50 エビフライ――昼休憩での一幕――
ついに50話まで来たという謎の達成感があります。
大玉転がしが終了して、次の種目が準備されている。
グラウンドには十メートル程の高い籠が二個立てられて、赤と白の柔らかそうな玉が地面にばら撒かれていた。
玉入れ。運動会の定番ともいえる種目であり、十数人が地面に落ちている玉を拾って立てられた籠に投げて入れるだけの簡単な種目。ただ簡単ではあるのだが意外と籠の中に入れるのは難しい。
神奈が出場することになっているが別に不満はない。
玉入れは運動会の種目の中で一番楽だ。疲れることもないし、ゲーム感覚でやれるので何気に楽しい。……まあ投げるのは苦手なので一個も籠に入らないのだが。
グラウンドに他の生徒と共に神奈は足を踏み入れる。
中心に集まった生徒の中には先程会った天寺もいた。あいつ絶対玉入れが一番楽そうだから選んだに違いないな、と心の中で呟きながら整列する。
「それでは玉入れ! 開始!」
開始の合図の空砲が鳴り響き、選手達は急いでそれぞれの場所に移動する。籠の下に向かったら早速玉を拾おうとした――のだが不思議なことに赤玉が独りでに動いて拾えない。
「何だこの玉!? 拾おうとすると勝手に避けるんだけど!?」
「意味分かんない! 何で、どういう理屈!?」
「風も吹いてないのに……」
雲固学園側の白玉はなんともない。宝生小学校側の赤玉のみがまるで生きているように動いていた。拾おうとしても逃げていく玉に対して、どうすることも出来ない生徒達はイライラし始める。
「念力か何かかよクソッたれえ!」
「何なんだよこれキモいな!?」
「ボールが逃げてくんだけど! え、生きてるのこれ!?」
「気を付けろみんな! 新種、アカダマ科のアカダマだ!」
神奈はまさかと思い雲固学園側を見てみると、天寺を含めた何人かがこちらに向かって手をかざしている。どう考えても魔法を使用して赤玉を動かしているとしか思えない。
「あいつ堂々とやりすぎだろ! いや一般人からはただサボってなんかかっこつけてるようにしか見えないか、そう考えたらダサいな!」
神奈も苦し紛れに叫ぶことしか出来ない。
「おっと宝生チーム! どうやら玉が上手く拾えないようだ! どうしたのでしょうか!」
「うるっせえ拾えるものなら誰か投げてるわ! こうなったら私も力を出すしかないか。魔法には魔法で……って使えないわ私の魔法! この状況を打破できるものがないじゃん! こうなったらあれしかないか……!」
神奈はその場から忽然と姿を消す……ように周囲からは見えただろう。
「あれ、ボールどこいった!?」
「今度は消えたぞ!?」
「どうなって、いや消えたんじゃない! 神谷だ!」
――消えたのではなく、超スピードで走り回っているのだ。
神奈は超スピードで走り回り、玉を動かされる前にできるだけ回収。竹編み籠の上まで跳び、玉を落として着地する。それを何度も繰り返すことで着実に点数を稼いでいく。
相手が魔法を使ってくるのなら神奈は身体能力のゴリ押しだ。
「おっと凄いぞ宝生チーム神谷神奈ちゃん! まさかの籠まで飛んで入れるという普通やらない方法で玉を入れているううう!」
「すげえ、これなら勝てるぞ!」
「てか玉入れの籠高い意味ねえな」
「もうアイツ一人でいいんじゃないかな」
身体能力のゴリ押しを続けていると、神奈は小さな舌打ちの音を耳で拾う。
天寺だ。忌々しそうな表情で鋭い視線を送っている。
「小賢しい、いや脳筋と言った方がいいのかしら」
「どうしますか? あの調子ではおそらく……」
「そうね、妨害はもういいわ。全ての玉を入れれば結局差は縮まらないんだから」
「了解しました」
神奈は黙々と玉を拾って入れていると天寺達が妨害を止めたことに気付く。心の中でガッツポーズしていると、もう一つ気付くことがあった。
「お前ら玉拾おうとするのすら止めて友達同士で話し出すなよ! 少しは働け!」
全ての玉を神奈が拾うだろうと思っているのか、他の生徒達は雑談を始めてしまっていた。神奈が全ての玉を入れ終わり時間切れとなったが、結局他の生徒は終始玉に触ることがなかった。これでは一人玉入れである。
司会と実況を務める男が何個入ったのか確認するよう告げた。
玉入れでは傾けた籠の中から玉を取り出して、空高く投げることで点数を数える。
どちらの学校の生徒も代表者が籠を傾けて玉を手に取る。そして宝生小学校側は神奈が全て入れた玉を自分自身で投げる。
一、二、三と順に高く投げながら数を数えていく。
