214.12 政府の秘密
四月七日。午前中に王堂兄妹の襲来で精神を削られた神奈は町に出ていた。
本屋やゲームショップなど娯楽のための店を回って暇を潰す。本当なら家で休みたかったが、いつ王堂兄妹が訪ねてくるか分からず気が休まらないので外出している。
面白そうな新作ゲームを買ってテンションが戻って来た神奈は「あ」と声を零す。
知り合いが町中を歩いていた。紫髪が首に巻き付いている少女、夢咲夜知留だ。
「元凶みーつけたああああ! 責任取れえええええ!」
夢咲に急接近した神奈はヘッドロックを仕掛ける。
「いだだだだ! 神奈さん!? 急に何、何の話!?」
「王堂に私がメイジ学院に通っていること話したらしいじゃーん。お前のせいで面倒なことになっちゃったよお」
「た、確かそれ去年のことでしょ! 今更そんな話されても困るってば! だいたい責任取れってどうすればいいの!?」
去年だろうと今年だろうと、夢咲が情報を漏らしたせいで晴嵐のメイジ学院行きが決定したのだ。晴嵐のような信者一人なら神奈も耐えられる。しかしメイジ学院には二人目の信者、影野が在籍している。仮にだが、一日中信者二人に付き纏われたら卒業までに心を病むかもしれない。
「責任だあ? 決まってんだろ。あいつを説得して宝生中学校に入学させろ」
「無理無理無理無理あの子の意思はウルツァイト窒化ホウ素より硬いんだから!」
「ウル……何?」
戸惑うと腕輪からの説明が入る。
ウルツァイト窒化ホウ素とは現在地球上で最も硬い物質。
火山性の残留物から得られる物質で、基本的な構造はダイヤモンドとほぼ変わらないが僅かな違いがある。その違いのおかげでダイヤモンドよりも硬い物質になっている。
「とにかく何とかしてくれよ、あいつ我が家の正面に引っ越して来たんだぞ」
「え、それは、大変だね、うん。……あ、藤原さん!」
「そんな嘘で誤魔化されると思うな……って、本当に居るのか」
ヘッドロックを止めた神奈は反対側の歩道を歩く黄色髪の少女を見た。
挨拶でもしておこうと神奈達は歩道橋を渡って友達の少女のもとへ向かう。
名前を呼べば少女も気付き、神奈達三人は軽く挨拶する。
「神奈さん、夢咲さん、二人でどこか出掛けるの?」
「才華こそ出掛けんの? 会社経営とかで忙しいんじゃないの?」
藤原才華は日本一の金持ちとされる藤原家の長女。
まだ中学生だというのに会社経営を手伝っているため自由な時間があまりない。必然的に神奈と遊ぶ頻度も減っているので、偶然町中で会った機会に話くらいはしておきたかった。
「忙しいわよ。ただ、自由な時間が全くないわけではないからね。プライベートな用事を済ませようと思って」
「プライベートねえ。手に持ってる箱が関係してる?」
才華は白く大きな箱が入ったビニール袋を手に持っていた。
かなり大きい箱なので中身が気になってしまう。
「箱の中はケーキだね」
夢咲が断言したので神奈は「なんで分かるんだよ」と問うと、彼女は「匂い」と短く答える。一応匂いを嗅いでみたが神奈には全く分からない。鼻を近付けたわけでもないので甘い匂いすらしない。無理と悟った神奈はもう一度「なんで分かるんだよ」と呟く。
「夢咲さんの言う通りケーキよ。これから孤児院に届けに行くの」
才華の言葉に「孤児院?」と真っ先に反応したのは夢咲だ。
彼女は孤児院で育てられたことがあるので気になるのも仕方ない。
「一緒に行ってもいいかな、孤児院。ちょっと見てみたくて」
「いいわよ。孤児の遊び相手になってくれるとありがたいわ」
「お、じゃあ私も行く。暇だし」
家に帰ってもいつ晴嵐が襲来するか分からない以上、外で一日を過ごすのが安全策。才華がわざわざケーキを届ける孤児院も気になるので、神奈も付いて行くことにした。
