おまけ、第一部ダイジェスト
ダイジェスト版です。超ざっくりとしたストーリーですが、これだけである程度分かるとは思います。
◆【プロローグ、第七皇子と乙女ゲー主人公】
剣と魔法の世界、マギ・ティリス大陸。大陸中央に広大な国土を持つ帝国の第七皇子であり忌み子と呼ばれるゼノは、そこがとある乙女ゲーの舞台である事、そして自分が悪役令嬢と揶揄される攻略対象である事を思い出した。
大体のルートで死ぬ自身の死因は民を護るための殿、ならば皇子としてそれを嫌だと言って投げ出すわけにはいかない。そう思ったゼノ/獅童三千矢は、そこまで追い込まれないルートを目指そうと心に決め、せめて原作並の強さは保持しようと努力を始める。
そんな中、彼は助けを求めて一か八か王城に忍び込んだ一人の女の子と出会う。その子こそ乙女ゲーの隠し主人公であった……のだが、小説版の容姿と名前であったためゼノは気付かず原作通りに彼女等を救うのであった。
◆【第一章 第七皇子と鋼の巨人】
初期設定によっては乙女ゲーヒロインとして、聖女として目覚める可能性を持つ少女アナスタシア。一度はゼノによって救われた彼女であったが……魔神王復活の預言の日が近づくにつれ悪化する治安の中、他国に売るのにちょうど良い孤児だとして人さらいに拐われてしまう。
助けに向かったゼノが出会ったのは、同じく転生者であり攻略対象の一人、エッケハルト・アルトマン/遠藤 隼人であった。
アナスタシア推しゆえに男ながらゲームにドはまりしていた彼と共に、ゼノは人拐いに立ち向かう。そして、師や兄の協力もあり、大ケガを負いながらも彼等の扱うアイアンゴーレムから拐われた少年少女を護り抜くのであった。
◆【第二章 第七皇子と魔神の足音】
ゼノの元にエッケハルトから情報がもたらされる。それは……アナスタシアではない正規乙女ゲー主人公と目される少女が複数居て誰が聖女になるのか判別つかないという愚痴であった。
ならばと開いた互いに恋愛感情皆無の婚約者との婚約発表のパーティーで、ゼノは狙いどおり主人公候補二人と邂逅する。桃色のリリーナ・アグノエルと黒色のリリーナ・アルヴィナ。漏れ出る言葉の端々から桃色のリリーナが転生者と確信して警戒するゼノは、おそらく主人公ではない黒色のリリーナと親交を深めるのであった。
◆【第三章 第七皇子と異界の祈り】
忌み子と忌み嫌われる兄とは真逆に、神に愛されたとされる妹、第三皇女アイリス。兄妹からの嫉妬により敵意を向けられる妹を庇った結果お兄ちゃんと懐かれたゼノは、妹の付き添いで未来を担う選ばれた幼い子供のみが通うエリート学園の初等部に滞在することとなった。
そんな学園で出会ったのは、妹のメイドとして着いてきたアナスタシア、当然のように居たリリーナ・アルヴィナ、そして隣の聖教国からの留学生ヴィルジニーであった。
ヴィルジニーに一方的に因縁つけられながらも生活していたゼノだが、ある日彼女から無理矢理婚約させられるから助けてくれと頼まれる。その相手とは、帝国の大貴族シュヴァリエ公爵家の長男ユーゴ。
皇族として無理矢理の婚約を止めるべくシュヴァリエ公爵家に向かったゼノだが、ユーゴはとてつもなく恐ろしい力、異世界の超兵器AGXを転生特典として貰い乙女ゲーシナリオを滅茶苦茶にしながら好き勝手ハーレムを築いて生きようとする転生者であった。
神をも滅するAGX、AGX-ANC14Bの前に為す術も無かったゼノ。しかし、最強の力を持つが故のユーゴの有り得ない程の慢心の隙をついて何とかユーゴ本人を倒すことに成功する。
そうして戦いの後ゼノは知る。聖教国が婚約を止めようとしなかったのは、聖教国教皇の娘、アステールを人質として何処かに監禁されていたからだという事実を。
良い魔法の効かない忌み子体質故に外部からアステールの居場所を隠していた潜伏魔法を弾き彼女と出会ったゼノは、完全にユーゴの野望を打ち砕くため、魔法で傷を癒して再度立ち塞がるユーゴに挑むのであった。
アガートラームを扱う鍵を慢心によりゼノに破壊されながらも、その武装の一つであるエクスカリバーというとてつもない力を持つ剣を振るうユーゴ。そんな相手に追い込まれたゼノの前に突如として、父の愛剣が現れる。不滅不敗の轟剣の力を振るい、ゼノはエクスカリバーを破壊する。
◆【インターミッション 第七皇子と聖夜の鈴】
時は三章の半ば。子供達の枕元に神々がプレゼントを置くとされる聖夜。アナスタシア達を皇子として保護していたゼノは友人のリリーナ・アルヴィナと彼等にプレゼントを配りに夜の街を歩いていた。
そんな彼……ではなく、アルヴィナを狙う謎の少年。彼は誰も所有者が居ない伝説の刀、刹月花を携え、アルヴィナを魔神王の妹、屍の皇女と呼んだ。
何とか彼を撃退したゼノは今の関係が壊れないか不安がるアルヴィナに、例え万が一魔神だとしても友人としての時間は本物だから、友達としてのアルヴィナを信じると返すのだった。
◆【第四章 第七皇子と人気投票二位】
ユーゴとの戦いを終えたゼノ。暫く寝込んだ彼が聞いたのは、巷で人気の小説及びそれを題材とした劇、『魔神剣帝スカーレットゼノン』の噂。
