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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編 ~孤児時代
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95.それぞれの欠点

人間だれしも欠点はあるものです。

 孤児院の図書館にて、僕の姿をとらえていたエルドが急に顔を逸らして机に倒れこむように体を預け、荒い息をしている。



「はぁ~。もう限界。これ以上は無理」



 と言って休んでいる。どうやら負担が限界にまできたようだ。エルドの周りにあった黄金色の魔力もなくなり、ほとんど見えなくなった。MP切れの症状だ。気を失ってはいないようだから、本当の枯渇ではなく、その1歩手前だろう。そのエルドの様子を見て警戒を少し落とした僕はこの隙に色々聞いてみることにした。



「エルド、さっき言っていた僕が“ステータスを落としている”と思ったのはなんでだ?」

「ああ、孤児院ではイオだけが『鑑定』を持っていたから、他の人に『鑑定』を使ってみたんだよ。そしたらみんなのステータスが見れるんだけど、イオだけが“LV”の表記がなかったことに気が付いたんだ。『鑑定』を持っていたことも併せて考えるとイオは何らかの方法で本来の力を出せないか出さないようにしているのではないかと思ったんだ」



 なるほど。LV表記は全員が持っているもので、見れないことはあっても、表示そのものがないということはあり得ない。『不老』の影響で普段からLVがないことに慣れていたので気が付かなかった。これも今後の改良点だな。


 僕はつらそうにしているエルドに少し『魔力譲渡』をした。このホムンクルスの体が5歳を迎え全属性のLV1の魔法が使えるようになったので、できるようになったことだ。



「お、体が楽になった。ありがとうイオ」

「これで少しマシになっただろうけど、しばらく回復するまで時間がかかるから無理はしないようにね」

「わかった。これで張り切ってイオの勧誘ができるよ」

「ん?なんでそうなる?」

「僕の国を作るという夢がイオと一緒ならできると確信があるからね。というよりイオがいてくれないと無理だ」



 回復したとたん、芝居がかったというような仕草で左手を自身の胸に当て、右手の掌を上にし僕に向けるエルド。



「僕は君がほしい!!僕は君の能力に魅せられたのかもしれないが、君がいれば僕の夢がかなう。いや、いなければ僕は終わる。僕と兄弟として一緒に来てほしい!」



 そう言い切ったエルド。まるでプロポーズでもするかのような優雅さと真剣さを見せた、わずか6歳の姿と僕の想定をはるかに超える能力を見て、僕はエルドを街いや“国”を任せるに足る“王”にしようと決意する。そしてその補佐として義兄弟になることに異存はない。しかし、そのためには前もって聞いておかないといけないことがある。そしてそのことはエルドも気が付いているだろう。



「エルド、その手を取る前に確認したい。僕はとある理由であまり表立って動くことはできない。僕にとってもエルドは必要不可欠だが、エルドにとって僕はいずれそうではなくなると思わないか?」

「イオ、そんな心配はいらない。今は聞かないが、その表立って動けない理由も今後は聞かせてよ?で、まず能力だけを考えても僕にとってイオは今後も必要不可欠なんだ。このスキルの強力さはわかるが、それが弱点でもある。イオがいないとどうにもならない。いずれ僕はこのスキルによって殺されることになる」



 どうやらエルドも気が付いたようだ。『天照アマテラス』の重大な欠点に。それがわかっているのであれば僕は安心してエルドの手を取ることができる。



「わかった。それなら良い。僕はエルドと兄弟の誓いを立てよう」


 と手を握る。


「ありがとうイオ」


 と言って満面の笑みで僕をみるエルド。エルドの疲労度を考慮して儀式、説明などは後日にした。

どちらかが頼り切りにならないとダメな人、打算がないと信頼できない人、様々ですが、お互いがいることでお互いに利がある、WIN-WINの関係の方が長く続くと勝手に思っている作者です。批判、反論色々あるでしょうが。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] もう、主人公 ダンジョンマスターする気ないの? 物語の趣旨とズレてる気がする
[気になる点] この小説 内容薄いな  こんな薄っぺらい小説見たの久しぶりや
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