「……ええ、いいわよ。じゃあ車が止めてある駐車場まで急ぎましょう」
一瞬迷っていたが才華は神奈が同行することを了承する。
三人はすぐ近くにあったコインパーキングへ向かい、黒塗りの車に乗り込む。
渋い顔をした執事服姿の老爺がハンドルを握る車は孤児院へ向けて発車した。
長年の運転テクニックか良い車だからか揺れは非常に少なく、快適な乗り心地である。渋滞もないし不思議と赤信号で止められる回数も少ない。正に快適度満点なドライブと言える。
「これから行く場所はニコニコ院って名前の孤児院でね。お母さんの知り合いが経営している所らしいわ。で、到着する前に二人にお願いがあるんだけど、ニコニコ院で魔法の話をしないでほしいの。アニメや漫画の話も不思議な力が出るものはしないでほしい」
移動中、才華は真剣な表情で神奈と夢咲に頼み込む。
「しないでって言うならしないよ。理由があるんだろ」
表情が暗くなった才華は頷く。
「二人は日本政府直属魔法対策会って知っている?」
「……さあ、聞いたことない。神奈さんは?」
「私は知ってる。組織が壊滅したことも」
日本政府直属魔法対策会。通称――日魔対。
小学生の頃に神奈は出会い、地球を救ったことに対して礼を言われた。
日魔対の主な仕事は魔法関係の情報規制と危険な魔法使いの監視。
監視専用魔法で魔法使いを見張る彼等は、対象が魔法の情報を多くの人間に話したり、証拠を動画サイトなどにアップした場合、特殊な処置を施すことで対処しなければならない。そんな彼等も何者かに全ての施設を破壊されて壊滅している。
「じゃあ、政府主導で彼等が非人道的な実験をしていたことも知っていたの?」
「……い、いや、知らない。なんだよ非人道的な実験って」
「そう、知らないなら言う必要はないわね。ただ、その実験の被験者達は、組織の壊滅と共に住む場所を失った。幸いというべきか、偶然藤原家の使用人が行き倒れている被験者達を見つけたの。今、被験者達は一時的な住居として孤児院を利用している。とにかく魔法関連の話題は厳禁。トラウマを持つ人も居るから」
言う必要がないと言われても神奈は気になって仕方がない。
非人道的な内容だからか才華は話さないし、思い出したくもないだろう。
彼女に問うのは可哀想なので問う相手を腕輪に変えた。さすがに腕輪も何も知らないが、政府のコンピューターにアクセスして調べてくれた。しかし実験に関するデータは何一つ残っておらず収穫はない。
そうこうしている内に車はニコニコ院に到着した。
運転手の執事は待機させて神奈達は車を降りる。
ニコニコ院の中に入ると多くの人間が居たが殆どが警戒を強める。入った瞬間には話し声が聞こえたのだがすぐに止み、遊ぶのを止めて壁際に逃げる者まで居た。あまりに強い警戒を前に神奈はどう行動していいのか分からなくなる。
重苦しい空気の中で夢咲だけは懐かしむような表情をしていた。
「知らない人が来たから怖いんだよ。私が居た孤児院でも似たことあったから気持ち分かるな」
「そういうもんか」
「二人共、私は院長に挨拶してくるから、可能なら子供の相手をしてくれないかしら」
才華は奥の扉を開けて進み、神奈と夢咲が広間に残る。
ニコニコ院の中には中年の者、中高生くらいに成長している者、小学生以下の年齢の者など様々な人間が居る。行動も様々だ。自分より年下の子供を背に庇ったり、敵意を隠さず睨みつけたり、今にも泣きそうなくらい怯える者も居た。
孤児達の警戒が続く中、夢咲が「あの」と声を掛ける。
「それ以上近寄んな! お前等、誰だ!」
幼い子供を背に隠す若い成人男性が大声を出す。
