表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は悪役令嬢マリーナ! 魔法とモフモフ達に囲まれて幸せなので、王子様は嫌いのままいてください。(第一章完結)  作者: にのまえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/106

72

 王都に行って3日後。朝の日課のジョギングと、今日の授業あとテラスでまったり読書している。カカナお母様とジロウは魔術師達を連れて、王国中の森の調査に出ていると言っていた。


「ウチの国でも1年に一回兄上が騎士団、魔術師を連れて森の調査は行っているよ。その森に危険な魔物がいないのか、植物がないかを調べて、いた場合はギルドに依頼を頼むんだ」


「ギルドにですか? 私、冒険者ギルドに登録したかったけど――成人していないと、ギルドに登録できないって本に書いてあったから、いまはあきらめてる」


《マリ、そのまま諦めろ》

「ええ、スライムくらいは見たい!」


 ファンタジーのスライムって見た目と、ポヨンポヨンした動作が可愛い。本物は? って気になる。


「ハァ? スライムが見たい? マリーナやめておけ……スライムはなかなか危険な魔物だ。王都の本屋でモンスター図鑑を買っていなかった? それに載っているから見た方がいい」


 ヴォルフ様にそう言われて、図鑑と取りに部屋に戻るついでに厨房に寄ったけど、いつもいるカルロの姿が見えなかった。


(オヤツ貰おうと思ったんだけどなぁ。この時間マサさんとリヤさんは買い物でいないから、カルロは裏庭でお昼寝中かな?)


 空いた時間、屋敷の裏庭で自作のハンモックで昼寝しているって言っていた。表の庭と違い木々が生い茂り、日陰で涼しいんだって。"いいな"ってトラ丸が言っていたと言ったら、姿が見えないけどトラ丸用のハンモックを作ってくれた。


 裏庭、裏庭~


「カルロ?」


 あれ? いつものハンモックにいない。ちょうど見かけたメイドのパレットに聞くと、カルロは風邪を引いて午後から休んでいるらしい。


(あらら、風邪か~カルロの様子は後で見るとして。今日のオヤツどうするかな? 王都で買ったクッキーと、私が2日前にカルロの横で作ったポテチでいいっか)


 うーん。飲み物は私でも作れるレモン水かな。お父様に火を使わないんだったら、厨房に入る許可は貰っているから、サッとレモン水を作ってテラスに戻る。



「ヴォルフ様、トラ丸、クロ君、シラさん、ポ君~オヤツにしましょう」


《オヤツ!》

《おやつ~》

《ポ、食べる》


 お昼寝中のトラ丸達も目を覚ました。本を読んでいたヴォルフ様、側にいたシラさんも集まりお茶の時間がはじまる。


「カルロが風邪で休みだったので、レモン水と王都買ったクッキーとポテチを持ってきました」


 私は厨房から持ってきたオヤツを並べ、作ってきたレモン水いりのピッチャーとコップをテーブルに置いた。ヴォルフ様はレモン水入りのピッチャーに氷魔法を使って、小さな氷をコロンコロンといれて冷やしてくれる。


「ヴォルフ様、ありがとう」

「うん。あれ? このポテチいつもと見た目が違うね」


《うぬぬ? 少し揚げすぎか?》


 トラ丸、みんなは好きなポテチから手が伸びるけど。いつものとは違う、少し揚げすぎのポテチに気付いた。


「えーっと、そのポテチ……2日前にカルロの横で私が作ったポテチなんです。見た目とは違って、味はそこまで悪くないから……食べてみて」


《何? マリの手作りか――どれどれ。うーん、まあまあかな》


「やっぱり?」


 味にうるさいトラ丸。


「マリーナ、美味しいよ」

「はい、美味しいです」


《うまうま》

《ポも、ウマウマ》


「ほんと? よかった。ヴォルフ様、図鑑を持ってきたので一緒に見ましょう!」


「ああ、見よう」


 私たちのお茶の時間は続くのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