Chapter3.光の国から来た男
Chapter3.光の国から来た男
山崎は説明の義理を果たしてひと段落して、自分の部屋に案内された。
まさに宇宙船の一室のようなところだが、ゆったりしてはいられない。
トレーニングがあるのだ。闘いまで船のトレーニング場の利用を許可されていたので
部屋で少し落ち着いたらトレーニングに行く用事だった。
とは言っても山崎に格闘技の心得は無く、関節技なども知らない。
「打撃戦で行くしかないか。。」
山崎はバンテージらしきものを巻き、サンドバックをたたきに行くように考えていた。
「リングネームは何にしようかなぁ。とりあえず“ワイルド山崎”で仮決めだな。」
対戦方式は一方的に拉致られた山崎の意向が反映されることになった。
つまりそちらに乗り込んで戦うんだから、こちらのルールを受けてくれよ、ということだ。
確認で、どのような宇宙人?と戦うかはわからないが、牙とか爪とかそういうので
刺すとか噛むとかは無しにしましょうという確約をした。
それがありなら、爪や牙を持たない人間は不利ですよね、というまぁそれらしい理屈を言って
受けてもらえた。
「これなら死ぬようなことは無いだろう。」
山崎は銀髪の美女にカウンセリングを受けた時に、闘いの目的についても
説明されていた気がしたが、どうもそれらは人間で言う所の価値観とは違うため
言葉で説明するのがむずかしかった。
それは「強いて言えばその…。」
名誉…?地球人の気概というもの、性質と言うもの、強さと言うものを図るというか、
示すというか…ほかの生命体と比べるというか…
そのうえで地球人と言うものが晴れてこの銀河系太陽系第三惑星地球の覇者たるに
ふさわしいという証明、お披露目の機会?のようなもの…らしい。
それは我々の価値観に無理やり当てはめて説明するなら、そんな感じのようだ。
「光の国から来たということで、やっぱりウルトラマン山崎だな。」
まだキャラが定まっていないようだった。