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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
ダンジョンマスターたち
77/287

77.顔合わせ

このドワーフ編にもう数話お付き合いください

 僕のダンジョンの北西部にある湖を中心にして小国家群が形成されている。ワールハイト西にある大湿原から北に流れる3本の川が交わって出来た湖でオリベイル湖と呼ばれている。このオリベイル湖からさらに北に流れる1本の大河がソーン川で、このソーン川とオリベイル湖の西側が小国家群、東側が自治都市群に主に分かれている。今僕とサミーがいる雑木林はオリベイル湖東側にあり、本来なら自治都市群に属する地域であるが、近年小国家群に対抗しようとして自治都市群の間で併合が起こり小国となっている地域である。ここでいう併合は対話ではなく武力による一方的な併合である。そのため併合後の隙を狙って周囲の自治都市が武力による干渉、さらなる併合をする。するとその周囲がまた‥‥。といった具合で領土、都市を巡って紛争が多発している地域でもある。

 そんな地域でダンジョンマスターが何をしているのかというと、おそらくはDPダンジョンポイント獲得だろうとは思うが。DPダンジョンポイントは対象が滞在しているときより対象が死んだときの方が瞬間的には獲得量が多い。そういった観点から言えば、わざと紛争を起こさせようとするダンジョンマスターがいても何の不思議もないわけで。今何かから逃げているダンジョンマスターがそのようなダンジョンマスターである可能性も考慮しないといけない。



「あのドワーフのガキのダンジョンマスター、こっちに向かっているな。何に追われているかわかるか。イオ?」

「見えないけど探知できた。小隊規模の軍もしくは傭兵団だろう。あのマスターがこっちに向かっているなら好都合だ。この分ならすぐにつかまるようなことはなさそうだから、もうしばらく様子を見よう。サミー」

「わかった。この林に入ってきたら追っ手は皆殺しでいいんだろ?」

「まあ、それでもいいんだけど、ダンジョンマスターさえ確保できたら追っ払うだけでも良いんだよ?変に殺して討伐に来られても困るんだけど」

「イオ。お前なら大丈夫だろ?そんなの」

「いや、大丈夫だろうけど‥。サミーが殺ってくれるの?」

「いいぜ。最近運動不足だったし。お前はその間にあのドワーフを捕獲しろよ」



 という完全にアレな会話をしている我々であるが、雑木林にさえ入って来れば、周りからは見えないし、今の僕たちならやりようはいくらでもある。僕はドッペルだけど、サミーは本体だしwただの人間じゃ勝てないよ。というか傷1つ付けられないだろう。

 

 ドワーフの子供の姿のダンジョンマスター、ゴバゼガブ(言いにくい)が雑木林に入ってくる頃には追っ手たちは大分距離を縮めてきており、足を止めようと迂回してくる者たちが先行して雑木林に入ってきた。サミーは



「じゃ、ちょっと行ってくるわ。討ち漏らしたら任せたからな」



 と散歩にでも行くかのように出ていった。僕はゴバゼガブ(再度言う。言いにくい)と話をするために追っ手たちをさらに先回りして待つことにした。その後すぐに



「うわー!!」

「なんだコイツ!?」

「ギャー!!」



 という悲鳴が聞こえたと思ったら、



ズドーン!!バサバサッ、バサバサバサッ



 という轟音が鳴り響き、そのあと魔鳥や魔獣が逃げていく。

 サミーの手から逃れた追っ手の2人は軽鎧にオーソドックスな剣を持ち、いかにも傭兵風な格好をしていたが、僕は気配を隠し、後ろから首に向けて魔力で強化した手刀を浴びせると、首が転がっていった。これが初めて(もちろん前世も含めて)自らの手を汚したわけで、罪悪感とか後悔とか感じるものなのだろうが、魔神様の加護のおかげか、全く何も感じなかった。

 この様を見ていたゴバゼガブ(何度でも言おう。言いにくい)は足を止めてこちらを見ている。明らかに警戒している様子だ。なのでこちらから声をかけることにした。



「初めまして。僕はイオ。君もダンジョンマスターのようだけど、僕の領域テリトリーに何の用かな?」

「‥‥ごめんなさい。人の領域テリトリーに入っているとは気が付かなかったんだ。許してほしい。僕はゴバゼガブ。誇りあるドワーフのダンジョンマスターだ。僕にあなたの領域テリトリーを侵略する気はない」



 見た目どおり、ずいぶん従順そうなダンジョンマスターだったので、これなら会話も問題なさそうだと思い、僕はひとまず安堵した。

サミーが快楽殺人者に見えました。


サミー的には『子供を追っ手から守る優しい人』という感覚なのですが、周りからはそうは全く見えないというお話でした。



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