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Chapter8. リングにかけろ
ゲートが開き舞台へ降りた。
闘技場は異様な盛り上がり。しかし闘技場以外は仮想的な空間で、
観衆らしき人たちはいるのだがどうやらすべてアバターのようなものだった。
それは、おそらく出身惑星も時代も場所も違うものたちなのだろうな、と想像した。
山崎は“燃える闘魂オーケストラバージョン”で入場すると、
「ウォー!」とリングで吠えて見せた。山崎もアドレナリンが出まくっていたのであった。
「おおっ・・・・。」
そう言葉で認識できるほど、山崎の気迫にその時観客はどよめいたと感じた。
「地球人の根性を見せてやるぜ。」
ますます調子に乗っていた。
「もう。お調子者なんだから。。」
AIドラ●もんが心配そうに言った。
その瞬間
向こうのコーナーから”ドスン“とも”ズシン“ともつかない、ものすごい音が聞こえた。
そう。想像もしたくないが山崎が振り返ると、もはや目線からはスネまでしか見えないほどの
巨人が一歩ずつ闘技場へ向かってリングインして来るところであった。