彼には顔に大火傷の痕があり、彼だけでなく殆どの者に裂傷や火傷の痕が顔に残っている。一部、数は少ないが、体の一部が変形していたり欠損している者も居た。傷痕を見ただけで政府主導の実験とやらが過酷なものだと分かる。
「怖がらないで、安心していいよ。私の名前は夢咲夜知留。隣の人は神谷神奈。みんなを傷付けることは絶対しない。みんなと一緒に遊びたいなあと思って今日は来たの」
「……傷付けないってんなら帰ってくれ。俺は、ここに居る仲間以外信用出来ない。人と関わるのが怖い」
「美味しいケーキを持って来たんだけど」
十人程、特に子供の目の色が少し変わる。
「ケーキを置いて帰ってください」
「ケーキは食べたい。人は要らない」
「ありがとう。さようなら」
神奈は思わず「図々しいなこいつら」と呟く。
ケーキには心を開きまくっている子供も神奈達には全く心を開かない。
「……ダメだな。夢咲さん、私は外に出る。私じゃ力になれないみたいだ」
「えええ、そんなあ」
物で釣る作戦が失敗に終わったら神奈に出来ることが何もない。
子供相手ならくだらない〈デッパー〉などの魔法を見せる作戦もあったが、才華から止められているので使えない。自分にはどうしようもないことを悟った神奈は一度ニコニコ院を出た。
外に出た神奈はスマホを取り出してとある人物に電話を掛ける。
数コール時間が経ってからようやく相手との電話が繋がる。
「天寺。今すぐ来い」
「え、ちょ、何――」
すぐに通話終了ボタンを押して一方的な会話を終わらせた。
電話相手は天寺静香。彼女は瞬間移動が使えるので、スマホのGPS機能を利用すれば神奈の位置に飛ぶことが出来る。神奈への恐れが消えていない彼女なら『来い』という一言だけで来てくれる。
「なぜ天寺さんを呼んだんですか?」
腕輪の問いはもっともだ。当然理由がある。
天寺は魔法使いであり、裏社会という薄汚い場所の住人。殺しや麻薬取引など日本の法律を破りまくっているのが裏社会だ。そこには世界中の情報が集まるため政府の裏の顔も知っている可能性が高い。裏社会の住人といえば隼速人も居るが彼は魔法に詳しくないし、政府に興味がないので何も知らないだろう。
「なるほど、そういう訳ですか。では南野さんにも連絡してみたらどうです?」
「そのつもりだ。元々、政府直属のなんちゃらが壊滅したって情報をくれたのは南野さんだし。絶対何か知ってる」
神奈は友達の一人、南野葵に連絡を取る。
『何? 何か用?』
天寺と違ってすぐに電話に出たが、面倒な気持ちを隠そうともしない声だ。
「ああ、訊きたいことがあってさ。今時間あるか?」
『調べ事してるんだけど……まあいいわ。訊きたいことっていうのは?』
「待った、もうすぐ天寺が合流してくるからその時に……あ、来た来た」
孤児院の敷地に私服姿の天寺が瞬間移動してきた。
緊張しているのか、まるで戦争中に敵地へ赴いたように覚悟ある表情をしている。
周囲を見渡して警戒しながら彼女は神奈にゆっくり寄って来る。
「敵はどこよ。隠れているの?」
「戦闘してねえよ今。お前に訊きたいことがあんの。南野さん、スピーカーにするぞ」
「南野? 訊きたいこと? あなた、説明不足すぎないかしら」
『一日の時間は有限。役者は揃ったみたいだし話があるなら早く話して』
せっかちな奴等だと思いつつ神奈は本題を口にする。
「政府がやっていた実験について知りたい。お前等は何か知っているんだろ?」
政府の実験という言葉で天寺の表情が強張った。
少なくとも彼女が何かを知っているのは確定した。
『……どうしてそんなことを知りたがるの? あなたには関係ないでしょ』
