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【終章完結】神谷神奈と不思議な世界  作者: 彼方
十章 神谷神奈と魔導祭
361/608

183 夢潜心――精神世界――

2024/04/07 文章一部修正








 仰向けに倒れた管理者の体はピクリとも動かない。

 死んだと判断した神奈と洋一は管理者に駆け寄る。


「おいっ、くそっ、マジかよ神様!」


「これは……ムゲン、どうかな?」


「ダメじゃな。心臓部分がごっそりなくなっておる」


 唐突にその場にいなかった者の声が聞こえて、神奈は声がした方向へと振り向く。

 洋一の言葉に答えたのはいつの間にかいた幼女。

 桃色の肌に水色の瞳。サラリと肩にかかる髪が邪魔で見えづらいが尖った耳。服装は女児らしい可愛いワンピースで、スニーカーを履いている。


 洋一の膝にあった本は消失しており、その代わり洋一の横に現れたのが幼女だった。明らかに人間ではない肌色と耳に驚いた神奈は空想の生物の名を口にする。


「……エルフ?」


「エルフではない! あれらは余よりも後に生まれたものじゃ!」


「えっ、いや、そんな怒る?」


 よほど不快だったのか幼女は怒ったが、現況を忘れていないのですぐに真剣な表情に戻る。


「治療は出来ん……まあ敵がいたのではそもそも出来ないがな」


 幼女は年相応の幼い声で話す。


「分かった、今はあの人を倒すことが先決ってわけだね。そうだ、紹介するよ。彼女はムゲン、僕のパートナーみたいなものかな?」


「う、うむ、その認識でよい。といっても余は魔導書そのものじゃ、意思のある本とでも思っておいてくれ」


 パートナーという単語に視線を逸らし頬をうっすらと赤く染めて、ムゲンは自分の説明を追加する。彼女の様子はまるで恋する女の子のようだった。本と説明されたがどう見ても人型の生命体にしか見えない。


「へえ、お前の仲間か? お前も人間の姿になれないのかよ?」


「いやあ、自力では無理ですねえ。……あ、どうも私は万能腕輪ああああと申します! 同じく特別な道具なので仲良くしましょう!」


 白黒の腕輪から響いた声に洋一もムゲンも目を丸くする。


「驚いた……そんな道具も、いや、なんて言えばいいのかな」


「気を遣う必要はないじゃろ洋一、この腕輪は道具だと自分で言い張っとるではないか」


「そう、かな? まあよろしく頼むよ、ああああ? さん?」


「ちょっ、聞きました神奈さん!? 私の名前を呼んでくれましたよこの人! 神奈さんは一度も呼んでくれないのに!」


 滅多に呼ばれない名前を呼ばれたことで腕輪のテンションが上がる。


「そういうのは後でにしろ、今の私達は雑談してる場合じゃないからな。正直今隙だらけだったのに攻撃してこなかったのは運がよかったな。理性がないせいでまともな思考が出来ないからか?」


 神奈は緩んでしまった空気を再び緊張させると、上空からすうっと下りてくるマージを見据える。

 管理者の治療はほぼ不可能。それならばやることはマージを倒すこと以外にない。腕輪もそれを分かっているのですぐに黙る。


「さて、第三ラウンド開始といくか……あの野郎ぶん殴ってやらないと気が済まない」


「待て女」


 神奈が拳同士をパンッとぶつけてマージに向かおうとしたのを、ムゲンが制服の裾を掴むことで止める。


「お主の力では無理じゃ、死にたいのか?」


「なんだとっ……いや、分かってるんだよ力不足ってのは。でもこれでも神様に強さを三倍くらいにしてもらってるんだ。贅沢は言ってられないんだって」


 自分の力不足に歯をグッと食いしばって話す神奈に、ムゲンは人差し指を一本立ててみせる。


「一つ、お主をパワーアップさせる可能性がある魔法がある。それを試してみんか?」


「そんなものがあるのか!? それなら是非やってくれ、私に出来ることなら何でもする……!」


「そうか、じゃがこれをやるには一時的とはいえお主と余が動けなくなる。洋一だけにあの化け物を任せるというのも不安じゃな」


 ムゲンが不安そうに洋一に目を向けた時、星々の輝きのようなものが無数にある黒い魔力弾が迫って来る。

 神奈もムゲンも話していたせいで反応が遅れた。二人は魔力弾が直撃して消滅するところだったが、あともう少しで呑み込まれる時、洋一が庇うように前へと出る。


「模倣。十五パーセント」


 正面に迫った黒い魔力弾に、洋一も右手から放った桃色の魔力弾をぶつける。

 二つの高エネルギーがぶつかり合う。マージの魔力弾の方が高威力であったため洋一の魔力弾は押されていく。しかしぶつかり合っていたことで時間が稼げて、三人はその場から横に移動することで避けられた。


