帰城、そして開戦
俺たちは、旅館で一晩を明かした。
三日目
腹が減った俺は、旅館を出てすぐのところにある屋台に向かって歩き始めた。そう、旅館ではご飯は出てこなかったのだ。俺の後ろを、ディアブロが慌ててついてくる。
「お待ちください魔王様。どこに行くのです?」
「どこって…そりゃあ飯食いに行くんだよ。お前は食わないのか?」
「いえ!食べます!」
よほどお腹がすいていたのだろうか、ディアブロは即答した。俺たちは足早に屋台に向かった。
「ここの飯は美味かったな!」
「左様でございます。で、本日は何を?」
「う〜ん…する事ないから帰るか」
「分かりました。では、帰りましょう」
そうして、俺とディアブロは人間の国を後にした。
「あ、そうだ!勇義に念話で連絡しなきゃ!」
俺は慌てて念話を使う準備をした。
『勇義、俺だ。聞こえるか?』
『ええ、聞こえてますとも』
『どうやら休戦の件は本当らしい。だから俺は帰ることにした。まぁ、人間の国は暇だったし』
『分かりました。では、ドルチェ達にも伝えてきます』
『ああ、頼んだ』
『それでは、お気を付けください』
俺とディアブロは、その後、2日かけてヘルズゲートに帰城した。すると、ドルチェ含め、メンバーが全員揃っていた。みんな笑顔なのに、スカーレットだけは涙目であった。
「まおうざまぁ!どごにいっでだんでずがぁ!ざみじがっだでずよぉ!」
「スカーレットそんなに泣くなって。俺たちはちょっと用事で出かけただけだよ」
「グスッ…本当ですか?」
「ああ、本当だ」
気付けば、皆俺とスカーレットの方を見てニヤニヤしていた。
(こいつら許さん…)
俺は怒っていたため無意識のうちに魔法を撃とうとしていた。
それから1年が経った。人間軍は、魔王軍に対して一斉攻撃を仕掛けてきたのであった…
無理やり1年経たせてしまい、申し訳ございません。これに関しては深い事情があるので許してください。