反応からして葵も知る側の人間である。神奈の人選に間違いはなかった。
神奈は偶然知った政府の実験の被験者達と、彼等が今は孤児院で暮らしていることを説明する。
本当は被験者達に何があったのか訊きたいが心の傷を抉りたくない。しかし、あそこまで他人に怯えた被験者達の様子を見てしまうと、どうしても何をされたのかが気になる。知らなくても今後に支障はないかもしれないが、何事においても知るというのは重要なこと。被験者達の気持ちを理解するためにも神奈は知りたいのだ。
「そう、政府直属の魔法組織が壊滅したのは知っていたけど、被験者達が孤児院に預けられていたとはね。組織潰しなんて滅茶苦茶なこと、あなたが絡んでいると思ったけど違うみたいね」
「私のせいだと思われていたことが驚きだよ。で、南野さん、実験についてだけど」
『政府の実験って言っても数が多すぎるわ。詳細までは知らない実験もある。それでもいい?』
「構わない。教えてくれ」
葵の口から語られたのは想像通り、いや、それ以上に酷い内容だった。
世界では殆どの国が魔法使いを兵器として見ており、強化を目的として育成施設である学校を五箇所建てている。日本政府直属魔法対策会、通称日魔対の判断で学校へ行かせることもあれば、組織で実験漬けの日々を送らせることもある。孤児院に預けられているのは後者、実験漬けにされた者達である。
実験の内容は様々だが目的は一つ。
他国よりも強い、最強の兵器を生み出すこと。
日魔対は何をすれば魔力を効率的に高められるかを実験していた。
瞑想。運動。勉強。食事。睡眠。妄想。性行為の積極化や禁止。魔力の使用。
様々な内容があったが神奈が特に顔を歪めたのは痛みを与える実験。
命の危機に成長する可能性があるため、拷問や殺し合いをさせるものである。
何歳の時にどんなことをすれば魔力量が増えるのかを知りたかったらしく、赤子への拷問もあった。幼児に殺し合いをさせていた。
あまりにも酷い、被験者を同じ人間として見ていないかのように非道な実験。
日本の政府がそこまで非道なことをしていたと知り神奈は驚愕を隠せない。
「……私が知らなかっただけで、平和なんて存在しなかったのか。もう終わりだよこの国」
悪霊が彷徨いていたり、破壊の権化が生まれたり、宇宙人が攻めてきたり、人類滅亡願望のある大賢者が復活したり、人類が夢に囚われたり、魔導の深淵とか言って学院長が暴走したり、今まで本当に色々な事件から人々や国を守った。しかし、守っていた国自体が真っ黒と判明した。神奈は強い精神的ショックを受けている。
「確かに仮初めの平和だったけど今は違うわ。どこの誰か知らないけれど、政府のゴミ共を潰してくれたんだから。日魔対は全滅したし政府の動きも停滞するはずよ。もう胸糞悪い実験も行われない」
『……いいえ、政府はまだ諦めていない。最強生物兵器を作ろうとしている。大賢者復活計画というものを進めている』
「大賢者、復活、計画」
名前を聞いた天寺の表情が強張り、潰れたような怨嗟の声を出す。
異常な様子に驚いた神奈が「大丈夫か?」と声を掛けると、彼女は「問題ない」と告げる。
「それは確かな情報なの?」
『ええ、マージ・クロウリーの研究室に資料があった。この計画は一度失敗しているようだけど、政府は諦めきれなかったようね。日魔対主導じゃなくて政府の一部の人間が計画を進めていたの。だから日魔対が滅んでも計画は止まらない』
「……まさか、あの計画が再始動していたなんてね」
「天寺、お前、その大賢者復活計画ってやつを知っていたのか」
「知っているも何も、私は計画のための実験を受けていた被験者よ。逃げたけどね」
告げられた衝撃の事実に神奈は言葉を失う。
