90.話し合い
ごめんなさい。投稿遅れました。
エルド、ルル、ノフス、ライド、ミーア、そして僕、同部屋の同じ班の6人が部屋で将来自分が何をしたいのか?ということを話す会をしている。
次は人族の女の子のルルと言う子の番だ。
ルルは僕らと同じ年の娘で肩までかかる黒髪の可愛らしい子で大人しい感じを受けるが、実は頭が良い。いわゆる優等生だ。
「んーとねぇ。私はねぇ。将来はエルドのお嫁さんになりたい」
といきなりの告白が飛び出たが、皆は普段のルルの態度から分かっていたので驚きはない。エルドも。皆は「いいんじゃない」とか「大事にしろよ。エルド」とかからかい半分祝福半分といったところか。それを受けてか、エルドは
「僕は将来皆が幸せに暮らせる、飢えることのない豊かな国を作りたい。そのためにはみんなの力が必要だ。僕に力を貸してほしい」
と言った。普通は商人とか兵隊とかだろうに、いきなり王か。皆も初めて聞いたのだろう。驚いたような顔をしている。なおもエルドは話を続ける。
「僕が国を作り王になる。そうしたらルルは僕のお嫁さんとして王妃になってほしい。ライドは騎士団長かな。他の皆も僕のサポートをしてほしい」
そのエルドの話を聞いて、
「獣人族に対する差別はないよな?」
「当たり前だろ?ライド。差別があるならライドを騎士団長にしようなんて言わないよ僕」
「じゃあ、ミーアは大臣やるニャン」
「は!?ミーアが大臣なんぞできるわけないだろうが、お前バカなんだから」
「ニャにー!?バカ虎にバカとは言われたくないニャン!!」
「あー。そこまでだよ2人とも喧嘩はしない」
とノフスにたしなめられるミーアとライド。続けてノフスは
「僕はエルドの作る国に興味があるよ。皆どんな役割が良いか考えてみようか?」
と言いだして、それぞれ役割を考えていくことになった。
「ノフスに何をさせるつもりなんだい。エルド?」
と僕が聞いてみたら
「ノフスは農業大臣かな?ミーアは観光大臣とかで色々なところへ行ってもらおう。で、イオは宰相か商業大臣ね」
「ん?なんで宰相?」
「いや、イオ頭はいいでしょ?それに物怖じしないというか、度胸があるというか、イオならある程度任せておけそうだから」
ここに来てまだ数か月なのだが、エルドからは意外にも高評価を得ていたことを知った。
「イオはここに来てから本ばかり読んで、勉強ばかりだったから、絶対頭良いでしょ、適任だよ」
「「うん」」
なぜか皆に言われたが、適任とか難しい言葉知っていたな5歳児。
「僕が王になったら、イオにはその知識を生かして宰相として補佐してくれると助かるよ」
まあ、確かに王なら嫌だが、宰相ならいいのか?いや、王よりある意味大変だと思うのだが‥。
そんな話をしていると夜は更け、僕たちは眠りにつく。そして翌朝からはいつもの孤児院の生活が待っている。冬は皆の活動量が低下するので力が余り気味になる。そのためか、部屋ごとの話し合いは増えていく。毎日ではないが週1回程度行われる。
その間、孤児院の図書館には僕だけでなく、エルドやノフスがよく来るようになった。
なんでも‥
「国を作るためには勉強しなくてはいけない」
「生活のためには勉強しておいた方がいい」
と非常に2人とも勉強へのモチベーションが高く、僕はこの2人に圧倒された。
話し合いは次回に続きます。