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どうしても耳かきがしたいカノジョの話。  作者: おかゆのおにぎり
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耳かき美少女と無愛想な先輩君の思い出

「ただいまー!ねえねえお姉ちゃん、今日ね、先輩の家に行ってきたんだよ!」


先輩の家から帰ってきた私は、リビングに居るお姉ちゃんに真っ先に報告しました。


「あ、花音おかえりなさい。例の中学のときの先輩?」


そう楽しそうに聞いてくる私のお姉ちゃんは、先輩の中学の時の同級生で、当時生徒会長を務めていた凄い人なんです。


「そうそう!でね、先輩に耳かきが上手って褒められたんだー!」


「良かったじゃない。でも、あんまり不用意に男の子の部屋に上がりこんだらダメだよ?」


「先輩は大丈夫だって!口調はちょっとぶっきらぼうだけど、良い人だよ!」


「それなら良いんだけど・・・」


「お姉ちゃんの同級生なんだから、もっと信用してあげなよ!」


「でも、どの人かまではわからないし・・・。ねえ、その先輩の話、もうちょっと詳しく説明してくれない?」



「いいよ!先輩の話ならいつでも話してあげる!まず何から話そっかな。じゃあ、・・・・・・」



          * * *


当時中学2年生だった私は引っ込み思案で、いつもお姉ちゃんの後ろに隠れていました。

お姉ちゃんが生徒会長だったこともあり、目立ちたくないのに生徒会に入って生徒会室に入り浸るという謎すぎるムーブをカマしていました。今思い出しても、何してたんでしょうか、私・・・。

そんな私ですが、生徒会の業務はキッチリとこなしていたので、生徒会室に来る人とは顔を合わせることが度々ありました。その人達の中に、先輩がいたんです。


「ったく、何で生徒会でもないのに先生の手伝いしなくちゃいけないんだか。」


「しょうがないでしょ。あなた、委員長なんだから」


「最初は学級委員長なんて仕事なんかないとおもってたんだけどなー」


そんなやり取りをお姉ちゃんとしながらも仕事は真面目に行っていて、悪い印象はなかったように感じます。

まあ、恋愛対象に入るかと言われれば、微妙なところではありましたが・・・。


先輩のことが気になり出したのは、夏休み明け位の頃でした。

体育祭が近い季節で、生徒会役員という理由で私は応援リーダーに選ばれてしまいました。

あのときは生徒会に入ったことを本気で後悔しましたね。

で、もともと人と話すことも苦手だった私が応援なんてできるはずもなく、放課後の練習ではよく先生に怒られていました。

落ち込んでいた私に、同じく学級委員長という理由でリーダーに選ばれた先輩が


「声が小さいなら拡声器とか持たせればいいのに。あの先生もアホだよな」


と、謎の論点から励まして(?)くれて、それがおかしくてちょっと元気が湧いてきました。そこから、先輩には明るく振る舞おうと思ったんです。

高校にはいるまで、ヘタレだった私はついに自分から話しかけることは無かったんですけどね。


         * * *


「あー、なるほどね。あの人か。そっかそっか・・・。」


「どうしたの?」


「んー。春樹君なら大丈夫かなって思っただけ。」


「あ、やっぱりお姉ちゃん知ってたんだ。」


「ええ。ところで、何で耳かきなのかしら?」


「何か、先輩が私にASMRとかに向いてそうな声って言ってくれたことがあったんだよ」


「そんな軽い感じだったのね・・・」


先輩のことを語り終えた私は、上機嫌で部屋に続く階段を上って行きました。


「それにしても、思い出せないなんてことあるのかしら・・・」


お姉ちゃんがなにか呟いてたけど、よく聞こえませんでした。

1000文字超えましたー!!笑

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