耳かき美少女の決断
ピンポーン
ん?誰か来たか。
クラスの奴らがプリント持ってきてくれたのかな。
ガチャ
「今出るからちょっと待って・・・」
「あ。先輩元気そうですね。良かったです♪」
・・・そっか。
このパターンもあったか。
「まあ、なんだ。とりあえず、入れ」
「わあ。女の子を家に連れ込むなんて、先輩大胆ですねー♪」
「・・・帰ってもらっていいか?」
「冗談ですってばー」
* * *
「それで、今日はどうしたんだ?」
「先輩が私が昨日耳かきしなかったせいで体調不良になったと聞いて、わざわざ来てあげたんですよ」
・・・段々コイツに思考が似てきてるのは気の所為か?
「じゃあ耳かきしてくれるのか?」
「お、意外と乗り気ですねー。良いことですよ」
「何がだよ」
「まあまあ。それじゃあ早速始めちゃいましょうか」
ポリポリ・・・ポリポリ・・・
「いやー、にしても一日しなかっただけで体調崩しちゃうなんて、困った先輩ですねー」
「ほっとけ」
ポリポリ・・・ポリポリ・・・
「・・・なあ」
「何でしょうか?先輩」
「何でそんな耳かきしたがるんだ?」
「えーとですね、元々耳かきするつもりではなかったんですよ」
「?」
「先輩に近づく手段で、一番手っ取り早いかなーと思っただけなんです。まあ、今は先輩が耳かきされたいようなので素直じゃない先輩のためにしてあげてるんですよー♪」
「いや、何言ってんの」
「知ってるんですよ?」
「・・・何を?」
この時、半分位は次に花音の口から紡がれる言葉がなんとなく予想できていた。
「先輩がもう私のこと思い出してるってことをですよ」