百個ある玉を全て数えるので時間がかかる。あまりにも面倒臭い。
「おっと凄い結果が出ました! これは全国の小学校の運動会でも見たことがない結果です! なんと両チーム百個! 全ての玉を入れるというとんでもない記録を出したああああ!」
げんなりと疲れた様子の神奈は実況兼司会の言葉で雲固学園側の籠を見る。
全て入れる程度の予想はしていた。とりあえず差が広がらなかっただけでもいいだろうと神奈は気楽に考えた。
宝生 1132点 雲固 1580点
次の種目は綱引きである。
神奈は綱引きで確実に差が縮まると自信満々の表情を浮かべていた。
綱引きは専用のロープを引っ張り合う競技だ。つまり完全な力比べであり、笑里や自分がいる以上負けは絶対にないと確信している。
本来なら神奈は出場しなかったのだが急遽変更してもらった。理由は当然、このままでは敗北するからだ。身体能力強化を施されている雲固学園の生徒達に勝つには、それ以上の力を持つ人間が出場するしかない。
「さて、お次は綱引きです! 綱引きは二回戦あるので、予め決めている二チームに分かれてください!」
チーム分けは神奈と笑里で分かれた。片方が偏ったらもう片方で負けるかもしれないので、勝つ可能性の高い生徒は均等に振り分けなければならない。既に神奈の頭の中では相手選手が吹っ飛ぶ未来が見えている。
「一戦目。準備はいいですか?」
審判担当の教師が両チームの先頭の生徒に準備が出来ているか問う。それに対して無言で頷く両者のことを見て、開始しようと拳銃をまっすぐに上げる。
「では、開始!」
空砲が鳴り響いた直後、神奈は「よっ」と軽く縄を引っ張った。すると相手の生徒が全員が吹き飛んで開始一秒で決着してしまう。
「……そこまで、宝生小学校側の勝利です」
「一瞬、実況する暇もなく決着! 宝生チームにすごい力持ちがいたようです!」
さすがに驚愕していた審判と実況の男も我に返って決着を知らせた。
神奈は当然だと思いながらもおかしいと矛盾する気持ちを抱いていた。雲固学園側の生徒は全員が身体強化をしていると天寺に聞いていたので、決着があっさりしすぎていると思ったのだ。まあ自分が強すぎるだけかと納得したが。
次は綱引き二回戦。
それぞれの生徒が持ち場に着こうとする中、小走りしている笑里へと神奈はすれ違いざまに囁く。
「あいつらに教えてやれ、お前の恐ろしさを」
「うん、任せといて!」
秋野笑里は特別だ。魔力ではなく霊力を扱える。
本人は操作技術を全く知らないのでエネルギー弾を撃ったりは出来ないが、神奈同様無意識で行われている身体強化はそれなりのもの。雲固学園の生徒達にも負けないくらい強いと神奈はよく知っている。
「それでは二回戦、開始!」
持ち場に生徒が揃ったことにより二回戦が開始される。
銃声が鳴り響いた瞬間、笑里達は――空高く舞い上がった。
「そ、そこまで!」
「おっとこちらも瞬殺! またもや実況する暇もありませんでした!」
あまりにも呆気ない決着。瞬殺された笑里達を見て神奈は驚きを隠せない。
力持ちとかそんなレベルではない笑里がいて尚、歯が立たなかった。その事実を認識するのに時間がかかって、認識してから相手側の生徒を見る。
相手側には他の生徒達と感じが違う者がいた。髪がまるでライオンの鬣のようになっている特徴的な男子生徒。他の生徒からは天寺が施したであろう妙な魔力を感じていたが、その男、獅子神闘也からは何も感じない。
魔力はあるが身体強化がされていないのだ。それはそんなことをしなくても十分に強いという証明でもある。一度拳を交えたので強いのは神奈も理解していたが、ここまでのパワーを持っているとは思わなかった。
宝生 1432点 雲固 1880点
こうして神奈達と天寺達の点差が全く縮まらないまま午前の部は終了。
悔しさに歯噛みしながら「絶対負けない」と神奈は呟き、昼休憩に突入した。
* * *
宝生小学校と雲固学園の合同運動会。結局点差は埋まらず昼休憩になってしまう。
十二時近くというお腹が空く時間。神奈は笑里と才華、そして藤原夫妻と一緒に赤い絨毯の上で弁当を広げていた。……そう、ブルーシートではなく赤い絨毯の上でだ。かなり目立つため、付近で食事中の人々からチラチラと見られる。座り心地はいいが居心地は悪い。
「それにしても何かすいません、ご一緒させてもらって」
「あ、私もごめんなさい」
親子水入らずの時間を邪魔したことへの罪悪感を感じて、神奈達は申し訳なさそうに口を開く。しかしそんなこと気にする必要がないと示すように、藤原夫妻は笑顔で首を横に振る。
