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雨ダラダラ視線
サラリーマンを辞して、就農した1年目。
初めて借りた畑はでこぼこした島のでこの一つ。
周りは木々だらけで見晴らしは良くなかったが風が強かった。
オクラを植えた。
オクラは一日でも収穫をさぼることは許されない。
収穫時期は梅雨とも被る。
だから、気づけた。
雨が降り始めると視線を感じる。
一人の作業なので回りを見回しても視線の主はいない。
そもそも、人の視線ではないと何となく感じた。
大きなものに見つめられている落ち着かない感じだ。
敵意は感じないが平坦な何を考えてるか分からない感じ。
雨脚が強くなると近寄って来ている気がする。
どうしても我慢できず、雨が強くなる前に畑から離れた。
少しでも雨が降りそうだとその畑には行かなかった。
2年目からはオクラを植える畑は変えた。
今でも雨が降っていると初めてオクラを植えた畑には行けない。
何も知らない人が雨の日にその畑に近づかないことを祈っている。