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第1話 ☆

始めまして、多中とかと申します。すでに完結済みの小説です。一日2~3話投稿を一月ほど続ける予定です。どうぞよろしく。


土日祝12時、平日18時投稿。

 ワックスとヘアアイロンを初めて買ったのは、一体いつのことだったか。



 見せる相手もいないのに、気取って髪形をセットしようとした。それも数週間で飽きて、ほどほどに手抜きの髪形に落ち着いたのだが。



 僕の周囲は、いつからか色恋の話であふれていた。



 誰が好きか嫌いか。食べ物のように簡単な話だったらよかったのに。そこに恋愛感情が混じるとたちまち、機微を察しなきゃいけないような、ご機嫌伺に似たあいまいな雰囲気が人間関係に立ち現れてくるような気がした。意地悪だけどルックスが良いだとか。いい人だけど、付き合うのはちょっと。みたいな。



 昔をさかのぼれば、小学生の僕は、努めてそういう話をする人間から逃げていた気がする。その頃感じていたのは、色恋が恥ずかしいということだった。そういう話題を、少しでも身近に出したならば、周りから揶揄いを受けた。だから僕は、少しそういう話題を遠慮して生きてきた。



 何年か経ち、そういうことが恥ずかしいということを皆言わなくなったな、と気づいたときには、もう僕以外の多くの人間が恋愛にどっぷりはまっていた。

 


 僕は取り残された。出遅れたと思った。



 結局のところ、僕はそういうことが苦手だ。でも、人より遅くかかわり始めたから、成長が遅いだけで、別にそれほど向いていないわけでもないとはこっそり思っている。



 まだ、だれとも出会っていないだけなのだ。出会いさえあれば、僕もみんなと同じ恋愛の輪に入れるはず……なんだ。



1/29 誤字訂正 恋愛の和 → 恋愛の輪

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