ暗い。
「・・・それじゃあその孤児院に行きましょうか。冒険者仲間になったということで院長さんには挨拶をした方がいいと思いますし」
「ええ、行きましょう」
「いこ・・・」
俺は姉妹の後をついて孤児院に向かった。
ではでは今日はまた23時に