「いいのよ、才華の友達ですもの。ね、あなた?」
「うむ、そうだな」
適当な場所で購入した青い弁当箱を持ちながら神奈は「ありがとうございます」と礼を言った。
藤原夫妻も毎年来れるわけではないのだから子供との時間を大事にしたいだろう。一緒にいるのを快く許してもらえるのは夫妻の人柄が良い事の証明。感謝の念が膨れ上がる。
「はい、才華のお弁当よ」
「ありがとうママ」
出てきた弁当は普通の弁当箱ではなく、漆が塗られている三段重ねの重箱だった。
明らかに小学生が食べきれるような量には見えないし、弁当箱がおせちでも入れるような重箱な時点で神奈は驚く。家族全員の分かと思いきや藤原夫妻の重箱は別に用意されている。
「また金持ちのキャラの定番みたいな弁当だな、それ一人で食えるの?」
「食べきれなかったら私が貰っていい?」
「うん、いつも食べきれるから大丈夫だと思うけど欲しいなら少しあげるわ」
「食べきれるのかよ……。随分大食いなんだな。今まで大食いキャラは笑里の方だと思っていたのに」
意外な一面を知ったと驚く神奈だが、開かれたその中身に驚愕する。
自分も少し食べたいと思った神奈と、食べようと決めていて箸を近付けていた笑里はその目を丸くする。
才華の弁当、その重箱の中身は驚くべきことにスペースが余りすぎていた。
一段目の中身は卵焼きや唐揚げなど定番のおかずが入っていたが半分以上スペースが余っている。
「いや少なっ!?」
「これ全然入ってないよ?」
「まあそういうリアクションになるわよね」
才華ため息を零しながら頭に手を当てる
「もっと詰めようよ! これ普通の子供用の弁当箱くらいしか入ってないじゃん!」
「でも二段目からもっと驚くわよ?」
そう言った才華は一段目を持ち上げて二段目を見せる。
二段目は白米が真ん中に先程と同じ普通の弁当箱レベルの量しか入っていなかった。さらにその形は楕円形に整えられており、何もない空間が目立っている。
「ご飯も少ないっていうか形! これ丸い弁当箱に詰まってたんじゃないの!? わざわざ重箱に入れた意味ある!?」
「さっきよりスペースが目立つよ」
「神奈さん、あなたの言う通り。この白米はママが普通の弁当箱に詰めた白米をここに入れただけのものよ……」
「それ意味ないじゃん! 持って来るなら最初に入れてた弁当箱持ってこいよ! あれ、待てよ。一段目がおかず、二段目がご飯なら三段目には何が入ってるんだ?」
「フルーツとかかな?」
おかずと白米の次は何か、想像を膨らませる神奈。中身を見せてくれようとしている才華が二段目を持ち上げる。
「見た方が早いわ。この重さだと今日も同じでしょうし」
呆れたような態度で解放された三段目の中身に光が射しこむ。
食後のデザートを期待していた神奈だがそこには――何も入っていなかった。
「空じゃん! 意味ないじゃん!」
「何で三段目があるの!?」
全くの無意味だと叫ぶ二人に才華の母親が口を挿む。
「ああ、それはね、重箱って三段が素敵だと思うからよ。ね、あなた?」
「……うむ、そう……だな」
謎のこだわりを持っている才華の母親に対して、父親は困ったように反応を返す。いかに藤原夫妻が仲睦まじくても全て意見が合うわけではないようだ。
「そういうことなの、私は別に二段目まででいいんだけどね」
「というかその中身全部合わせても一段目までで十分だろ」
おかずと白米は合わせても一段目にすっぽり入る程度の多さだ。完全に二段目以降は無駄である。何だったら家族全員分の食事が才華の重箱に入るので、藤原夫妻の重箱は本来なら必要ない。
「二人のも見せてくれる? まあこれほどおかしな弁当じゃないでしょうけど」
「それは当たり前だな」
「うん、当たり前だよね」
弁当の見せ合いをすることに決めたので、まず神奈の青い弁当箱に注目が集まる。
二段重ねの弁当箱。一段目はおかず、二段目は白米だ。
唐揚げなどの定番が多いがそれらは全て冷凍食品。電子レンジで温めればすぐに出来上がる弁当内容、神奈は料理を面倒だと思っているので冷凍食品ばかりでも仕方ない。時代が進むにつれて便利になったがゆえの怠惰。もし冷凍食品なんて便利なものがなければ、神奈だって弁当くらいちゃんと作って来ていた。
「わあ、凄いわね。こんな普通の弁当に私憧れるわ」
「美味しそうだね。後で唐揚げちょうだい」
