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書庫で読みたい本を持ちより調べをはじめた。今日、私が習いたい魔法は風魔法が使える回復魔法。植物を育てる魔法。クリーンの魔法だ。他にもまだあるけど、この3つに決めた。
屋敷で、ヴォルフ様が国から持ってきた書物を読み、魔法の基礎は習ってきた。私の習いたい魔法を知る為に、王城の書庫になら、詳しい書物があるだろうとやってきた。
「マリーナ、ここに風魔法の本があったよ」
「ありがとうございます。私はジャガイモの育て方とジャガイモ料理の本を見つけました!」
《マリ、いい本だな》
《いいねぇ》
「クク、まずはそれから読むか」
「はい!」
並んて座り本を読んでいく。ジャガイモのパンケーキ、フライドポテトにタップリチーズ、ジャガイモに細かく切れ目を入れてこんがり焼いて、チーズといただく料理。
「どの料理もおいしそう、帰ったらカルロに頼んで作ってもらう」
《いいな。ワシはフライドポテトにタップリチーズだな》
「どれも、おいしそうだね」
《チーズ、チーズ!》
みんなの口がチーズになり、お昼はピザに決まった。ここの本を借りていくのもいいが。デリオン王子、ゲドウさんに会うのは嫌だな、と。ヴォルフ様がアイテムボックスから"薄水色の石がついた"ペンダントを取り出した。
「ヴォルフ様、それなんですか?」
「これはね複写ペンダント。文字の通り、文書・絵などを原物通りに写し取れる魔道具なんだ。読みたいページをこれに写していこう」
(異世界のコピー機だ)
「すごい!」
《便利な道具だな》
《便利だよねぇ》
「凄くて、便利でしょう」
〈マリーナ、トラ丸、クロ。シンが、ポにお茶会を見張ってもらっていたところ。ゲドウさんの姿がお茶会から消えた。ここにゲドウさんが来るかも。と伝えた〉
〈ゲドウさんがここに来る?〉
《会わず、すぐに去ったほうがいいな》
みんなの考えは一致。読みたい本、目についた本を集めて、ヴォルフ様が持ってきたペンダントに複写していく。
「この本……香辛料、卵、お肉の料理の本だね。こっちは防御魔法、攻撃魔法まである。いいね、僕はお魚の本、スパゲッティ、パンにしよう」
《ボク、ぬいぐるみの本がいい》
《ワシは甘味の本をお願いする》
見たい本は全部、複写した。それ帰ろう! と、書庫をあとにした。
その数分後――ポ君が「ゲドウさんが書庫を訪れた」と、私達に伝えた。