「流石じゃな洋一、〈解析(アナライザー)〉の力であの時の力を模倣するとは」


「出来るんじゃないかって、自分の力を信じてみた結果だよ。でもやっぱりこのままじゃ押し負けるね……力も模倣したものだからか、あの時よりも制限がかかってるし。というかさすがというのならムゲンこそ、その姿は君の力で再現したものだろう?」


 夢現世界の最終決戦前、ムゲンが人々などから分けてもらい洋一に与えた膨大な魔力。それは確かに夢現世界の消滅と共に元の魔力保持者に還った。その還ったが一度手にした魔力を再現しているのが洋一の固有魔法――〈解析〉だ。


 目で見たもの全てを解析、理解する。

 技術なら模倣も可能と便利な固有魔法である。


「実体を伴う幻じゃがな。まあ色々と人でなければ出来ないこともあるからの。……話を戻すぞ洋一。力の再現、それはお主の身体に負荷が大きく掛かるはずじゃろう? あまり使うと身を滅ぼすぞ」


「分かってるよ。この状態も無理に引き出してる状態だしね。それでも使わなければいけない時に使わないって選択肢はないよ」


 解析して力を模倣する。本人は過去に出来ないと思っていたが、相手を模倣するのではなく自分を模倣するので力の使い方が違うことに気付いた。自分の魔力器官が一度広がっているため、そのときの状態を模倣することで強引に成功させていた。


 しかし元からないものを生命力などのエネルギーも消費してむりやりに作り出すので、その消耗は当時の比ではない。二十パーセントも出せればいい方で、それ以上出せば身体に影響が出始めてしまう。さらに持続時間は五分も持たないと制限だらけであるが、絶大な力を扱えるメリットは大きい。


「さあ、僕に任せて。ムゲンと神谷さんはその魔法とやらを試してみてよ」


 洋一は車椅子から立ち上がった。


「……え? 立てるの?」


 車椅子に乗っていたから洋一の足が不自由だと神奈は思っていたので、すんなりと立ち上がったのを見て思わず声を上げる。


「僕の足はある戦いの後に義足になったんだ。激しく動けば負荷もかかるけど、この状況で甘えていられないからね。大丈夫、魔力を纏わせれば義足への負荷を軽減することも出来るし」


 夢現世界で夢近と戦った後、マージと同じように肉体が崩壊しかかっていた洋一だが、現実に戻ってきてみれば崩れたのは幸いにも足だけだった。これには理由があるのだが本人は知らない。

 不便な体になった洋一は病院で検査してもらい、両脚を義足にして、普段は負荷を軽減するため車椅子に乗ることにしたのだ。


「……本当に任せていいんだな?」


「大丈夫って自信を持っては言えないけど、信じてくれないかな」


 つい先程会ったばかりの人間を信じるなど、人を疑わない者でしかない。しかし信じる他ないと思い、神奈と洋一は目を合わせて頷き合う。


「さて、久し振りの運動だけど、最初から飛ばすよ……!」


 神奈とムゲンが魔法を使っている間、マージの注意を逸らさなければ攻撃が飛んでくる。洋一は理性がないマージの注意を自分に向けさせるため、魔力弾を撃ちながらマージの周りを大きく迂回するように走る。

 義足は金属でできていて走れば金属音が鳴るが、それはごく僅かな物音でしかなかった。


 日常生活で車椅子を使用しない時、音が出たら迷惑になると思い洋一が習得したのは裏社会の殺し屋が使用する歩行方法。滑るような足運びで、足から地面に伝わる衝撃を出来る限り少なくした歩き方。それを走る時にも使うことで周囲に足音で迷惑を掛けないようにしている。


 マージは自身の周囲を大きく旋回する洋一から魔力弾を撃たれたことで、本能的に敵と認識して動き始める。

 遠距離から魔力弾を撃ち続けていた洋一に、マージは全てを呑み込むブラックホールのような魔力弾を放つ。


「〈解析〉」


 向かってくる魔力弾を洋一は固有魔法で徹底的に調べ上げる。

 分かったのは高エネルギーの塊だということだけだが、それだけ分かれば洋一は模倣出来る。


 ほんの一瞬、洋一は魔力弾を撃つ瞬間だけ二十パーセントの力を解放する。

 放たれた魔力弾は桃色に染まっている。二つの魔力弾は衝突すると拮抗して大爆発を起こし、周囲の空間とともに消滅する。


「す、すごっ……あんな密度の魔力弾、私じゃ撃てないぞ」


 洋一とマージの始まったばかりの戦闘を見て、神奈は洋一の実力の高さに戦慄する。


「当然じゃ、余のパートナーなのじゃからな。しかし一瞬だけとはいえ出力を上げたな。一瞬だけとはいえ、洋一には筋肉痛のような痛みが襲っているじゃろうな」


「出力? あれ全力じゃないの?」


 出力を上げたという言葉に疑問を持ったので神奈は質問する。


「今の出力は十五パーセント。おそらく一瞬上がったのは二十パーセント。洋一の模倣の力ならば百パーセントの力も出せるじゃろうが、出したらコンマ一秒も肉体が持たないで崩壊するじゃろうな。さあ、そんなことは気にするな、始めるぞ」


