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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編 ~孤児時代
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85.不穏な空気

少し展開が早くなってきたところで、うまく背景など書ききれないなぁと思っています。

 エルマンドがうまくいかなくなったのはこの頃からで、商売自体は順調そのものであるが、何か不穏な空気を感じ始めたようであった。


 決定的であったのが、妻の死だ。

 

 長男であるエルドがもうすぐ2歳を迎えようかという時、移動が負担になっていたのか体調を崩し、そのまま帰らぬ人となってしまう。エルマンドはたいそう落ち込んだが、幼子を抱えての移動、仕事は両立不可能と判断し、エルドは南村の孤児院へ預けられることになった。そして、一人息子である長男の顔を見に行きつつ孤児院への援助も忘れなかった。


 

 この時僕はなぜ、エルマンドのことをこんなにも気にしているのか。その理由がわかった。



 エルマンドが、髪や目の色などは違うが、前世の地球での父親にそっくりというか同じ顔なのだということを。

 よく考えてみれば今いる世界は魂の安息のために女神が作った世界だ。地球と同じように時間が流れているとは限らないが、親父が寿命か何かで死んでこの世界へと転生してきても何も不思議ではない。


 なぜ今まで気が付かなかったのか?と言うと、自分の親の若いころの姿は写真では見たことがあるかもしれないが、時間が経っていることもあり、なかなか気が付くのは難しいと思う。特に髪や目の色も違うのだし。気が付いたのは、今までの疲れが出たのか年老いたようにやつれたエルマンドを見た時だ。この時やっと見慣れた父の姿とそっくりであることに気づいた。…そうと思ったらもう呼び捨てはできないな。今後はせめてエルマンドさんと呼ぼう。そして、そうと思ったら親近感が沸いて、何とか知られないように助けようと心に決める。



 さて、息子を孤児院に預けたエルマンドさんは商売を再開する。しかし、悪い流れは継続し、今度は貿易都市カルナチョスのある大商人から部下である行商人が目をつけられたことをきっかけに、妨害を受けるようになってしまう。最初はそれとなく悪口を言われたりするだけであったが、だんだんエスカレートしていき、商品を丸ごとだめにされたり(もちろん証拠はない)しまいにはウルフを殺され、狼車を破壊されたりした。


 仮に領主へ訴えようとしても相手は領主御用達の商人の1人。証拠もなければ、逆にこちらが痛い目を見ることになる。

 こうなるとカルナチョスでの商売を諦めるしかなく、大きな販路を失うことになる。



 さらに悪いことは続き、ユニオン内の主要都市であるうわさが流れる。



〈行商人エルマンドは貧しい村へ行商に行くと言って、そこの村人を不法に奴隷としてさらっていく〉



 という噂だ。実際は違うのだが、この噂の通りなら立派な犯罪者である。

 悪いことに村人を実際連れて歩いているため、このうわさが真実として信用され始めた。


 村人が証言すればよいと思えるが、連れて行っている村人は奴隷扱いで発言が信用されず、売った方の村人はというと、真実を話すと村の評判が落ちることを危惧して一切の証言を拒否する。悪い場合は噂の方を真実として証言しかねない有様。

 


 ついにエルマンドさんはユニオンのある主要都市で不法に村人をさらい奴隷とした奴隷商人として討伐対象になってしまう。


 犯罪者として軍に追われ、エルマンドさんは逃げた。狼車で移動するエルマンドさんを軍は捕まえきれず、領域外へ逃げたエルマンドさんを都市から依頼を受けた傭兵団が追撃する。エルマンドさんの目標は逃亡者の村だ。


 いかに魔物といえどもウルフは生物だ。休息を必要とする。その休息を狙って傭兵団は待ち伏せていた。逃亡者の村への道でかつて村であっただろう場所で休憩を取っていたエルマンドさんを待ち伏せていた傭兵団が襲う。

今回で一気に展開が変わりました。イオはこのままエルマンドを無事傀儡にすることができるのか?

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