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2-4 忠犬ハチ公

ソラは目をぱちくりとさせてから 口を尖らせた


「ヒナタちゃん、それ忠犬ハチ公でしょ?ぼく人間だし!」


おおハチ公を知っているのか ってか 人間って言ったよ?自分で!


「ソラってお化けじゃないの?」


「え?ぼくってお化けなの?」



「じゃあ 何?」


「ぼく、人間だよ。ソフィーバラ学院 小学部5年1組」


「ソフィーバラ学院?」


「そう アカリさんと一緒!ぼくはアカリさんの後輩」


ふふんとソラが嬉しそうに笑うけど、否、大事な情報はそこじゃない!



「ホントだよ、この前、本棚に【ソフィーバラ学園のおもいで】って卒業アルバムあったもん」


うん わかったよ


「あと、机の上に置いてあった竹の物差し、5年1組12番って書いてあってぼくと同じ出席番号っておもったもん」


ソラ、なんだかすごく沢山思い出してない? 今なら


「じゃあ 名前は名前は?


「えっと 12番 き き ?」


「き?」


「き……」



「あれ!?陽ちゃん?!」


驚いたような声が降って来て、ソラとワタシは声の方を振り向くと、声と同じく驚いたような顔のアカリさんが立っていた。



「おかえりなさい!アカリさん」


ソラいい子だね、オネエサンが通訳してあげるね


「おかえりなさい アカ――」


「ただいま です」


え?なんかワタシがアカリさんに言ったみたいになってるけど、可笑しいでしょ?私が”お帰りなさい”って言ったら?!


「て ソラが言ってます」


あわてて付け加えたら、アカリさんは「あ!」という顔をして


「ごめん!」


いつもの顔で言うからちょっと可笑しくなって笑ってしまった。


「ふふふ 大丈夫ですよ。」


「よかった」


「今日は鈴王寺さんにお参りに行こうと思っての道草です」


「お参り?」


「はい、この前鈴王寺さんに行ってから記録的に黒い輩たちに遭遇してないんです。オニイサン、副住職さんのお陰だと思うんですけど、お祓いお願いするようなお金は持ってないので、本堂の仏さまにお礼とお願いしようかなって」


アカリさんとソラ(は 相変わらず犬のようにアカリさんに纏わりついている)と一緒に鈴王寺に向かう


「今 ソラ居るの?」


「はい、犬みたいですよ アカリさんに纏わりついて」


「そうなんだ!」


「多分、名前つけたからだと思うんですけど、アカリさんといつも一緒に居なくても安心?してるみたいです」


ソラがうん うんと頷いている


「ほら 名前つけて良かったでしょ?」


「まあ……」


これについてはやっぱり”そうですね”とは言えない。けど、嬉しそうなソラを前にして否定も出来ない。


「今、テスト期間でさ クラスの雰囲気もちょっと殺気立ってるからソラ居にくいのかな?」


ソラが首を横に振る


「違うみたいです」


「でも、ソラ 来ない方がいいよ。テスト期間ってピリピリしてるからソアに悪い影響を与えるかもしれないからね」


ワタシがさっきまでアカリさんの右手のあたりを見ていたからかアカリさんが自分の右手の方を見て言う。でも、今ソラはそこにはいません。


あれ?今 テスト期間中って言った?二回言ったよね?大切な事だから二回言った?




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