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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編 ~孤児時代
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89.将来何がしたい?

皆さまいつもありがとうございます。

 冬のある日、孤児院の子供部屋で僕らは集まっていた。もちろん孤児院には孤児用の個室はない。3~5歳くらいの子供には1部屋で5~6人が使うように割り振られている。それはもちろん僕も同様だ。この頃はまだ男女を分けて部屋割りもされていない。今いる部屋はエルド、ルル、ノフス、ライド、ミーア、そして僕の6人が使っている部屋だ。


 「では、将来自分が何をしたいのか?を話合おうという会を始める!!」


 と虎人族のライドが宣言する。

 虎人族は虎の顔の獣人族で成人すると平均の身長が190cmを超える長身になる巨漢が多い種族で、その外見通り力が強く、俊敏なのが特徴だ。ライドは黄色と黒の縞模様の毛皮を持つ。まだ子供なので、力も弱く小さいが、普通の人族と同じように成長し、いずれは屈強な身体になっていくだろう。今はただの単純バカとしか皆に思われていないが。


「まずはこの班のリーダーの俺、ライドからだ」

「この班のリーダーはノフスだニャン。バカ虎」

「ライドは班長になりたいだけで、院長先生からもライドは班長会議サボるわ、決まったこと忘れるわで班長交代ってこの前言われたでしょ?」


 と猫人族のミーアと人族の現班長のノフスからツッコミが入る。


「う、うるさい。今回は俺が仕切るんだ。いいだろ!?」


 ライドが仕切ることには反対はない皆はライドの好きなようにやらせることに暗黙の了解を得た。生まれや環境のためかそういった空気を読むということは非常に敏感な子が多いのがここの子供たち。……恐るべき5歳児たちだ。


「よし!異論はないな!?なら班のリーダーのノフスからだ!」

「え!?僕から??」


 この同部屋の班のリーダーをしているノフスという子は、この班の中で一番長くこの孤児院にいる人族の子だ。細長く、他の人族の5歳児より頭一つ背が大きい子で、緑色の髪で顔は特徴がそれほどないのが特徴と言えば特徴か。いわゆる平凡な顔というやつだ。だが、非常にいい奴で、僕を一番最初に受け入れて、話しかけてくれたのがこのノフスだ。面倒見がいいのだろう。


「うーん。僕は生まれてすぐにこの孤児院へ預けられたらしいんだよね。だから親がどんな人かとかは全く分からないんだ。でも孤児院のみんながいるからさみしくはないよ。だから、特にこれががしたいとかはよくわからない。皆と居れればそれでいいさ」

「ふーん。ノフスらしいニャン」

「そういうミーアは?」


 ここでミーアにふるノフス。猫人族のミーアは僕たちの1つ下で、その名の通り猫の外見を持つ獣人族で成人になると身長こそ人族と大差ないが、非常に俊敏でしなやかな動きが得意な種族だ。ミーアは赤毛で猫の耳がピコピコ動いて触りたくなるが、触るとすごく怒るので我慢している。非常に活発な女の子で実は年少組の獣人族の女の子のまとめ役でもある。ただ、ライドによくちょっかいかけてケンカになりそうになっているが、ライドが手を出すことはなく、ミーアもそれをわかっているのでちょっかいがどんどんエスカレートしてきつつあるのが心配だ。


「ミーアは大人になったら皆と一緒に色々な所へ行きたいニャン。いろんな町に行って皆で遊びたいニャン」

「それいいね」


 と皆に言われてご機嫌なミーア。一方、ライドに話を振られると、ライドは


「俺は強くなって、最強の戦士になりたい」


 と言っていた。ここで僕に振られたが、本当の目的を言うわけにもいかず、


「僕は色々な知識を身に着けて、学者になりたい」


 と言った。


「イオ。知識より、力だ。力が大事だ。力がないと何も守れないぞ」

「バカ虎は黙るニャン。力も大事だけど知識も大事ニャン」


 と力至上主義のライドとそれにからむミーア。

 喧嘩しているようで実は意外と仲が良いんだよね、この2人。

今回はこの章の主要メンバーになるキャラたちの紹介パートでした。

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