過去
お風呂も…あるよ?
一部…というか半分は友人が書いています。
待ちに待ったお風呂の時間。
妄想はいつの時代でも自由なのである。
服を脱ぎ捨て、しかし、さすがに恥ずかしいので前はタオルで隠しておく。
リンちゃんにもタオルを持たせてあるので、どこにいるのかすぐにわかる。
幽霊も服を着ているのだろうか?
着てたら服が浮いてるからわかるわけで、見えないってことは…常に裸!?
「リ、リンちゃんってさ…いつも服着てるの?」
さすがに、風呂場まで紙は持ってこれない。
その代りに、曇ったガラスに文字が出現する。
『着てるに決まってるじゃないですか。…えっち』
俺の如意棒をヒートアップさせる気かい?
風呂終了。
何にも起こらなかった。
俺の妄想力が、なぜか発動しなかった。
そういうわけで、お風呂終了。パジャマに着替えて、寝る支度をする。
「一緒に寝ようよリンちゃん」
せめてもの甘え。しかし断るリンちゃん。
俺の甘えを受け取ってくれないのか?
聞きたいが聞けない。
まるで金縛りにでもあったかのように、体の至る所が動かない。
どうしたものか…。
神は今、私めに試練を与えておられる。
だから俺は「リンちゃん」っと取りあえず一言、声に出す…。
しかし、状況は変わらず金縛りのまま…。
神は…いや、リンちゃんは、俺に何をしてもらいたいんだろうか?
そうやって、試練の内容を考えてみる。
そして出た答えが…。『俺に男になれ!』
俺は恐る恐る「愛してやる」こう告げたのだ。
すると次第に金縛りは解け、そして自由に動けるようになる。
触れることはできなくとも、感じることはできる。
次の日の朝である。
俺たちはこの朝日が昇る時間まで話をしていた。
思い出話から、いらぬ話まで…。
俺はそこで知ったことがある。
リンちゃんが死んだ話について…である。なぜリンちゃんが死ぬ破目になったのか。
昔の話である。リンちゃんには兄がいた。
その兄はいじめられていた。
涙をいつも出ていたあの頃。時は小学時代まで遡る。
いつも靴に悪戯は当たり前、そして椅子に糊。
漫画でしか見たことがない奴がいるだろう。
しかし、兄の場合は現実にある。そして、リンちゃんの場合も…。
『蛙の子は蛙』
それは兄妹とて同じ。いじめられっ子の妹はいじめられっ子である。
好き嫌いなど関係ない。ただ何となくいじめるのである。
そのいじめが原因で学校に行かなくなったリンちゃん。
それを気遣う事による、リンちゃんのお兄ちゃんの衰弱死。
さらにその負の連鎖は、兄の彼女の逆恨みにまで発展する。
なにを大げさにというかもしれない。しかし、時として世界は不条理である。
逆恨みの念を持った彼女は、リンちゃんの家に押しかける。
そこで、彼氏を死なせる原因を作った妹を殺した。
現実にハッピーエンドなんてものは、ほとんど存在しない。
しかし、それが世の中というものである。
俺はこの話を聞いて、一層リンちゃんの事を愛そうと誓った。
その日の夜。
俺はもう一度、リンちゃんをお風呂に誘った。
やましい気持ちはない。
ただ純粋にリンちゃんと一緒にいる時間を長く作りたかった。
死んだ兄の代わりになろうと、心のどこかで思っていたのかもしれない。
風呂に入っても、気まずい空気が漂い続ける。
なんとか換気しようと必死になるが、どんな言葉を投げかけていいか見当もつかない。
言って良かったのか悪かったのか。
リンちゃんの過去を聞いた時から、これが頭から離れなかった。
「沙都子と悟史みたいだね」
妹を思いやる兄。いじめられる兄妹。そのために消える兄。
被りすぎていた。
たぶん言ってはいけなかったと思うが、俺の心は少しだけスッキリした。
風呂から上がれば、何をするわけでもなく。
しかし、重い空気は継続していた。
いつも通りに振る舞っているつもりでも、どこかで憐れんでしまう。
けっきょく俺にはどうしようもできないのさ。
早めのおやすみを言い、視界を閉じた。
辺りはまだ暗かった。
顔を叩かれるような感覚に起こされた。
「リンちゃん勘弁してよ…。朝から学校なんだから…」
枕元に置いてあるメモ帳を見ると、眠気が吹き飛ぶような内容だった。
『一緒に…寝てください…』
ついにリンちゃんからの甘い誘惑が訪れた。
場所を空け、布団をめくってあげる。
すると、急に爆音が…。
「…そういうことね」
朝。カーテンから差し込む光は眩しく、目覚ましは鳴り響く。
どうせそんなことだろうと思った…。
今日の名言。夢オチとは、非常に虚しいものである。
ん? この時計…おかしくないか?
長い針さんは55分を指している。短い針さんは8を指していた。
あー…そういうこと…。
朝飯も食べずに、寝起きダッシュ。
リンちゃんには、簡単に説明して学校へと向かった。
『夢じゃ…ないですよ。…一緒にいたかったから…』
もうネタが尽きました(笑)
ラストは3パターン考えているので、全部書きます。
つまり、最低でもあと3つ書きます。
追記
「おい、ちょっと意味わかんねぇぞ。ちゃんと書けよ」
との指摘を受けたので、加筆しました。
作者のやる気のなさの問題です。すみませんでした。