二戦目
ノーレッジ達を目指して歩く勇者一行。そして、勇者一行を待つノーレッジ達。この二軍が出会ったのは、あの会話から二十分後であった。
「本当に魔王が来てたのかよ!」
「だから言ったでしょ!」
驚いている美鈴にマイクが勝ち誇った顔をしながら言っている。
「戦う前に、お前達の名は?」
「はっ!魔王に名乗る名なんかないぜ!」
「ならば私から。我は、魔王ノーレッジである」
「私はスカーレット。吸血鬼よ!君たちは名乗らないの?」
「私は、アリスと言います。みんなに忘れられることが悩みです」
「ア、アリス!なんで名乗ってんのよ!」
「俺はマイク!」
「マイクまで…私は美鈴よ」
「僕は村岡健太郎といいいます」
「そうか…え?けんた…お前、もしかして転生者?」
「え?僕?そうだけど…なんで知っているんですか?」
健太郎は驚いていた。ノーレッジはもしかしてと期待していた。
「別に良いだろ!それより、我を倒しに来たのではないのか?」
「そうだった!」
マイクが思い出したように言う。勇者一行は、各々の武器を構えた。
「健太郎と言うやつ以外はフルボッコにしてもいいぞ」
「了解です。でも、なんで?」
「…この決戦が終わったら説明する」
「約束ですよ」
「魔王さーん!スカーレット?てやつしか構えてないけどいいの?」
「お前らを倒すのはこいつだけで十分だ」
「へ〜俺たちは舐められてるってわけか」
「スカーレット。今までの特訓を思いだせ」
「はい」
こうして、勇者一行vsスカーレット(と、俺)の決戦が幕を挙げた。
「健太郎!はぁはぁ…付与魔法かけるからはぁ…そろそろ終わらせて!」
「りょ!」
『筋力強化!』
『勇者の斬撃!』
美鈴と健太郎がほぼ同時に唱えた。だが、スカーレットは易々と交わしていく。ちなみに、俺とスカーレットは、特訓の時に魔力の流れで敵の攻撃を予測できることに気付いていた。そのおかげでずっと攻撃を避けていた。五分も。
「なんで当たんないの!」
「教えてあげないわよ」
言いながらスカーレットは魔法を撃つ。
『火の粉』
「危ない!」
マイクが、装備していた盾でスカーレットの魔法からみんなを守る。
「火属性の基本魔法だろ?!なんでこんなに威力あるんだよ!」
「それも教えないわよ」
「スカーレット!早く終わらせろ!」
「と言うわけで、コレで終わらせてあげる!」
スカーレットの前に、今までとは比にならないほど大きい火の玉ができていた。
『死の炎ァァァ!』
火の玉は、勇者一行に向かって飛んでいく。今度は成功した。マイクが盾で防ぐが、食い止めることができなかった。
「ちっくしょぉぉ!」
その言葉を最後に、この決戦が終わった。
「スカーレット!健太郎は生かしとって言ったろ!」
「すいません。でも、魔王様の魔法で回復できるかなぁって。それより、成功しましたよ!褒めてください!」
「スカーレット。よくやった。」
俺は、スカーレットの頭を撫でながら言った。スカーレットの顔が赤くなっていた。それに気づかなかった俺は、健太郎だったものに近づいた。そして、一か八か唱える。
『完全蘇生』
すると、健太郎だったものは、徐々に賢太郎を形作っていった。
(やった!成功だ)
俺はほっとした。すると、健太郎が起き上がった。
「魔王。なんで僕だけ助けたんだよ」
「今から説明してやる。スカーレット、こっちに来い」
「まぁ、約束してましたからね」
スカーレットは、俺の横に来た。俺と健太郎は地面に座った。だが、スカーレットは立っていた。
「ん?座らないのか?」
「汚れたくないので。でも、魔王様が言うなら…」
スカーレットは顔を赤くしながら俺の隣に座った。
「さて、本題に入ろうか」
俺は、声色を変えて言った。




