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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編 ~孤児時代
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81.気になる男

皆さまお待たせしました。やっと新章突入です。

 僕はいつものように街の人々を見ていた。ちょうど良い人がいないかどうか。ここ10年以上探しているが、やはり見つからない。この間色々考えたが、やはり自分が国を作るのは考えられない。その前提でいるとダンジョンマスターとしての壁にぶち当たった。どのような壁かと言うと、『鑑定』の上位スキル『上級鑑定』の存在をリュートから教えてもらった。   

 その取得のためにはダンジョンコアLVを上げる必要があるが、その条件が膨大なDPダンジョンポイントの獲得であったため、現在のDPダンジョンポイント収入では数百年かかる。そこで、DPダンジョンポイント収入の増加のため国を作る必要が出てきた。で、その国作りのための人材を探しているわけで、完全なループに嵌ってしまっているわけだ。

 『上級鑑定』で人の才能さえ見えるようになるらしいが、現在の『鑑定』ではそこまでは見えないため、王にふさわしいと思える人が見つけられない。

 このままではループから抜け出せないのは明白なので、僕自身が王となるか、王に選ぶ人の基準をもっと緩和すべきか。僕自身が王になるのは却下なので、条件の緩和しかないのだが、問題はその条件をどこまで緩和するか?ということになる。



 ゴバ君が仲間になってから、数年経った現在、僕らがいるセントリクス大陸西部では小国家群の中の小国の1つであったニゴ王国が王の代替わりを機に周囲の小国をすべて併合。名をニゴ帝国と変え、ニゴ国王が初代皇帝となり軍事拡大路線の継続にてさらに周囲の自治都市を併合しようとして戦争が勃発した。

 ニゴ帝国に脅威を覚えた自治都市群は僕のダンジョン西、ニゴ帝国から南東にあるワールハイトを頼る。 ちょうどワールハイトも領主が代替わりしたばかりであり、今までの内政主導の他都市への不干渉の路線を変更。軍事、防衛に関する条約を含む外部への積極的干渉を基本路線とするワールハイト中心のワールハイト同盟を結成。

 ワールハイト同盟に加わらなかった自治都市は僕のダンジョン北にある今や西部最大の貿易都市となったカルナチョスを中心とした議会制で運営する都市連合ユニオンを形成した。

 このニゴ帝国、ワールハイト同盟、都市連合ユニオンによる3極の覇権争いが始まった時であった。



 3極の覇権争いが始まる少し前にニゴ帝国近くの自治都市である若い男性がいた。その男をみた僕はなぜか非常に気になってみていた。その男は別に特段強いわけでも、特殊なスキルがあるわけでもない。気になっている理由は自分でもわからなかった。

 その男、名をエルマンドといい、金髪に整った顔をした、いわゆるイケメンで女性には非常にもてそうな、爽やかな好感の持てる男性である。

 彼は実は2つの顔がある。表では行商人として生まれ育った小国周囲の都市を行き来し商売をしていたが、裏ではスパイとして情報収集、破壊活動を含む工作員のバックアップをしていた。しかし、幼いころからそうなるように育てられていたためか、『隷属魔法』と呼ばれる闇魔法を習得していた以外は普通の人であり、特別な戦闘能力はないため、主にバックアップ、情報収集を任務としていたが。そのためスパイの中でも最下層に近い役職であったと推察された。

 そういう生活をしていた彼であったが、ある時ニゴ帝国との間で戦争が勃発。母国が破れニゴ帝国へ併合された。その時に大抵のスパイは処刑されたが、最下層に近いことが幸いし名前と顔を知られていなかったことから、なんとか逃亡に成功する。その時から裏の顔、『隷属魔法』を封印し、ただの行商人として都市連合ユニオンで生活していた。



 しかし、以前は裏の仕事の報酬があったが、行商人だけの収入ではだんだん厳しくなっていく。この世界の行商人はほとんどが都市に店を構える商店から依頼されたものを運ぶ仕事が多く、気軽に運搬用の狼車などは使えない。よって1回の利益を高くしなければ大きな儲けにはならない。エルマンドは商店御用達の行商人ではなく、あくまで、一般人向けに商いをあちこちの都市で行う行商人であり、それほどの儲けは出なかった。しかも盗賊などに荷を奪われたり、魔物に襲われたりすると赤字となってしまう。

 そこでエルマンドはウルフなど最下級の狼を『奴隷魔法』で支配し、狼車を得ることにした。狼の入手、特に従順な狼の入手が困難なため狼車の値段は高いが、狼さえ手に入れることができるのであれば車の部分はそれほど高価というわけではない。

 

 エルマンドの戦闘力はほとんどないといっても最下級の狼1体であればなんとかできるくらいの力はあり、最初の1体を手に入れてからは数体得ることは難しくなかった。今までの蓄えをほぼすべて狼車の入手に注ぎ、無事狼車を得る。これによりエルマンドは都市連合ユニオンでは珍しい、個人で運搬用の狼車を持つ商人となり、利益の低い物でも比較的大量に運ぶことができるようになった。これにより行商人として成功を収める。


 この成功を収める頃にはかつての自分と同じような境遇にあるあまり儲けることができない行商人たちを集めて自分の傘下へと治め、狼車を貸出することでさらに利益を上げるようになっていった。



 その後エルマンドは24歳の時ある都市で女性と出会い結婚、男の子に恵まれる。

ニゴ帝国はゴバ君のところで出てきたあの国ですね。


3極の争いで正しいです。3国ではありません。ワールハイト同盟、ユニオンとも国ではないので。

読み方はキョクかゴクで。そこは特に決めていません。作中でもどちらかで話をしているという設定としています。

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