獣の耳姉妹との出会い
プロットなし、ストックなしで始めます。この先どうなるかわかりません。
第2章 -MP1の駆けだし冒険者 其の1-
-ニホン国王都オオサカにて-
俺ことショウ・オオサカは初めて外の世界に踏み出した。
「ひ、人、人、人がいっぱい・・・」
早速くじけそうになった。
-しばらくして-
ふー久しぶりに人を見たからびっくりしてしまったぜ、満員電車を始めて見た人がビビるようなもので、決して人が怖くなって籠りたくなった訳では決してない・・・よ。
王都の様子は西洋中世の世界って感じで、賑わってはいるが文化は進んでいないようだ。
そして異世界だと認識させられるのは異人種の存在だ。
猫耳、犬耳、小人?、ドワーフっぽい人・・・ファンタジーだ!
割合的には半分以上は人間で次に3割くらいが獣耳の方、残りがその他だ。
獣耳にさわりたい! めっちゃ触りたい! これは異世界に行った人は皆思うことなんじゃないだろうか――そうに決まってる――ということは触ってもいいんだよね?
「あの~どうかしましたか?」
「へ?」
いきなり声をかけられ思わず間抜けな声を出してしまった。
声をかけてきたのは2人組の犬耳、猫耳の少女だった。
年は俺と同じくらいだろうか? 犬耳の方がお姉さん、猫耳が妹のように見えた。
・・・てか二人の正面で耳を触ろうと手が空中に浮いていた――よく考えなくても俺怪しい人だよね。
「いえ、実は町に初めて出まして道がわからなかったもので・・・」
だからと言って触っていい訳ではないが
「あ、そうなんですか。よろしければ案内しましょうか?」
なんだこの人疑問に思わないの? 可愛いしめっちゃいい人?だ!
「本当ですか? お願いします!」
「ええ、いいですよ。 どこに行きますか?」
「ねえ、おねーちゃん」
さっきから微妙に犬耳さんの後ろに隠れていた猫耳さんがおずおずと声を出した。
なんかものすっごい中毒性のある声「釘○病」を生みだした人の声に似ている。
後で「うるさいうるさいうるさい」って言ってくれないだろうか・・・
「ああ、すみません。 ちょっとこの子人みしりで、気にしないでください。」
「そうなんですか。 驚かしてしまったみたいで・・・ごめんね。」
「・・・いい。」
よくわからないが許してくれたようだ、姉妹?そろっていい人?だ。
「申し訳ないですが冒険者ギルドに案内してもらえないでしょうか。そこで登録をしたいと思っているのですが」
「「!?」」
「もしかして職業「冒険者」をお持ちなんですか?」
いきなりびっくりした。
急に犬耳さんが詰めよって来たからだ――何でこんなに驚いているんだろうか?
「はいそうですよ。 今まで病気がちの父の看病でほとんど家を出ることができなかったんですが今日「冒険者」の職業を得て、外を見てくるように言われたので・・・それが父の最後の言葉でした。」
久しぶりに人と話したから文脈が滅茶苦茶だし、父には死んだことになってもらった。
こう言えば深く事情を聴かないのではないかという打算もあったが。
「そうなんですが・・・すみませんつらい事を聞いてしまって。」
「いえ、もう最後の家族で誰かが死ぬのには慣れてます。」
さらに追い打ちをかける。
ちょ、猫耳さん泣いてません? ちょっとやりすぎた?
「いえ死んだ父は本当は祖父でかなりの年だったので寿命だったのでしょう。本当の父と母は幼い時に死んだようで本当に悲しくありませんので大丈夫ですよ。」
さっきと言っていること矛盾してるけど騙されてくれ、てか話題を変えよう。
「ところで私が「冒険者」なのがどうかしたんですか? 世間知らずなのでよくわからないんです」
「えっと、すみません。 実は私たち冒険者になりたくて職業「冒険者」を持っている人を探していたんです。」
「職業「冒険者」と冒険者って違うんですか?」
「冒険者というのは冒険者ギルドで登録して祝福をもらったものを言うんですが。」
「さっきも言いましたがちょっと世間知らずでして、わからないことが多いんです!」
「えっとそういうことは冒険者パーティのことも知らないんでしょうか」
「はい。」
-説明中-
犬耳さんに教えてもらったことをまとめると
・冒険者は冒険者ギルドの登録をしたもの全員を指す
・職業「冒険者」以外も登録することができるが職業「冒険者」とパーティを組んでいるものに限る
・冒険者になりたいが犬耳、猫耳さんは「冒険者」を持っておらず「冒険者」でパーティを組んでくれる人を探していた
これはついているかもしれない、もしパーティを組めば耳を触れるかも――いや触れるに違いない!
「わかりました! 是非パーティを組みましょう!」
というわけで2章開始です。これからよろしくお願いします。