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第1話 襲撃! ミュートロン軍の脅威

 西暦2530年、太陽系政府連合は人工惑星「セカンド・アース」を建造した。

 このセカンド・アースは、各惑星の最大限の技術力を注ぎ込んで造られたもので、地球の重力や水資源、さらに植物も人工的に再現されており、第二の地球と呼ばれていた。ここでは人造生命体などの開発が行われている。その中には「ミュートロン」と呼ばれる人間を再現した生命体が作られていたが、その強靭的な体力・知能は通常の人間を遥かに凌駕していた。

 彼らは幼年期の段階で、成年男性が相手でも歯が立たない体力、大学院生レベルの問題をいともたやすく解く知能を備えていた。

 やがて、その実力を行使したミュートロンはついに人類に反旗を翻す。これは2570年のことである。

 そして同年、人類とミュートロンの戦争が開戦し、この第四次世界大戦により、セカンド・アースから人類は追放。再び人類は、それぞれ元いた惑星へと戻ることとなった。

 その一方で、この終わりなき戦争に終止符を打つため、太陽系政府連合は対ミュートロン特殊部隊を結成する。その名も「SERT」(Second-Earth Recapture Team)である。

 SERTのアメリカ政府軍ワシントン支部に所属する「プロメテウス隊」は、SERTの筆頭とも言える最強の少数精鋭の部隊。彼らの実力は、過去に敵機動大隊を数分で片付けるほどのものである。

 隊長のジミー・ガウスは、戦闘班のラディエス・ライオネル、パティ・ネイス、ゼナード・バーツ、オペレーターのアリカ・フェニキアと共にミュートロン戦闘部隊を日々駆逐していた。


 

 プロメテウス隊の面々はミュートロン軍との戦闘を終えて、休憩をしようとしていたが、アリカがジミー達の元に来た。


「ジミー隊長、救護部隊から手伝いの依頼が来ているようですが……」


 アリカは、ジミーに自身のタブレット端末を手渡す。


「そうか。ならばその依頼は引き受けよう」


 ジミーは以前から似たような依頼はこなしていたため、すぐに引き受けることにした。


「また救護依頼ですか?」


 ゼナードはまた救護依頼かと思い、渋々手伝うことになった。


「まぁいいじゃないか、ゼナード! 人助けぐらいよォ」


 ラディエスは笑顔で彼の肩をポンと軽く叩いた。


「そうよ、ゼナード。ただでさえここは人手が足りないんだから……」

「お人好しのラディエスならともかく、パティにまで言われちゃあ仕方ないな」

「おい、ゼナード……」


 しかし、ゼナードはラディエスをサラッと無視する。


「行くぞ、パティ」

「なんなんだよ、ホントに……」


 ラディエスは思わず彼の態度に溜息を溢す。

 その後、プロメテウス隊は支援依頼を受け付ける事になり、彼らは薬品や治療器具などの輸送を行うべく、トラックで近隣の基地へと救護支援を行うこととなった。


「いやぁ、いつもありがとうございます。これだけあれば、当分は安泰です」

「いえ、俺達はただ運んできただけですよ。なぁ、ラディエス」


 ラディエスの方を向いて微笑むジミー。


「ええ、礼は要りません。今の時代は、助け合いが大事ですから」

「そうですね。今後も何かあった時はよろしくお願いします」


 看護師たちが喜ぶ顔を見て、自然と笑顔になるプロメテウス隊の面々。


「はい、これからも是非。さぁ、早い所帰るぞ」

「了解!」


 その後看護師たちは、彼らを見送った。



 そして、その依頼を終えて、ワシントン基地へ戻った時のことである。


“ミュートロン軍接近! ワシントン基地の戦闘部隊は全員出撃せよ!”


 サイレンが鳴る中、彼らは戦闘準備を整え、プロメテウス隊を筆頭とする戦闘部隊は交戦することになった。


「ジミー隊長! 敵戦闘部隊が接近しています! このままではワシントン基地が……」


 アリカは血気迫った表情で辺りを見渡す。


「よし、ラディエス、パティ、ゼナード、行くぞ!」

「了解!」


 意気揚々と各隊員は、敬礼をしてから出撃態勢に入った。

 こうして、彼らの戦いは幕を開けることとなる。


「破壊する! 貧弱な人類め、無駄なあがきを……!」


 人類に怒りをぶつけるかの如く、ミュートロン戦闘部隊は市街地のビルを破壊していった。高層ビルは攻撃により倒壊し、何百人もの罪なき人々が散っていく。


「もうやめてくれぇ! ウワアァァッ!」

「嫌アァッ! キャアァッ!」


 戦闘に巻き込まれる人々の悲鳴が聞こえる中、プロメテウス隊は彼らは手を伸ばす暇もなく、戦う事しか出来ずにいた。そして、ワシントン基地にも牙を剥こうとするミュートロン軍。


「来たな……、敵部隊か」


 ジミーはビームライフルを即座に構えて、照準を定めて狙い撃つ。放たれた光線が敵機を一閃。


「何としてもワシントン基地は破壊せよ。地球政府軍の拠点を壊滅させれば、我らの勝利の日は近くなるはずだ。行くぞ!」


 ミュートロン機動艦隊は、地球政府軍に集中砲撃を仕掛けた。鮮血の如く赤い炎が、無残にも燃え広がっていく。


”皆さん、今回の敵部隊はかなりの数です……。只今敵勢のデータを送ります。ワシントン基地の戦力をもってしても、厳しい戦いになるかと思われますが、何としても生き抜いてください!”


 アリカはジミー達に今回の敵の軍勢のデータを送った。


「助かるぜ。ラディエス、パティ、ゼナード、全員で一斉掃射だ! 戦力面ではこっちが不利だが、負けてはいられん! アリカは引き続き戦況について報告を頼む!」


 ジミーは、部下全員に指示を仰いだ。


「了解!」

“敵部隊はかなりの数です! 気を付けてください!”

「分かった、アリカ。よぉし!」


 ラディエスはそのたぎる闘志をさらに高め、燃え上がる大地の上を駆けて行く。


「このままテメェらの好きにさせてたまるかよォ! 一斉掃射!」


 ラディエスの駆る量産型MU(メタルユニット)・ストライルが放つ光線は、敵機を一閃。


「グアァァッ!」


 敵機は爆発四散し、地獄に落とされた者かのように喚きながら散っていった。

また、ジミーも部下に負けず劣らずの活躍を見せる。


「こっちだ!」

「何をォッ!」


 敵部隊は必死にジミーの駆るストライルを追跡する。


「よし、来たな。拡散キャノン砲、発射!」

「ウワアァァッ!!」


 敵機三機を上手く誘導し、全て一掃したジミー。

 しかし、目の前にミュートロン軍の機動艦隊が現れた。とてもではないが、いくらプロメテウス隊の力をもってしても勝てるかどうかは怪しかった。


「ジミー隊長、いくら何でもこれは……」

”分かっている。これが例え無謀な戦いであろうと”

「隊長、でも……」

”今は行くしかないんだ! このまま逃げてしまったら、本当に後戻りできなくなるぞ!”


 ラディエスはその後、言葉が思いつかずただ押し黙ることしか出来なかった。だが、それと同時に彼らは死の覚悟をした。

 彼らは終わりなき戦いに終止符を付けることが出来るのか?


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