「あ、ああ。それでどんな魔法なんだ? 実力を上げるってのは」


「あくまで可能性の話じゃ。魔法の力は魔力の強さで決まるが、それともう一つ大事な物がある……それは精神力。ドッキリに耐えられるとかそんな次元の話ではなく、もっと概念的な心そのものの力じゃ」


 説明がよく分からずに神奈は首を傾げる。


「意味が分からないんだけど?」


「ゆっくり説明する暇はないから分からないなら考える必要はない。とにかく今からお主の精神を心の奥底に沈めるので、精神世界に行って力に変えられる何かを手にするのじゃ。それを見つければお主の魔力器官が成長して魔力上限値が上がるじゃろう。しかしそんなものはない場合もある。これは賭けなんじゃ」


 人間は心の持ちようで体の調子が変わる場合がある。感情はそれほどまでに影響を与える。心というものは人間の構造の中で一番神秘的なものだ。


「なかったら無駄になるってことか。まあいい、あることに賭けるさ。早速やってくれ」


 二人はそれぞれ準備する。

 神奈は「一番負荷がかからない態勢になれ」と言われたので、真っ白な地面に仰向けで転がる。


「よし、それでは始めるぞ……!」


「ひゃうっ!? ちょっ、何で服の中に手を入れた!?」


 思わず神奈が悲鳴を上げたのは、ムゲンがすうっと滑らせるように破けている制服の中へ手を入れたからだ。


「うるさい、心臓部、それも肌に直接触れた方がやりやすいんじゃ。黙って横になっておれ。いちいち声を上げるな」


 心というのはどこにあるのか。

 心臓部分か、それとも思考することが出来る脳の中なのか。

 否。そのどちらでもない。ムゲンはそう考えていた。


 ――心は魂の中にある。


 心臓でも脳でも、生命活動が終了を迎えると同時に活動を停止してしまう。

 生命は死者となっても、魂だけとなっても心は残っている。つまり心とは魂と同質のものなのだ。ならばその魂がどこにあるのかという疑問が出てくるが、ムゲン個人としては心臓部分だと思っている。


 胸の少し下辺りで手の動きを停止させ、ムゲンは魔力を高めていく。

 神奈はその時、加護の存在を思い出すが大丈夫だろうと確信する。管理者から先程与えられた二つの加護は分からないが、害などを自動で防御する転生時に与えられた加護は今回の魔法を害とみなさない。本人が望んで受けているのもあるし、強くならなければここで死んでしまうと加護自身が判断してくれるだろう。


