9/15
Chapter9. 煽り愛
Chapter9. 煽り愛
「できない想定はしたくないんです。」
モニターのVTRの中で山崎はインタビューに答えていた。
それは煽りVTRであった。
これも地球の格闘技番組スタイルで、山崎が提案したものだった。
”ドスン“、”ズシン“その巨人はリング中央までやってきた。
現状見た目については最悪の予想のほうが来たなと思っていた。
しかし、勝算が無いとは思わなかった。
「実はコイツがすげーバカというオチも考えられる。」
「それならまだ勝機はある。」
引き続き煽りVが会場に流れる中、
山崎は相手のウィークポイントが無いかを注意深く探った。
そして逃げ道となる、“EXIT”と書かれた非常口が無いかも探した。
「煽りV撮っといてよかったぜ。」
つまり、これは時間稼ぎのための作戦であった。