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勇者と魔王軍の危機

ドルチェの話は、一時間ほど続いた。ドルチェいわく、この国(魔界)は、人間の国が行った勇者召喚の儀式によって呼び出された勇者によって六度も攻め込まれている。6度目の勇者たちはどうにか撃退したものの、魔界は危ない状況になっているらしい。

(そんな大事な時に…)

「そんな大事な時にノーレッジ様は記憶を無くされたのです」

ドルチェの長話は、俺の心を読んで終了した。俺は、ふと疑問を持った。

「俺はどんな技が使えるんだ?」

「それは自分の目で確かめてください」

「は?」

「あ!記憶がなかったの忘れてました。『能力目視(ステータスオープン)』と唱えてください」

「わかった。『能力目視(ステータスオープン)』!」

その瞬間、俺の目の前に例のステータス画面が現れた。

(魔族でもステータス画面はあるんだな)

そう思いながら自分のステータス画面を見ていた。わかったことがある。魔王は強すぎる。下手したら勇者よりも強いかもしれない。なぜなら、固有技能(ユニークスキル)が三つもあるからだ。さらに、レベルが543もあり、ステータスも文字通り化け物だ。普通は三桁なのだろうが、四桁になっている。HPやMPもあと少しで五桁に達しそうなほどだ。

(勇者かわいそう)

俺は、憧れの勇者に同情してしまった。使える魔法も見てみた。この世界には、火・水・風・地・雷・闇・聖の七種類の属性があり、一人一種類の属性を持つことができるらしいが、俺は全種類の属性を持っていた。しかも、全部最上級魔法だった。まさしくチートだ。

(勇者かわいそう)

勇者に二度目の同情をする俺であった。


ーーーードォォォォォン

今俺は、魔王城(名前は地獄の門(ヘルズゲート)と言う)の庭で、ドルチェに魔法の使い方を教わっている最中だ。十分ほどやっているが、疲れるどころかコツを取得していた。

「ドルチェ!そろそろ終わってもよくないか?」

「そうですね…そろそろコツを掴んできたようですので終わりましょうか。それに、そろそろ七人目の勇者が来そうな予感がするので」

庭に勇義とパルシィが入ってきた。俺たちは入れ違いのようになった。

(することがないから昼寝でもするか)

そう思いながら俺は自分の部屋に戻った。もちろんドルチェの案内付きで。

部屋に入って、大きなベットに流れるようにして入っていった。だが、俺はなかなか寝付けなかった。その時、城内からサイレンの音が聞こえた。

「魔王様!勇者どもが侵入してきたようです!」

ドルチェが慌てて来た。

「わかった。勇者たちは今どこに?」

ーーーードォォォォォン

すぐに爆発音が聞こえた。

「ホールの方から音が聞こえました!」

「わかった。すぐに行こう」

俺たちは、ホールまで全力ダッシュした。そこには、瀕死状態のスカーレットの姿しかなかった。俺は両手に魔力を集め、急いで聖属性の最上位魔法をスカーレットにかける。

完全蘇生(フル・リバイブ)!』

「ま…おう…さま…早く…逃げ…てくだ…さい」

スカーレットの傷は完全に癒えたが、苦しそうだ。

「何があったんだ!」

「勇者が…侵入し…た…から…ついげ…きして…いま…した」

「傷を見る限り、今までの勇者とは違うようですね…」

ドルチェは冷静に分析していた。

「今までと違うならみんなが危ない!早く助けに行こう!」

「ノーレッジ様が言うなら…スカーレット!敵はどっちに行きました?」

スカーレットはヘルズゲートの庭の方を指さした。

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