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2−8 ソフィーバラ学院

そしてワタシは、なぜか、今日は、学校が休みの土曜日なのに、学校方面へ行く電車に乗っている。


ロングシートの隣にはソラが、その向うにはソラと重なるように、というか実際半分ほど重なって学ラン姿のアカリさんが座っている。あ、因みにワタシも制服です。


「陽ちゃんは中学から入ったんだよね?」


「はい?」


アカリさんの質問の意味がよく判らなくて、疑問形の返事をする


「だって、3学年違いだから小学部から通ってたら俺、陽ちゃんのこと知ってるはずだもん」


「そうですか?」


ワタシは、小学部から通っていても黒い輩たちを避けるのに精いっぱいでアカリさんには気が付いてない気がするなあ


「うん、ソラとはギリギリで小学部被らないでしょ?それに俺高校からは公立行ったから、ソラとはバラでは一緒になって無いんだよね」


ソラがバラ学院の現役の小学部5年生だとしたら ワタシも同じバラ学院中等部2年生なので見覚え位ありそうなのだけれど、ワタシは”普通”を装いながら、黒い輩たちをよけながらの学校生活を送っているから他の学年にまで気を配るとか、興味を持つ余裕は無いからなあ


「アカリさん 中学までバラなんですか?」


「そう」


どうしてですか?って言葉を飲み込む。小中高とあるソフィアバラ学院で、ワタシはこのまま高校まで行こうって考えているけれど様々な理由で転校する人たちは居る。

例えば、もっと偏差値のいい学校へ、とか、もっと部活の強い学校へとか、それから、学校と合わないとか いじめとか……


ブンブンと頭を振る。アカリさんにはいじめられてるってのは似合わない。


「どうしたの?」


「えーと、その、えーと、どうして、アカリさんは」


アカリさんは何故バラじゃなかいんですか?という言葉を飲み込んですり替える


「アカリさんは、ソラが死んでないって思うんですか?」


「だって、本当に死んでたら、今とかすぐ先の将来の事ってソラみたいに当たり前の様には語れないかなって思うんだ。陽ちゃんはどう思う?」


ワタシは黙って うっすらと落ちる影を指さす。でも、2月の弱い日差しでは影は殆ど見る事は出来ない。

アカリさんが首を傾げる。その首筋には細い紐が見えて、ああ新しいお守りを作ってもらったんだなと思う。


「えーと、この世の者でないモノをワタシはまとめて”お化け”って言ってるって言いましたよね?お化けって影が無いんですよ。でも、ソラは、時々、ぼんやりした影が有るんです。

いつもじゃないですよ。何かの時にふと影が見えるんです。今もうっすら影があるんですけど分かりますか?」


アカリさんは自分とワタシの影を見ながら、ソラの影を見つけようとする。話を聞いていたソラもアカリさんの頭に登って、手を振っている


でも、この弱い日差しの中ではよくは分からないようだ。うーんっと、ソラを目を合わせた。その時、ソラの姿が消えた。


「ソ ソラ?!」



また夜にお目にかかリましょう

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