「まあ全部冷凍食品だけどな、普通に作ってる才華の弁当の方が手間かかってると思うよ? ていうか才華の弁当は中身を市販の弁当箱に詰めればいいだろ。あと笑里、唐揚げはやらん」
世の中の弁当は手間が掛からない冷凍食品を使う主婦が多いので、神奈の弁当は珍しい物ではない。作ってもらう者としては手作りが好ましいだろうが、現実そう甘くないのが常なのだ。
才華の弁当は既に見ているので最後は順番で笑里だ。
可愛らしいピンクの弁当箱が――三つ。しかも全て二段重ね。
「で、笑里は……相変わらず多そうだな。やっぱお前が大食いキャラだよ」
「えっへへーん。全部お母さんが作ってくれたんだ!」
三つの弁当箱が蓋を外されて露わになった中身は豪華だった。
エビフライや唐揚げ、ハンバーグなど子供の大好きな定番料理がずらっと並んでいる。肉や揚げ物ばかりではなく、しっかり栄養バランスを考えて野菜や魚も入っている。
小学生からすれば豪華な弁当に思わず「美味しそー」と神奈と才華が声を漏らす。
「私唐揚げ大好物なんだ。ねえ神奈ちゃーん、やっぱり唐揚げちょうだーい。代わりにエビフライ……あげるから」
「……ったく、しょうがないな。エビフライは魅力的だし交換してやるよ」
承諾した途端に笑里はパアアッと明るい笑顔になる。
本当は神奈も唐揚げが好物だ。ただ、好物ゆえに多めに入れているので一個くらい交換してもいいと思えた。エビフライの冷凍食品は売っていなかったので丁度いい。実はどちらかといえば唐揚げよりエビフライの方が好きなのだ。
わくわくしつつおかず同士を交換する。
そして交換し終わった後に神奈の表情は凍りつく。
「ざけんなお前、なっんでエビフライの尻尾だけ渡してくんだよ!? 身はどうした身は! 一番不味いところだけ渡してんじゃねえぞ!」
「私ちゃんと言ったもーん。エビフライの尻尾と唐揚げ交換してって言ったもーん」
そんなわけがない、神奈は確かにエビフライと聞いた。しかし腕輪が「ああ、確かに言っていましたね。小声でしたが」と補足したので真相は明らかになった。
ふざけるなと怒りが沸々湧いてくる。
「卑怯者! 唐揚げ返せ、エビフライ寄越せ!」
「いーやーでーすう」
頬を膨らまして顔を逸らした笑里。ついに怒りは限界まで到達した。
神奈は怒りのままにエビフライを強奪して、尻尾以外をバクバクと素早く食べてしまう。この行動に反省も後悔もしていない。
「お、やっぱり美味いな」
「あああああああ! エビフライ盗られたああああ!」
「先に唐揚げを奪ったのはそっちだ。因果応報って言葉を知らんのか」
「知らないよそんなの! 尻尾あげたのに酷い!」
「最初からいらないんだよ尻尾なんて!」
ちなみにエビフライの尻尾は人によって食べるか食べないか意見が分かれる。神奈は残す派であり、理由としてはネットの情報を鵜呑みにしたからだ。曰く、エビの尻尾はゴキブリの羽と成分が同じだとか何とか。それ以来エビの尻尾を食べると吐き出すようになってしまった。
睨み合った神奈達は暫く経つと「もういいよ」と告げる。
互いに「ごめん」と謝り、フッと笑ってから食事に戻る。
二人はたまに言い争いになるのだが仲直りするのは早い。今日もいつもと変わらず、互いに悪い部分を認め合って相手を許したのだ。
「あ、神奈さーん。秋野さんに藤原さんもここにいたのね」
弁当を食べ終わった頃、ボリュームある紫髪の少女がやって来た。
夢咲夜知留。言わずと知れた貧乏少女で神奈達の友人である。
「ねえ、ちょっとでもいいからお弁当分けてくれたりしないかな?」
「残念だったな。悪いがもう全部食べた後だ」
もう既におかずも白米も残っていない。笑里と才華、藤原夫妻も同様だ。
笑里のように交換と言わないあたり、夢咲は弁当を持って来てすらいないだろう。彼女の貧乏暮らしを知っている身だからこそ納得出来る。もっと早くに言ってくれれば残しておいたのだがもう遅い。時間は決して戻らない。
「あ、残してる! 贅沢なんだから。いらないなら貰うよ?」
「は? いや、何も残ってなんか……」
困惑する神奈は自分の弁当箱を見るがやはり何も残っていない。
ついに幻覚でも見始めたのかと心配してしまう。今思い返せば毎年こうして食べ物をねだってきた記憶がある。
夢咲は神奈の弁当箱へ手を伸ばすと赤いものを取った。
エビフライの尻尾だ。それを口に含んで味わい、幸福そうな表情を浮かべている。
思わず「ええ……」と引き気味な声が神奈の口から出てしまう。だが喜色満面な夢咲を見て何か否定的な言葉を告げる気にはなれなかった。




