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3-1 ソフィーバラにて

ソラは迷いのない足取りで学校へ向かう。何回か 後から歩くワタシたちの方を振りむくのは、道の確認ではなくて、ワタシたちがちゃんと付いてきているかを確認しているのかな?


ソフィーバラ学院と書いてある門柱まで 徒歩5分とちょっと、道が空いていたからかいつもよりも時間がかからなかった。


「着いたね」


ワタシとアカリさんは頷きあう


「どうしますか?」


「俺は制服が違って目立つから、二十分後にまたここに集合でいい?」


「はい」


ソラも黙って頷く

ソラ、どうしたんだろう?ちょっといつもと様子が違う。


「じゃあ」


アカリさんは職員室のある1号館の方へ向かっていく。職員室に挨拶にでも行くのかな?


ソラは小学部の方へ向かい、ワタシはその後について行く。

土曜日の学園は、テニスコートの方から声が聞こえたり、体育館からホイッスルやシューズのすれる音が聞こえるだけでなんだかとても静かだ。

そして、黒い輩たちも居ない。あの黒いのは生徒が生みだしているのかな?それとも先生とか?


ソラは外から校舎を眺めたり、図書館前のマリアガーデンのベンチに座って空を見上げたり、講堂の階段を登ってみたり、それから、お御堂おみどうのある建物へ向かい、ちょうどドアを開けて出て来た職員の間をすり抜けて入って行った。

ソラってドアとか開けられないんだね カベをすり抜ける事も出来ないし、そうだ 玄関で靴を脱ぐし、妙に人間っぽいんだよね――って本人は自分の事”人間”って言ってたしね。


まだ10分くらいしか経ってないけど、集合場所へ戻ることにする。


「あれ?アカリさん?」


「早いね 陽ちゃん」


アカリさんは門に寄りかかるようにして本を読んでいた。その本を肩から掛けていた鞄にしまうアカリさんは、相変わらずキラキラちゃんを連れている。

あ、膝の所に黒いモジャモジャが付いている、親指と人差し指でパチンとはじく


「へ?」


「あ!すいません。黒いヤツが付いていたから……」


「そう ありがとう。でも、先に言った方がいいよ。ビックリするから」


「はい」


でも、先に言ったら逆に皆びっくりすると思うんだけどなあ。


パチン!


突然、アカリさんが俯くワタシの頭の上で手を打った。ビクリと肩を竦めながら

アカリさんの方を見ると アカリさんはちょっと笑っていた


「ほら、ビックリするでしょ」


「まあ……」


もしかして、ワタシは今まで人を驚かせていたのかな?でも……


「あ!また」


アカリさんが空中で手を振り何かを掴んだ。


「ほら!」


アカリさんがそっと手を開く。


「あ!」


その手の中から、銀色に近いキラキラが光って飛んでいったのをワタシは目で追うけれど、キラキラは光の中に溶けて行った


「あれ?取れなかった?それとも何か飛んでった?」


アカリさんが不思議そうな顔で言って苦笑した。

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