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5 再会

それから一週間もしない水曜日。今日は期末テスト最終日でいつもよりも早い時間に学校が終わった。

ワタシはいつもより早い時間の電車に乗って家に帰る


ホームが近づき、スピードを落としていく電車。ドアの一番前で外を見ているとホームのベンチにキラキラが視えた。


キラキラもこの世のモノじゃないナニカなんだけれど、黒い穴やモジャモジャと違って、視るだけで元気になれる。だから、ワタシはキラキラを見ると目が吸い付けられてしまう。なにもない空間を見つめるなんて絶対に”普通”じゃない、怪しい動きなのにね。


で、今、そのキラキラと一緒にいたのはあのオニイサン!!


「え?」


驚き、と一緒に感じた気持ちは何だったんだろう?

ワタシを待っている?いやいや、そんなことはないよね?ちょうどこの駅に用事があったんだね、きっと。そうだ、この駅、中央図書館の最寄り駅だもんね。


開いた電車のドアから降りる。ホームに足をおろして、1,2,3歩目で


「お姉さん、やっと会えた!」

「お嬢さん、ほらね、また会えたでしょ?」


2つの声が重なって聞こえて、目を上げると、キラキラオニイサンと少年がいた。少年は嬉しそうに手を振っている


「えっと、コンニチハ?」


「今日はさ、図書館に来たんだけど、君に会えるかな?って思ってさ」

「昨日も、一昨日も、この駅に来たんだぞ」


また 2つの声が重なる。しかも 言ってることが違いますよね?おかしくて ふふっと笑ってしまった


「図書館、これからですか?」


「そう 途中まででも一緒に行ける?」


「いいですよ」


「よかった あ、オレ 怪しいものじゃないよ 上月明星こうづきあかり えーと 南校の二年生」


すこし早口で聞き取りにくかったけど こうづき あかり さん?


「あれ?少年?」


少年が、オニイサンから離れて、立ち止まっている。


「ん?なにか落とした?」


少年の方を少し振り返ったワタシにオニイサンがそう言いながら地面に目を落とす。ワタシ達を追い越す人にはワタシがなにかを落としたように見えるだろう。


「じゃなくて、オニイサンに憑いてる少年が止まっちゃいましたけど?」


「あー?」


二人で少年のところに戻ると、少年の影が薄い。というか まあ”普通”この程度だよね霊なんだから?(って、霊の濃さとか薄さの普通がどのくらいなの?って言われても答えられないけど)とりあえず少年の存在感が、ついさっきよりも薄い


「大丈夫?少年?」


「なんか あっち行きたくない 戻りたい」


戻りたい?何処へ?


「少年が、あっち行きたくない 戻りたい って言ってますけど?」


「何処へだよ?」


オニイサン、ワタシと同じご意見の模様です。

とりあえず、巻き戻るように、ホームの奥へ戻る。大丈夫です。落とし物を探す風情です。”変”じゃないです。


結局、この前と同じように、駅の真ん中のベンチに少年を挟んで座っています。少年の顔色?影?気配?はくっきりモードに戻っている。



What shall I do?

また これ。今度のテストに出ないかな? 



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