Chapter5.初戦
「山崎さーん」マネージャとしてつけてもらった。ヤギ先輩が走って入ってきた。
彼らのコミュニケーションは基本的に言語ではないのだが、
地球流儀で言語にしてもらうように頼んでおいたのだ。
彼はやぎ座から来た?らしいヤギ先輩。もちろん見た目がヤギなのだ。
「初戦の相手が決まりました。」
「お、おう。誰でも来いだよ。タイソンでもチャベスでもかかって…来い。」
ヤギ先輩が書物を見ながら言った。
「ネフィリムです。君たちの言葉で言うと。」
「ネフィリム?なんでしたっけそれ…ああ、いやタイソンかと思ったんで。」
山崎は適当に言うとネット検索を始めた。
「ああ、そういえば何回戦なんだっけ?このトーナメント。」
山崎はWikipediaで検索しようかななどと思い、ブラウザ検索をかけながら、ヤギに聞いた。
「3回戦…くらいです。トーナメントと言う概念がそもそも違うようですが、、
3回戦位を想定してください。相手はもちろん強くなると思います。勝ち進めば。」
ヤギ先輩は続けた。
「賞金…という概念も違うのですが、見事3回戦を退けることが出来ましたら、
山崎さんには賞金が与えられます。君たちの世界で言う所の。」
「ええと、使えそうで使えない、賞金が出ます。」
「?」
「はぁ?…。」
山崎はむしろ検索の手を止めて聞き返してしまった。
「いや、“しょうきん(お金)”目当てではないよ。名誉名誉のためですよ。無論。」
「でも使えそうで使えないってのはなんだよ。。意味が分からないにもほどがあるよ。」
山崎は愚痴って見せた。そもそも共通であるものが無いのはわかってるが
使えそうで使えない金、は冗談が過ぎると思った。
「そうでしたね、すいません。もう少しわかりやすくします。つまり、
貴方の心が正しければ、いくらでも際限なく使えるお金。もし心に邪悪があれば、
それは何にも使えないお金です。フェアでしょう¥?」
山崎はぽかんとして
「よ・よくわからんが。。俺は健全だよ。でも風俗とかに使うのは邪悪に含まれますかね?」
そこは大事なことだった。
「ははは、どうでしょうね。」
ヤギは笑って答えると
「食事を持ってきます。」
そう言ってジムを出て行った。
山崎のブラウザはネフィリムの検索結果を出していた。画像検索の結果であった。