Chapter7.ピラミッド
山崎たちはある惑星らしきところに到着した。
そこが初戦のステージになるらしい。
惑星らしきというのは、物理的に移動しているかどうかは疑わしいがそのように理解していた。
何しろテクノロジーがまったく違いすぎて地球人の表現では表せないのだ。
「いいですか、山崎さん。この船から降りたところがステージです。
貴方たちの世界で言う所の、リングインと言うことになります。」
「あぁ、この船から降りることが入場になるのか…。」
山崎は恐怖で逃げ出す…と言うこともなく戦う気になっていた。
それはつまり、“ネフィリム”と言うのは伝説上の話、人間が作った話では巨人と言うわけで
実は、普通のおっさんみたいなやつかもしれない。
そいつはやってみなくちゃわからない、と思い始めていたためであった。
「入場曲は“燃える闘魂オーケストラバージョン”でお願いします。」
山崎はホログラムでカエル先輩へ伝えた。
「頼むよ山崎君。」
カエル先輩は結構偉い人のようだった。
「ウォー、ウワォー」
船が着陸し、入場待ちになると激しい歓声が聞こえた。
これも地球スタイルの観戦方式を受けてもらえたのだ。
コスチュームは自由に選べたが、
「初戦はボクシングスタイルで行きます。」
と言うことでパンツにシューズ、グローブとボクシングスタイルを選んだ。
ネフィリム相手に冗談でしょうと思ったが、体長15メートルのネフィリムがもし現れたら
それは何を着てても一緒だろうという思いもあったのだった。
「ウォー、ウワォー」
「ニンゲン、ニンゲン!」
舞台は円形闘技場のようで、25メートルプールより広いくらいの大きさだ。
大体、天下一武道会をイメージしてリクエストしたが、大体そのような感じになった。
「まぁ、大きい人もいますので。。。」
キリン先輩がそのように言っていたのが気になった。
まさかマジで15メートル級なんか出てこないだろうなと。
その時は死んだふりをするか、10カウント負けをするかを検討した。
「始まります。」
いつの間にかセコンドみたいな立場になったヤギ先輩がそう言った。
「おう、任せろ。」
心にも無いことを言う、もはや言葉がこの世界では意味ないことを知っていた。
ピラミッド…
この舞台はそう呼ばれる場所のようだ。
遠くにエジプトで有名なピラミッドのような建物が見えた。
火星ピラミッド説、のようなものもあるので、もはや驚きもしなかった。