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「嬉しいな。これから、クロとたくさん話ができる」

《はい、たくさん話しましょう、主人》


 ヴォルフ殿下とクロ、嬉しそうでよかった~。


「よかったね、ヴォルフ殿下とクロ君。私のトラ丸の仲には負けるけどォォォォ!」


 手を伸ばして、撫でようとしたところがお尻だったからか、鋭い猫パンチをもらった。う~ん、猫のお尻って、ついつい触りたくなるよねぇ。しかし、お尻はデンジャラスゾーン! 尻尾の付け根のトントンは好きみたいだけど。


《マリの目つきが怖い、何か狙っているな》


「え? そんなことないよぉ~」

「いや狙っているな」

《うんうん、狙ってる》


「2人も!」


「ハハハッ! マリーナ嬢、嘘だ」

《ウソです!》


「もう!」


 お茶会が終わるまでヴォルフ殿下、クロ、トラ丸と楽しく過ごした。





 お茶会から、半年は何事もなく過ごしていた。こちらの冬は寒いが雪は降らないみたい。お母様の魔導具のおかげで寒くなく過ごしていた。


「マリーナ、来年は忙しくなるわよ」

「え? 忙しくなる?」


 来年、春になったらお母様が魔法の家庭教師を雇うと言ってくださった。それを楽しみにしながら書庫で本を読み、厨房で料理する日々を送っていた。



 昼食が終わった午後、厨房でカルロ君と料理をしている。


「カルロ君、見て! これがコロッケ、こっちがジャガイモのガレットチーズ入り、と言う料理だよ」


「コロッケはサクサク、ガレットはチーズのいい香りですね」


 さすがは我が領地で採れたジャガイモだ。どんな料理にしても美味しい! ジャガイモをレンチンして、マヨネーズと塩コショウをかけたもの、肉じゃが、ジャガイモとベーコンいいよね。


 頭の上にいるトラ丸が、揚げたてのコロッケを味見して。


《ワシは蒸した、ジャガイモが好きだな》

《蒸したジャガイモも、いいよね。私はバターと醤油が欲しいかな》

《ふくよかになるぞ》

《運動するから、ならないもん》


「マリーナお嬢様、僕の両親も美味しいと言っています。本日の夕飯に出されてみてはどうでしょうか」


「マサさんとリヤさんも?」


「おいしいです、お嬢様」

「旦那様と奥様も喜ばれます」


「ほんと? じゃ、お願いする」


 と、話していた。


 夕飯の時間になり、王城から戻ったお父様が私に手紙を渡した。受け取った手紙を開くと、送り主はヴォルフ殿下からだった。


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