79.ゴバ君のお家決め
いつもの居住地決めです
ゴバ君がうちの同盟に入ってくれることになり、皆への紹介と住むところを決めてもらわなければいけない。
リュートはなにやら忙しい様子なのでコアへ伝言を残し、エルフのクナのところへサミーと一緒に行く。
クナにゴバ君を紹介すると、見た目は大人エルフのクナ、子供のドワーフゴバ君ではあったが、元々の年齢が近いことがわかり、すぐに意気投合した。クナは転生前14歳だったことをその時初めて知ったのだった。
隠れ里に住むエルフたちにも気に入られたゴバはエルフたちのため何か簡単な農作業用の道具を作ってあげることにしたようだ。それが気に入られ、エルフたちがその道具にエンチャントするといわゆる“魔道具”が出来上がる。今後はドワーフ、エルフ共同でエンチャントされた武具、いわゆる“魔武具”なども作ってもらうことになった。
『転移』で森の近くの草原に来た。ここは近くに岩山もあり周りからは近づかないと見えない位置にある。近くに小川もあり、耕せば十分な広さの畑にもなる。魔物が多いため人はほぼ近づかないが。
「イオさんここは?非常に良い土地のようですが」
「ここは僕のダンジョン本体から東に大体400km近く来たところで、さらに東にサミーのダンジョンがある。まず人は来ないが鍛冶などをするには良い環境だと思うけど、どうだい?ここに住んでみないか?」
「‥‥人が来ないというのは言い換えれば鍛錬に没頭できるということですし、ここは鍛冶技術を磨くのに材料はそろっているようですから、素晴らしい環境だと思います。ここに住んで良いのですか?」
鍛冶、精錬で大事なのは鉱物資源も大事だが、炉の火の燃料になる木と良質な水が重要である。ここは全く人の手が入っていない地域のため汚染などはなく、鉱物資源はダンジョンで生成すれば良いため環境的にはかなり好物件のはずだと思い紹介したが、気に入ってもらえたようだ。地理的にも僕とサミーのダンジョンの中間地点になり、どちらも利用しやすいこともプラスだ。『転移』があるからか距離感覚がおかしくなっているような気もするが‥。
ここに住むことにしたゴバ君へ僕からのプレゼントとして、新たなダンジョンコアとかを渡そうかと思ったのだが、
「イオさん、それをもらう前に、先ほどダンジョンマスター支配用スキルがあるということでしたね?」
「うん。あるよ」
「それで僕を部下としてくれませんか?」
という提案を受けた。
「スキル使うのは構わないけど、必要がないのでは?使わなくても手助けするし」
「スキルを使うと主への攻撃不可がつきますよね?もちろんなくても攻撃する気はないですが、あるのとないのでは大きく違います」
意思だけではなく、行動でも示すことが大事ということか。確かに攻撃不可があれば僕のダンジョンの重要区画にも入れることが可能となる。南村などへも入れやすくなるか。そういうことを考慮すると確かに大きく違うか。
「わかった。スキルを使おう。でも、本当にいいの?」
「かまいません」
ゴバ君の意思は固く、僕は『ダンジョンマスター支配化』スキルを使うことにした。
ダンジョンマスター編はもう少し続きます。




