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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編 ~孤児時代
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88.孤児生活

いつもありがとうございます。

 僕が孤児院に来てから数か月経ち冬になった。ここに着いたときは冬前で、畑の収穫は終わっていたが、幼児でもできることはあるし、できることはしなくてはならない。自分の着替えなどは自分でしなくてはいけないし、食事をつくることはできないが、自分の分くらいは自分で配膳しなくてはいけない。片付けももちろん自分で。食器なども洗うのを手伝う。水は孤児院の敷地内に井戸があり、そこから年長者が汲んできた水だ。

 孤児院の裏は畑となっており、柵で囲われていて、柵の外は村の外、つまり魔物のテリトリーだ。柵の方には絶対近づかないよう言われている。ウルフやゴブリンなどは入ってこない。柵の中には入らないよう命令しているからだが。だが、より小型の魔物は狩り切れていないので、ネズミなどはたまに入ってくることがある。小型といっても中には1mくらいのもいるので幼児にとっては脅威以外の何物でもない。


 冬になる頃には、同じような歳の子と仲良くなって遊ぶことが多くなってきた。同じような歳とは3~5歳くらいの子ですよ。僕はまだ3歳児なので。この南村にいるのは人族だけではない。それは孤児も同様で、犬や猫などの獣人族やドワーフの子もいる。エルフはさすがにいないが、ハーフエルフは数人いる。ちなみに、この世界では獣人族やドワーフなどの寿命は人と変わらない。エルフの場合は成人の姿になるまでは人と変わらないが、老人になるまでの期間が長く、寿命は200年ほどと言われている。ハーフエルフで100年くらいだが、この世界の人間の平均寿命はおそらく40年代なので、通常の倍くらい生きると思っていれば良い。栄養状態や公衆衛生が改善すれば寿命はさらに延びると思われる。


 この南村周辺は冬、雪が降り積もる。雪が積もる前に暖を取るための薪を集めることも仕事の1つだ。薪割りはさせてもらえないが年長になればすることになる。薪集めといっても大きいものは持てないので軽い枝とか草を乾燥させたものとかを貯めてある場所から運ぶだけだ。そのためすぐに終わり、空き時間になり、雪で遊んだりし始める。僕は今更雪で遊ぼうとは思わなかったので、孤児院の中に入り、図書室に行き本を読むことにした。

 孤児院の中には小さいが字を読み書きしたり、計算用の本や魔法の初歩の本などを置いた図書室がある。どこから持ってきたのかはわからないが魔法の本などは子供には難解だと思うが‥。いや、将来魔法使いになりたい子供がいるのでそのためには有益だ。読めれば、だが。僕はほとんどこの図書館で本を読んで過ごしている。


 ちなみに、この村より南部のエルフの里は雪が降らない。300kmほど離れているので気候が違うのだろうと推察される。また、ホムンクルスの体は食事もできるし、排せつもある。傷ができれば赤い血が流れ、ある程度は自然に治る。つまり生物のように代謝がある。違うのは心臓と脳がなく、その部分にはコアがあり、それぞれ心臓と脳の役割をしていて、どちらか片方を破壊するか、その2つの連携を崩せば死ぬ。つまり、心臓や脳を刺されれば死ぬし、首が飛んでも死ぬ。それ以外なら回復魔法をかければなんとかなる。たとえ下半身がちぎれようとも。皮膚の固さなども人と変わらないので、切られたりしたら普通に切れる。血液もあることから呼吸も普通にしているので、見た目では全く人との違いが分からない。



 この南村には元傭兵の木こりのおじちゃんがいる。犬の獣人で何かから追われてこの村へと流れついた獣人だ。傭兵だったが、この村で木こりとなった。孤児院にも薪のストックはあるが、少なくなってくるとおのおじちゃんのところへ行って、薪をもらってくる。対価として、孤児院製の食べ物を持っていく。これはぼくたち幼児組の仕事だ。3~5歳児のみんなで行って薪をもらってくる。帰りは荷物が重くて大変だが、皆で仲良く運ぶ。人間余裕がないと無口になります。普段は色々うるさいと言われるが、この時はみんな一言も喋らない。

 ここで1つ新たなホムンクルスの特性を知った。それはスキル習得ができることと習得したスキルは本体でも習得が可能になることだ。この運搬作業を繰り返ししているうちに『運搬』というスキルを習得した。効果は単純に運搬量が増えることと運搬時の移動速度上昇だ。このスキル習得で薪の運搬が大分楽になった。


 みんなで同じ作業をすると連帯感が生まれる。なので、近い歳の子とは仲良くなりやすい。近い歳といえば、あのエルマンドさんの息子、エルド君もいる。仲良くなって友達になったのでもう君呼ばわりはしていない。最近はそのエルド含め、ルルという人族の女の子でこの子はエルドと同い年。ノフスというエルドと同い年の背の高めの人族の男の子、ライドというエルドと同い年の虎の獣人である男の子、ミーアというエルドより1つ下の猫の獣人の女の子の計6人で遊ぶことが多い。ちなみに僕はエルドより誕生日は遅いだけで生まれた年は一緒なのでエルドと同じ年として扱われている。


 エルドはこの孤児院で唯一厳密には孤児ではないが、父親のエルマンドは事件後、体の具合が悪いのか、ほとんど孤児院に顔を出さなくなり、代理の人が援助物資を届けてくるようになった。そのため、皆からは特別な目で見られていたのが、自分たちと同じ孤児という目で見られるようになった。それが良かったのか、エルドは自分たちの年代の中でもリーダー的な役割をするようになっていく。

しばらくは孤児目線での展開となる予定です。よろしくお願いします。

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