目標
今日は久々に何にもねぇや・・・リライトでのステージも無いし、学校も休み。
だが、ここに来て1つ問題がある。それは・・・俺のピアノの質が低下しているという事だ。
原因は分かっている・・・あの女のせいだ。あいつのせいでまともにピアノをひけやしねぇ・・・
「あそこにいくか・・・・。」
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これを深刻だと考えたコウはピアノの師匠を訪ねることにした・・・・
「なんでこんな不便なとこに住んでんだよ・・・、時間かかるったらありゃしねぇ。」
コンコン・・・「お邪魔します。師匠・・・いないんですか?。」
「こっちだ、コウ。こっちこっち。」
このいかにも清潔感が無いこの人こそ俺の師匠、上山 忍だ。昔は史上最高のピアニストとして知れ渡っていたが、度重なる不祥事で追放されたのだ・・・
「久しぶりだなコウ。どうした?何か理由があって来たんだろう?何だ?。」
「お久しぶりです師匠。実は俺のピアノの質が落ちてしまったんです・・・自分ではどうしようも無くて、師匠の助けが必要なんです。」
「久しぶりに来たかと思えば何だ?質が落ちた?そんなの知らねぇよ。自分でなんとかしな。」
「自分では無理なんです。そこで師匠に頼みがあるんです・・・。もう一度ピアノを弾いてはくれないでしょうか?。」
「何だと?どんな理由があろうと俺はもうピアノは弾かないって決めた。そうお前に言っただろう。」
「じゃあ何故まだピアノを捨ててないんですか?調律だってしているんでしょう?未練がまだあるからじゃないんですか?。」
「馬鹿やろう!!俺は弾かないって決めたんだ生意気言ってんじゃねぇ!!。」
「初めて師匠のピアノを聞いたあの時の自分に戻りたいんです。ただピアノを弾くことが楽しかったあの頃の自分を思い出したいんです。」
「そうか・・・そこまで言うならよっぽど深刻なんだろう・・・わかった少しだけだぞ。文句は言うなよ。」
「ありがとうございます。」
師匠の奏でるピアノは変わらなかった。最高と呼ばれていたあの頃のピアノそのままだった・・・
俺は師匠にはもう追いついたと、そう思ってた。でも違ったやっぱりまだ俺ではかなわない・・・目標はまだ遠いな、まだ努力不足だ・・・
「どうよ?。」
弾き終えた師匠を見ると紛れも無い天才ピアニスト上山 忍その人だった・・・・
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