表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は悪役令嬢マリーナ! 魔法とモフモフ達に囲まれて幸せなので、王子様は嫌いのままいてください。(第一章完結)  作者: にのまえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/106

82

(土地よ、実りよ。お願い"万能の実"よ実って!)


 私の声と魔力に反応したのか。土地が、枯れた植物がドクンと脈を打った後。ものすごい勢いで私とトラ丸の魔力を、貪るように吸っていく。


 ――な、何コレ? 私の魔力がこの土地に吸われる!


 その吸われ方に危機感を覚え私は。地面から片手をすぐ手を離し、マジックバッグに片手を手を突っ込み、魔力石を取り出し砕いた。


 もう一度、もう一度、バッグから取り出し砕く。


(魔力の回復が間に合わない!)


「トラ丸、魔力の減りが早いよ……」

《そ、そうだな……ワシは腹減ったぞ》


 お、腹減った? 

 え、ええーー!


 魅力的でモフモフ、ふわふわ。まん丸フォルムのトラ丸の体型が"げっそり"していたのだ。こ、このままだとトラ丸が干からびちゃう?


 それは、マズイ! 


「トラ丸! マジックバッグからポテチ保存袋を取り出して、食べて!」


《いいのか!》

「応急処置!」


 トラ丸はすぐさま、私が肩から下げるマジックバッグに顔を突っ込んだ。そして中からポテチ保存袋を取り出すと、両手で器用にポテチの封を開け食べ出した。


《う、美味い!》


 パリパリ、サクサク。隣から、いいポテチのサクサク音が聞こえる。

 私の両手は地面の上とマジックバッグの中だから、そのポテチが食べられない。トラ丸がうらやましくなってくる……"ゴクッ"いまゴクッて喉がなったよ。


「いいな、うまそっ。コレが終わったらマリの家に、ポテチがフライドポテトを食べに行こっと!」


「へぇ~、それがラゴーネが言っていたポテチか?」


 ラゴーネさんとゲドウさんが、トラ丸のポテチが入った袋を覗く。


《コレはワシのだ、キサマ達にはやらぬ!》


 パリパリ、サクサク、パリ、さくさく、サク、サク! 半分くらいポテチを平らげると、トラ丸の体型が"ポン"と元の魅惑ボディに戻る。


《復活! マリはそのまま、この土地に魔力を込めていろ》


「うん、わかった。魔力をこめるヨォ――!!」


 魔力石を砕き、土地にゴゴゴーーっと魔力を込める。すると。ポテチの力? でまん丸フォルムに戻ったトラ丸が"万能の実"が実ると言われた、畑の周りをクルクル回りだす。そのトラ丸の足元に新芽がピコンと芽を出し……息吹きはじめ。


 畑にも、モコっと新芽がひとつ生えた。


(おお!)


《マリ、やったぞ!》

「うん、うん! やったね、トラ丸!」


 私とトラ丸は喜び、手を繋ぎながら一緒にぶっ倒れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