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 簡単に冒険者になるとか言っても、正直のところ、どうすればいいのか分からない。書庫に行けば何かわかるかな。


「よし、書庫に!」


(グウッ~! お腹空いたかも)


 書庫に向かう前に腹ごしらえをしようと、私は朝食をとりに食堂向かった。屋敷の構造はマリーナの記憶を思い出したから迷わなくてすむ。


 2階にあるマリーナの部屋から、1階の食堂へと向かった。ついた食堂は乙女ゲームで見たことがある、真っ白なテーブルクラスがかかる長方形のテーブルで、真ん中にはロウソク立てと生けられた花、天井にはシャンデリア、暖炉があった。


(おお、これが異世界の食堂かぁ~)


 だけど食堂のなかには誰もおらず、がらんとしていて、1人分の料理がポツンとテーブルに置かれていた。忙しい両親とは時間が合わず、マリーナはいつも1人で食事をとっていた。


 マリーナは好き嫌いが多くてわがまま、メイドと同じく、何人もの料理人を辞めさせている。だからか公爵家へ働きにきてくれるメイド、料理人がいない。お父様は仕方がなく、領地で定食屋をやっていた一家に頼み、住み込みで働いてもらっている。


 私は用意されている、朝食の前に座った。


(んん、いい匂い)


 マリーナの朝食はいつから用意されたのか分からない、だから、料理は冷めているかもと思った……ううん。作ってもらえるだけありがたい。「いただきます」と1人で手を合わせてパンを手に取っりかじった。


 サクッ。え、うそ、パンがサクサク……焼き立てのように温かい、どう言う仕組みなの。パンを手に朝食を眺めた。あ、ああ。食器を置くランチョンマットに、ファンタジーゲームで見たこたがある魔法陣が見えた。もしかして、魔法? このランチョンマットには料理を冷めなくする、魔法が掛けられているの⁉︎


 うそ、うそ! スプーンを持ってスープを飲んだ。


 このスープもあったかい……すごい、すごいわ、私はパンをもう一口かじった。サクサクに焼かれパンには、たっぷりのパターが染みている。


「……んん、美味しい」


 野菜とソーセージの旨味がたっぷりのスープは優しい味、ベーコンエッグ……どの料理も美味しい。残すなんて、もったいない。マリーナはこんなにも美味しい料理を嫌だと、食べずにいたなんてほんと勿体ないよ。


 それに、手作りの料理を食べるのは久しぶりだった。


「おいしかった、ごちそうさまでした」


 両手を合わして、使ってくれた人に感謝をした。

 よし腹ごしらえも終わったし、書庫に行こう!



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