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メシ、メシと頭の上で騒ぐトラ丸。

 まんまる、ムチムチのボディは重さを感じないけど、頭の上でお腹のモフモフは気持ちよく。ポヨンポヨンで柔らかいお腹の感触は良い。


 ――トラ丸は前世も、今もかわゆす。


《コラッ、うるさいよトラ丸。まったくトラ丸はボクみたいに、主人をたてないの? ご飯だって主人から魔力を貰っているから、あまり食べないよ!》


 ヴォルフ様の足元で、大人しく座っているクロ。

 それにトラ丸は首を傾げて。


《ん? 魔力もいいが飯は美味い。それにマリはワシの妹だ!》


《《い、妹⁉︎》》


 驚くクロ君、ポ君、ジロウ。

 聖獣は主人と認めた者に尽くすと、お父様が買ってきた書物に書いてあった。お父様は自分に聖獣がいなくて寂しがっていると、お母様が話していた。


「マリーナ、トラ丸達の絵を描いてくれない?」

「絵?」


 お母様にお願いされて、トラ丸とジロウの絵を描いて渡したら……涙を流して喜び。ウキウキと家族の肖像画の下に、高級な額縁に入れて飾っていた。



 お母様の足元に大人しく座っていた、ジロウがスーッと立ち。


《マリーナが妹ですか? それはいい》

《ジロウ君?》


 聖獣は本来、そのような考えは起こらないみたいだけど――私の考えも違う。


 大喜びだ!


 私がジロウ君とトラ丸の妹! なんたるいい響き。私、お兄ちゃんが欲しかった!


《ジロ兄、トラ兄!》

《それ、やめろ》

《なんだい妹》

 

 キラキラ喜びのジロウ君と、トラ丸には照れ隠しの強烈な猫パンチをくらった。モニュモニュ柔らかくて、ひんやりした肉球は最高。


 ごちそうさまです!


 騒ぎすぎで、お父様とお母様には冷ややかに見られていますけど。

 ヴォルフ様は楽しそうに笑い。


「クク、マリーナ嬢はジロウ、トラ丸と仲がいいね。僕もクロに甘えられたいなぁ」


《主人! ここでは恥ずかしいので無理です。2人きりの時なら甘えたいです~》


 正直なクロ君にほっこり。


 ポ君は《ポの主人は、ポと同じで強くてカッコいい~》《ポも主人に甘えてもいいの?》キリリとした瞳で見つめている。


 シラさんにポの声が聞こえていないけど、優しくポ君の頭を撫でた。


《ポの主人、ステキ、カッコいい!》


 羽を広げて、大喜びである。


「正直、聖獣様達と話せるヴォルフ様とマリーナが羨ましいです。私もいつかはジロウと話がしたい……あなたも羨ましそうに2人を見ないの。仕事に遅れますわ」


「あ、ああ、ヴォルフ殿下。娘をよろしくお願いします」

「わかりました」


 食事を終えたお父様は馬車で、お母様はジロウに乗り仕事へと向かっていった。


 

 なんと、なんと! 


 朝食のポテトサラダのサンドイッチはヴォルフ様、シラさん、クロ君とポ君に大好評でした。


 嬉しい!


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