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実は勇者は魔王でした!  作者: カヅキ
3/3

ダルミティア改め

「てめぇ…なにもんだ?」

睨みつけるが男は不敵な笑みを浮かべてこちらをみている。


「ギャーーーーー!!」

蜥蜴男の後ろで悲鳴が聞こえた。

慌てて振り返ると仲間の蜥蜴男達が皆倒れていた。気を失って倒れてる者、怪我して這いつくばっている者。


「おぉ、よくやったなぁスペディア」

「わふんっ!」

もう一度振り向き男の方をみると黒い犬が尻尾を凄い振りながら男のそばに居て撫でられていた。


「さーて、あとはお前だけだけどどーする?

その腕綺麗に切ったからくっつけられたのに潰しちゃったからもうくっつかないぜ?


まぁ片手で私に勝てるなら試してみてもいいけど?」


蜥蜴男には分かる。

コイツは只者じゃない事ぐらい。

黒。いや全てを飲み込もうとする闇のようなオーラが見たくなくても見えてしまう。


「昔のリザードマンは誇り高くて強い者にしか挑まなかったはずなんだけどなぁ?

ダイダルとか超カッコ良かったぜ?あの腕力と素早さはモクジィ譲りだよなー!」


男が思い出話をし始めたが蜥蜴男は男が言った言葉に驚きを隠せなかった。


ダイダルとは150年前に火焔大陸にいる凶悪な魔王を退治したと言われる英雄。

モクジィはダイダルの祖父に当たり全ての大陸を旅して鍛えたと言われる伝説級の英雄。


その方たちを知り合いの様に話すこの者は何百年も生きている強者に違いない。


そう思ったら急に足が震え出して恐る恐る口にしていた。

「あ、貴女様のお名前は…?」


「私か?私の名前はダルミティア。

あーだが今はお忍びだからなぁ。

そうだなぁ。ルティアと名乗っておこうか!」

フフンっと笑うルティアをみて蜥蜴男は急いで土下座をした。


「たたたたたたたた大変申し訳ありませんでした!!!!!!!!!

ダ…ルティア様とはつゆ知らずとんだご無礼をっ!!!」


(ダルミティアって我らが魔王様じゃないか!?

何故こんな所に…?!しかも男装してたんじゃ余計にわかんねぇよ!?)


「だからルティアだってーの。

それと私に謝るの違くね?お前が謝るのはここの村の奴らだろ?」


村と近くで倒れてる村人を指差してダルミティアは言った。

土下座をしていたがダルミティアの冷たい冷気が手を動かすたびに肌に感じた為、何処を指しているか見なくても分かる。


「は、はひっ!!」

恐怖のあまり声が裏返ってしまったが

そんな事よりも早く謝ってしまおうという気持ちが先行し立ち上がり村に向かって叫んだ。


「申し訳なかった!!!!」


村人は何がなんだか分からなかったが、とりあえず蜥蜴男が謝罪をし、頭を下げているのはわかった。

一方的な闘いは終わったのだという安心と、

まだ何かあるのでは?と考えてしまい

村の男たちの安否が気になって仕方なかったが恐ろしくて近づけずにいた。


その空気を壊したのが少年と少女の母だった。

「ダト!リリィ!」

名前を叫び子供達に走り寄り抱きしめる。

「無事で…無事でよかった…」

「ご、ごめんなさい…お母さん」

「…うわぁぁぁぁーん」

子供達も安心したのか泣きながら母親を抱きしめた。


「うん、うん。良かったー良かったー」

ニコニコしながらルティアが親子を見つめていると少年のダトが

「お兄さん!妹を助けてくれてありがとう!」


ルティアがポンポンと頭を撫でる。

「…少年、敵に勝負を挑む勇敢さは褒めてやる。

けど無理だと思ったら自分の身を守ったり、家族を連れて逃げるっていう選択もちゃんと考えなきゃダメだからな」

ニカっと笑うとダトは力強く頷いた。


「さてと…スペディア、村人を回復させてくれー」

「わふんっ!(了解!)」

ずるずると倒れた村人を引きずって一ヶ所に集めるとその周りをぐるりと一周回って、


「わふわふーん!(リカバリー!」

っと叫ぶと村人の傷が綺麗に治った。


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