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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編 ~孤児時代
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86.対傭兵団

いつの間にかブックマークしてくださる方が増えておりまして、皆さまありがとうございます。

 僕は、エルマンドさんを助けることしか考えていなかった。この傭兵団は皆殺そう。まだ僕の存在を知られるわけにはいかないから1人も逃がすつもりはない。そのためゴブリン隊とウルフ隊を用意した。人間の見分けがつかない彼らだけではエルマンドさんも殺す可能性があるため、僕自身も行かなくてはいけない。ホムンクルスはまだ幼児。能力をほとんど発揮できない状態だ。今回はドッペルを使う。万が一があってはいけないから戦闘用を使うことにした。今の僕の見た目とほぼ同じの18歳タイプだ。最大能力の半分が関の山だが、この傭兵団程度ならどうにでもなるだろう。



 エルマンドさんを追う傭兵団は全部で8人。ここにはエルマンドさん以外で人はいない。生かす気もないので顔も名前も覚える必要はない。僕がエルマンドさんが休む廃村に着いたとき、すでに傭兵団は仕掛けていた。

 

 傭兵団は全員剣か槍、もしくは短剣でエルマンドさんを包囲、隙を見て攻撃とヒットアンドアウェイで徐々に痛めつけていた。この傭兵団がプロの暗殺者ではないのが幸いしたのか、武器に毒などは塗られていなかった。そのためエルマンドさんはまだ逃げることはできた。しかし、包囲されているので足を止められ、その隙に攻撃され徐々に動きは鈍っていく。


 こちらはゴブリンとウルフを廃村周囲に配置完了した。このまま突入させても良いが、おそらくはエルマンドさんを傭兵団もろとも殺してしまう。となると、予定通り僕が直接行くしかないか。最初から傭兵団は皆殺しのつもりだったので顔を隠す必要もないと思い、一般の平民のような格好で来てしまったのは失敗だったかもしれないが。


 僕がエルマンドさんの退路にいる傭兵を倒そうと背後から近づいたとき、エルマンドさんは護身用の剣を折られ、片足を切られ、ほとんど動けなくなっていた。



「団長、そろそろ殺しましょう。依頼通り、もう十分痛めつけて弱らせましたでしょう?」

「ああ、とっとと依頼を完了させて、酒でも飲みたくなってきたな」

「そうしましょう。この辺はゴブリンやらウルフやらが多い地域ですから、絡まれたら面倒です。それに噂のデカいゴブリンがこの辺に巣を持っていると言われていますし‥」



 シュパッ!!ドササッ!


 とどめに入りそうなので退路を塞いでいた傭兵2人を背後から倒す。今回はゴバ君特注のショートソードのような剣を装備してきた。ミスリル製なので魔法の相性も良い。強化したときの切れ味が半端ない。装備ごとまるでバターでも切るようにあっさり両断する。

 傭兵団と言っても、こいつらの装備は統一性もなく、盗賊と遜色ないので楽に倒せる。ちなみにミスリル鉱石はゴバ君のダンジョンでは生産できないが、僕のダンジョンでは腐るほど生産可能。奥にあるから生きて持って帰れる人がいるのかは疑問だが。

 などと思って、エルマンドさんが無事なのを確認してホッとしていたら



「ガキか?貴様何者だ!?」


 傭兵から誰何された。こいつらと話す気はないので、返事とばかりに近くにいた傭兵を切る。これで残りは5人。



「チッ!だんまりか!」

「この商人を助けに来たのか?それとも‥まさか!?」



 傭兵団の体勢が整わないうちに、近くの槍を持つ傭兵を槍ごと切る。鉄製なら今の僕の剣の相手にならない。



「副長がやられた!?」

「一旦ソイツから離れろ!商人からもだ!剣もだが、相当やるぞソイツ!!」

「まさか、領主からの刺客か!?」



 ああ。そういう風に考えていたのか。この傭兵団を殺せば領主は報酬を払わずに済み、口封じもできる。この段階ならエルマンドさんはいつでもどうにでもできると。なかなか悪どい考えだ。エルマンドさんを殺さず痛めつけていたのは逃がさないためと依頼であったようだし。

 これでエルマンドさんの退路は確保した。僕は対面にエルマンドさん、右手が退路、左手に傭兵団という位置に移動する。これでエルマンドさんは退路側へ行くだろう。


 僕が傭兵団の団長らしき人物に切りかかると、団長らしき人物は自身の持つ剣で防ごうとするが、鋼鉄製だと思われる剣も僕の強化されたミスリル製の剣で切られ、同時に体も切られる。これで残りは3人。この隙にエルマンドさんは傷付いた体をなんとか狼車に乗せ退路へ。


「団長がやられた!?……逃げろ!!!」


 残りの傭兵はそう言って全員逃げていったが、すでに退路以外は包囲している。欲を言えばエルマンドさんの傷くらいは治してから去りたかったが、領主の刺客と思われている可能性があるので、止まってはくれないだろう。


 その後3人の悲鳴だけが聞こえ、エルマンドさんはなんとか逃亡者の村へとたどり着いた。

ドッペルの場合、最大能力は本体の半分が関の山ですが、元々各種1000超えなので半分でもこの世界ではとんでもない能力になります。それにミスリルソード持たせているので通常の人間では対処不能です。もちろんこの世界でもミスリルは希少鉱物扱いです。

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