「〈夢潜心(むせんしん)〉」


 ムゲンがそう呟くと、神奈は唐突な眠気に襲われる。

 段々と意識が遠のいていくのを感じて、意識は完全に心の奥底に潜っていった。



 * * *



 深い森林。緑溢れるその場所で神奈はポツリと立っていた。

 閉じていた瞼を上げ、自分がいる場所の景色を映した神奈は「……へ?」と間抜けな声を出す。


「ど、どこだ? いや、ここが精神世界なのか……?」


 濃い緑の葉が太陽光を所々遮っていて薄暗い。

 少しの不安を感じながら歩き出すと、聞き覚えのある少女の笑い声が聞こえてくる。


「あはははは! あはははは!」


「うぇっ!? こ、この声、笑里?」


 静かな森の中なので元気な笑い声がいっそう響く。

 不気味さを感じて声に近付いていくが神奈の視界には誰も映らない。


「笑里どこだあ! おかしい、誰もいない。こっちから声が聞こえてきたんだけど」


「あはははは! あはははは!」


 また聞こえてきた笑里の声に神奈が周囲を見渡すと、気付いた。

 周囲の木の幹の模様が笑里の笑顔に変化していたのだ。


「うわああああ! びっくりした何じゃこりゃあ!?」


「あはははは! あはははは!」


「……き、キモいな」


 木が笑っているようにも見えて、不気味さに神奈は背中がゾワッとする感覚を味わう。

 さらに異変は続く。何本もの太い木に顔が現れて、笑い声は重なり合って合唱でもしているかのように五月蠅い。

 騒音に耐えきれなくなった神奈は全身を小刻みに震わせて叫び出す。


「うるせえええ!?」


 重複する笑い声よりも大きな叫びに、木の幹に浮かんでいた笑里は驚いた表情をして消えていく。

 神奈の周囲の木々の幹は普通の状態に戻った。

 何だったんだと考えている神奈の正面にまたもや不思議なものが現れる。


 風が吹いて木の葉が舞い落ちたと思えば、その木の葉達は人の形を作り上げる。

 所々に虫食い穴が空いている緑の人型は神奈の友人の一人を真似ていた。


「さ、才華?」


「さあっ、金金金金金金! あなたにお金を差し上げましょう!」


「えぇ……何これ」


 全身木の葉の才華が自分の葉を手で取って周囲にばら撒いている。


「これって、私が才華のことを都合のいいATMだと思ってるってことか……?」


 そこまで考えて神奈はありえないと首を激しく横に振る。


「さあっ、このお金をあなたに!」


「いや葉っぱなんですけど……ていうか邪魔だああ!」


 木の葉を取って神奈に投げてくる偽物の才華に魔力弾を放ち、正面数キロメートルと一緒に消滅させる。

 森だった場所は一部が更地と化して見晴らしがよくなった。


「あ? なんだあれ……げっ」


 光の粒がふいに現れ、集まっていくと隼速人が現れた。普段の忍者っぽい服や私服ではなく白いタキシードを着ている。胸ポケットには真っ赤な薔薇が一輪入っている。


「ああ、ここで会ったが百年目」


「なんだ? やる気か?」


「麗しの君、その可憐な瞳、しなやかな身体、サラッとした髪、小さな唇も全て奪いたい!」


 普段と違いすぎる言動に神奈は石のように固まる。

 固まっている神奈に速人は近づいていき、ポーズを取りながら演劇の王子のように台詞を続けていく。


「さあ、君の全てを俺に差し出してくれ……」


 速人に顎をクイッと持ち上げられて、顔が至近距離に近付く。

 死んだ瞳に変化していく神奈はまだ固まったままだ。


「ご覧あれ、逆ハーレムの術!」


 速人が突然分身の術を使用して六人に増える。

 それぞれの速人が違うキザなポーズを取りながら神奈に近付いて囲む。


「フフッ、さあ、どの俺と過ごしたいかな?」


 そこまで来てようやく神奈の硬直が解ける。


「……ああ、じゃあ、全員かな」


「全員!? 分かったぞ、欲張りさんめっ」


 額をピンッと指で弾いてきた速人の腹に神奈は重い拳をめり込ませる。

 一人を殴ると周囲を囲んでいる残像が消えた。神奈が殴ったのは本体だったのだ。

 膝を地面に付ける速人に、神奈は殺意を込めた瞳を向けて彼の体を蹴り上げる。蹴り上げられた速人はそのまま空の彼方にまで吹き飛び、なぜかキラッと星のように光った。


「な、なんなんだこの世界! これ確実に私の心の中じゃないだろ!」


 今いる場所が自分の精神世界ではないと神奈は信じたい。

 頭を抱えて「絶対違う」と念仏のように唱えていると、更地にして出来た道にいきなり花が咲いた。

 道の脇に一輪、また一輪と連続して咲き、道の両端は花で埋まる。


「なんか良い感じの道に……いや、違うっ!」


 それがただの花ならば神奈も顔を歪めることはない。しかしその咲いた花には、今まで出会った人間の顔が浮かぶという奇妙な現象が起きていたのだ。


「なんでこんな気持ち悪い道を通らなきゃいけないんだ……いや、今すぐに引き返そうかな」


 学校で出会った友人、今までに戦った敵の顔が浮かぶ花が咲いている小道。

 歩いているだけで気持ち悪くなる光景である。


「もしかして、このキモい花が私の力に? いやないな、というかあってほしくない」


 ゆっくり歩くのが嫌になり、神奈は一気に走り抜けようと足を動かす。

 走ったことにより強風が吹き荒れて風圧で花が吹き飛ぶ。


「なんだ? 門?」


 神奈が走っていると道の先に白い門があるのが見えた。

 走っていく神奈に呼応するように門は開き始める。


「今度はなんだ。眩しっ」


 門の中が放つ眩い光に神奈は包まれた。

 精神世界だからなのか加護が働かないので眩しくて目を瞑る。

 光が止んでおそるおそる目を開けてみると、目に映ったのは秘境のような空間。

 滝があり、周りは岩や木々に囲まれている。

 滝からは一人の青年が全裸で出て来て岩場に上がった。


「嘘だろ……お前は!」


 神奈にはその青年に見覚えがありすぎた。

 信じられないと言わんばかりに震える指を向けて口を開く。


「お前は、私じゃないか!」


 青年は――転生前の自分と瓜二つだった。


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