天寺はクズだし今までやってきたことは許されない。しかしその彼女も政府の被害者であり、歪んだ精神も実験のせいだとすれば、彼女を生み出した政府にも罪がある。余程辛く、恐ろしい実験だったのだろう。一人の少女の性癖を絶望に変える程なのだからそうに違いない。
「大賢者復活計画が成功すれば恐ろしい事態になるわ。昔に実在していた大賢者神音という人間の強さを再現する計画だからね。大賢者のことくらいあなたも知っているでしょ。メイジ学院の授業で習ったはずよ」
「あ、ああ、うん。ヤバいよね大賢者」
知っているどころか大賢者本人と友達ですとは言えない。
大賢者、神野神音の実力は凄まじく、今の神奈でさえ戦えば確実に殺される。
友達である生まれ変わりの方とは勝負が成立しても、オリジナルの方は魔力量が桁違いなのだ。一度死者が蘇生される事件で戦ったことはあるが、時の支配人やエクエスの協力あっての辛勝。彼等のような強者複数と組まなければ神奈でも戦いが成立しない。
「計画を主導している連中については調べているんでしょうね?」
『当然でしょ。今やってる調べ事が正にそれよ。どうやら連中、魔力の実や人造人間のデータをマージ・クロウリーから入手したらしいの。魔力の実のデータが利用されたとなれば私も無関係じゃ居られないでしょ』
「計画進めてる奴等を潰せばいいんだな。今は何も分かっていないのか?」
『ダミー含めて研究所の数が多すぎる。実験場所の特定には時間が掛かりそう』
「そうか。そっちは任せた。邪魔しちゃ悪いから通話切るよ」
神奈は電話の終了ボタンを押して葵との会話を止める。
魔力の実を作った責任からか葵は計画阻止に積極的だ。
難しい話は神奈だと分からないが、魔力の実を使用した葵にも、人造人間である五木兄弟にも少し苦戦した覚えがある。もし二つのデータが活用されてしまい、本当に大賢者と同等の存在を生み出されたなら覚悟を決めなければならない。
「私も裏社会で情報を漁ってみるわ。仮に実験が成功していても切り札が居る。なんとかなるわ」
「切り札?」
「法月正義よ。アレなら何にでも勝てるでしょ」
「確かにそうだな。ま、あいつの力を借りなくても私には私の考えがあるけどさ」
法月正義とは以前神奈も戦ったことがある。
正義の加護を宿している彼は、相手を悪と認識していれば必ず勝てる。神奈もその能力に敗北しているし勝てるビジョンが見えない。天寺の言う通り、加護が発動した彼なら生物兵器にも勝てる。
天寺は「じゃあね」と手を振り、瞬間移動でこの場から消えた。
「……大変なことになったな」
「被験者達も大変なことをされてきたようですね」
腕輪の言葉に神奈は「ああ」と頷く。
実験なんて言葉から碌でもない想像はしていたがあっさり超えてきた。モルモット扱いを受けていた被験者達が他人を警戒するのは当前であり、ぽっと出の神奈が容易く打ち解けられるわけがなかったのだ。世間話が出来る程度に仲を深めるのも時間が掛かるだろう。
全てを知った神奈は孤児院内に戻る。
「おーい夢咲さん、そっちの様子は……」
広間に戻った神奈は広がる光景に唖然とした。
夢咲の手足に抱きつく幼児達、彼女と仲良く話をする青年達、彼女達を優しく見守る中年達。
先程までとは百八十度雰囲気が変化した被験者達の姿が目に入る。
「打ち解けんの早いな!?」
「神奈さん戻って来たの? お願いだから手伝ってー、私一人じゃ遊びに付き合いきれないってば」
「よ、よーし、私も仲間に入れてもらおうか」
被験者達は殆ど寄って来なかったが神奈も少しは打ち解けられた。
この日、夜遅い時間まで神奈と夢咲は被験者達の遊びに付き合った。




