本の帯文
帝国の第四王女、アーネットはちょっと変わった王女様だ。
服や宝飾には興味をしめさず、恋愛話にものってこない。四人姉妹の末っ子ながら、他の王女とはまったく話が合わず、いつも城から抜け出しては、剣を振り回したり、馬を走らせたりと、遊んでばかり。習い事もロクにしないので、教養に欠け言動や仕草は姫様というより、小さな男の子のようだった。だが彼女にはそうなるのもやもう得ない理由があった。
彼女は王の正式な妃の子ではなかった。王が遠征中の宿営地で見止めた街娘との間に出来た子だった。王宮ではなく、娘が働く工場の2階で産声をあげた赤ん坊は、数奇な運命を辿り、王宮に匿われることになったのだが、第四王女とは名ばかりの王位継承権を与えられない、この前例のない王女は、宮中でも庶民の間でも物笑いの種になり、無教養で品位のかけらもない行いもあって、王族の恥さらしと疎まれた。
そんな彼女は14歳を迎えると、王族なんてまっぴらごめん、軍人になるといって王宮からでていってしまったのだ。そんなこんなで、軍人王女様の冒険譚が始まる。
(「軍人時代」から読み始めるのをおススメします。「少女時代」は後から主人公のキャラ設定として読んでください)