劇を見たいと言い出す保護下の孤児に押し切られるゼノだが、劇は連日満員。実は作者であるアステールのモチーフはゼノというお墨付きを受け、仕方ないので自分達で劇をやることに。
そんな練習の折、敵役をやってくれているアイリスに斬りかかる少年が居た。彼の名は竪神頼勇。スパダリ系攻略対象である。
魔神族に故郷を滅ぼされた彼は、アイリスの言動と使っているゴーレムが仇に似ていた事から勘違いして斬りかかってきたのである。が、即座に誤解は溶け、頼勇はゼノ等と和解するのであった。
◆【一部終章 第七皇子と運命を打ち砕く救世主】
学園で修学旅行が開催された。皆で参加するゼノ達だったが、行きの旅路で魔神王四天王の影に襲われる。彼等の狙いは、ゼノ達をエルフの森へと吹き飛ばすことであった。
エルフの森でゼノはかつて因縁のあったエルフの姫ノアやその妹のウィズ等かつて会ったことのあるエルフと再会する。彼女等は滅びた筈の魔神のもたらす病で死の危機にあった。
擬似的に聖女の力を発揮する腕輪を得たアナスタシア等の活躍もあり病は根絶されるかに思えたが、当然そうはいかない。
ゼノ等を止めるべく二人の男が現れ……彼等は円卓の救世主と自ら達を称し、新たなAGXや遥か昔に死んだ筈の魔神を召喚し戦闘態勢に入る。
エルフ達を護るため、彼等の横暴を止めるため、ゼノと頼勇は転生者に立ち向かうのであった。
そうして、戦いは終結する。実は本当に魔神王の妹であったアルヴィナが正体を晒して魔神側に逃げ帰らざるを得なくなり、ゼノの友人であった狼が命を落とし、エルフの森に取り返しのつかないほどの傷跡を残しつつ、それでも希望を護り抜いて。
◆【第一部エピローグ 乙女ゲー主人公と紡がれる契機】
何度も誰かの為に突っ走ってぼろぼろになるゼノ。そんな彼を助けたくて堪らないアナスタシア。勇気を出して告白するも、ゼノから返ってきたのは自分を呪う言葉と、そんなおれの事は忘れて幸せになれという呪いだった。
そんな不義理を残して、ゼノは皇族としての役目として兵役に向かうのであった。
◆【1.5部 第七皇子と辺境騎士団】
友狼の遺品をコアとして鍛え上げられた原作でも持っている神器月花迅雷を託されたゼノは、兵役で辺境に向かう。
そんなゼノに同行したのは、かつて助けられたエルフの姫のノア。彼女の協力もあって、ゼノは忌み子として嫌われながらも何とか騎士団でやっていくのであった。
そんなある日、魔神族が辺境を襲撃する。真っ先に飛び出し前線を張るゼノ。しかしそれは彼を呼び出すための策であった。
◆【1.5部 第七皇子と天たる妹龍】
襲撃してきた四天王であり原作ゼノの最期の相手、アドラー・カラドリウス。彼と共に飛ばされた先は辺境の入り口の無い遺跡の中であった。
そこでゼノは原作でも縁のある龍人の少女ティアと出会う。彼女の正体はこの世界の神様の一柱の精神体であり、前世……獅童三千矢の幼馴染金星始水。
彼女から色々聞かされたゼノ。最後にもう辛いなら止めて良いんですよと言われるが、決意は硬い。アルヴィナの事で分かり合えたカラドリウスと共に帰還し、これからもこの世界を護ることを選ぶのだった。
◆【1.5部 第七皇子と因縁の鷲嵐】
世界に帰還したゼノだが、ノアから衝撃の言葉が告げられる。世界では一年の時間が経過し、騎士団はかなりの被害を受けていたという事実である。
そんな折、伝えられるのはカラドリウスからの生け贄を差し出し降伏しろという宣言。
心折れ降伏しようとする騎士団に生け贄として一度囚われつつもゼノはカラドリウスの元へ向かう。
しかし、そこで投げ付けられたのは部下の指と彼女等を殺した宣言。戦いは止められず、ゼノは分かり合えた筈の魔神と殺し合う。
戦いはほぼ相討ちで決着する筈だった。しかし、カラドリウスは確実にゼノを殺せる奥義を撃たずに自分だけ胸を月花迅雷に貫かれ笑う。
全ては演技であった。裏切り者の疑いがかけられた婚約者(一方的)であるアルヴィナの疑いを晴らし、アルヴィナの未来をゼノに託す為の。
魔神王は転生者だ。警告と最愛の人の未来をゼノに託してカラドリウスは一人散り、ゼノはバカヤロウ……と慟哭する。
その手には、殺したフリでしかなかった部下と、カラドリウスの片翼だけが遺されていた。
◆【インターミッション ノア・ミュルクヴィズ支援C】
精神、肉体共にボロボロのゼノ。自分達を助けた彼の為に、ツンとした空気でクールな態度のただのデレエルフが奮闘する。
◆【第二部プロローグ 乙女ゲー主人公と物語の始まりへ】
乙女ゲー正規主人公リリーナ・アグノエル。乙女ゲーシナリオ開始を控え、彼女は困っていた。
家を継ぐ筈の兄の死によって、いきなり結婚の義務が生じたのだ。このままでは乙女ゲーどころではない。
けれども何とも出来ない彼女を救ったのは通りがかりのゼノであった。転生含む事情を聞いたゼノは、リリーナが乙女ゲーを破壊するタイプの転生者円卓の救世主とは別だと判断し、皇子として仮婚約を交わすことで彼女を乙女ゲー開始まで護る事となる。




