3-8 連絡先
「それで、ぼく、ぼくになる前の約束を思い出したんだ。」
「約束?」
「うん、ぼくより先に世界に降りて行った恋人との約束。必ず見つけ出す。って約束したんだ」
「え?生まれる前からの恋人、との、約束?」
アカリさんに伝える為にも口に出したけれど、コレって小学生がいうセリフ???
ふざけてるの?って言おうかと思ったけれど、ソラの顔は真剣で、顔つきまで違って見える。
「前世の恋人を探すために、ソラは生まれて来たってこと?」
アカリさんの疑問にソラが首を振る
「うーん、恋人がいてもいなくても世界に降りてくることは決まってた。僕は恋人を追いかけて出来るだけ急いで降りて来たけど、世界に降りたときには前世のことは忘れちゃってた。だけど、お化けになった時に”何か忘れてる”っていう焦燥感があったんだ。」
「この不安な気持ちがあったから、よけいにキラキラと明るいアカリさんに引き付けられたんだと思う」
「えーと ソラが言うには、恋人を探すために生まれて来たって訳じゃないけど、先に生まれた恋人を追いかけてこの世に生まれて来た?」
言いながらソラを見ると、ソラが苦笑しながら頷くから、ソラの言いたいことは半分くらいしか言えてないみたい。でも、しょうがないじゃんワタシ恋人とかわからないもん。
「生きていた時には忘れていたのに、お化けになったら”忘れていた”って事だけは思い出して、焦っていた。だから キラキラがアカリさんに惹かれた」
これでいいのかな?とソラを見るとソラが頷いたから ワタシもアカリさんに頷いて見せた。
クシュン!
「ごめん 話の途中なのに」
そうだ、アカリさんも雨の中でワタシを待っていたんだった。ソラと違って濡れるし寒かったよね?それに、うん、ワタシも寒いよ
「うちに来ますか?」
それか、マンションのロビーでもいいかな?ここよりは寒くないし?
でも、問題はソラだよね?
「ソラは大丈夫かな?」
「やってみますか?」
3人で立ち上がって、改札に向かう。
「なんか やっぱり、ダメみたい……ごめんなさい」
改札に行き着く前にソラの歩みが止まった。
「ソラ、止まっちゃいました」
「そっか ソラの行動範囲には何か決まり事があるのかな?」
結局、明日ワタシが学校帰りに鈴王寺に行くということになった。
人付き合いが悪いから、学校以外に予定がないワタシはこういう時には便利だね。
あ!勿論、電話番号とメアドの交換をした。
ワタシは勿論、アカリさんも”現代の学生”とは思えないくらい操作がおぼつかなくて
アカリさんは危うく電車を一本乗り損ねるかと思ったけれど、ソラの指導のおかげでなんとか間に合った。




