表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/106

44

 クロ君にヴォルフ様とシラさんが乗り、私はトラ丸に乗り、一緒に乗ったポ君の防御魔法で守られている。私達は姿を消して森の中を進み、騎士団とお母様がいる魔術師達のところへと向かっていた。


「ドラゴンブレスだ、避けろ!」

「炎だ、うわぁーー!!」

「行くぞ、防御魔法だ!」


「[ゴメン、ゴメンナサイ]」


 そのあいだもドラゴンの「タタカワナイ」苦しむ声と、騎士団と魔術師達の怒涛の声が飛び交っていた。その離れた場所では天幕がいくつも張られ、救護班が慌ただしくケガ人を回復魔法で治している姿が見えた。


(前線で戦う、騎士団と魔術師達は命を賭けてこの国を守っている――カカナお母様も最前線でジロウと戦っているわ)


 ゲームのマリーナのままだったら、絶対に見られなかった場面だ。


「マリーナ! 何が起こるか分からないんだ、よそ見をするな!」


「え? は、はい!」


《マリ、気を引き締めろ!》


 カカナお母様とドラゴンが気になって目で追ってしまう。それは危険なこと――今、私達は森の中にいるが近くには"呪われたドラゴン"がいる。それに気を取られた私が。とら丸から手を離して、ドラゴンの近くに転げ落ちてしまったら……助けられないし、みんなを危険に巻き込む。


 "しっかりしろ!"と、トラ丸にも喝を入れられた。


「ごめんなさい、気を付ける」

《わかったら、しっかり掴まれ!》


 



 あと少しで騎士団と魔術師達のところにつく。ヴォルフ様は少し前で止まり「姿を現そう」と指示を出した。私は身消しの魔法をとき姿を現す。


 魔術師達は別の魔法を感知したのか、こちらを向いた。そして、聖獣に乗ったヴォルフ様とシラさん私の姿に驚く。


「き、君達! 何故ここにいる?」

「王都への避難指示は、行き渡っていないのか?」


「戦闘中にどうした? はぁ? こんな危険な場所に子供?」


 騎士団達も驚くのも仕方ない。私達はめずらしい聖獣に乗ってはいるが、ここはドラゴンがいる前線。その場所に11歳と10歳の子供が来たのだ。


「ロベルト国の騎士団、魔術師の方達、この様な場所へ来てしまい、すみません――ですが、ボクの話を聞いてください!」


 ヴォルフ様がクロ君から降りて頭を下げた。騎士団の中にいたガタイが良く、ゴツい鎧を身に付けたヒゲの男が1人前に出てきた。


「私達に話ですか?」

「はい」


 ヴォルフ様が"呪い"の事を伝えようとしたとき。いったんドラゴンから退却してきた、カカナお母様がジロウと降りてきて憑依をとき、ジロウの頭を撫でた。そして、騎士団と一緒にいる、私とヴォルフ様の姿を見て目を見開く。


「え? ヴォルフ殿下!? マリーナ!? あなた達、何故ここにいるの?」


《ええ!? こんな危険な場所に来たんですか!》


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