76.侵入者の能力
今回主人公がいる場所は、主人公の領域ギリギリ範囲内といったところになりますのであしからず。
僕の領域へと侵入した侵入者であるダンジョンマスターの様子を見にワールハイト北にある雑木林の中の1本の木の上に来た。ここから小国家群の様子が見える。(スキル使用すれば)さらに『陰影』の上位スキル『消身』を使えば、まず見つかることはない。今回はサミーも一緒に様子を見に来た。クナは仕事があるのでお留守番だ。
「さて、どこに行ったかな?」
「あれじゃないか?あのちっこい子供みたいなの」
「ああ、たぶんそうだね。サミー、あれはドワーフかな?」
「おそらくはな。これは攻めて来たのではなくて、何かから逃げているようだな」
「周囲にモンスターの気配がないから、攻めて来たのではないだろうとは思っていたけど、確かに何かから追われているようだね」
「で、どうするんだ?あいつを同盟に入れるんだろう?」
あれ?サミー鋭いな。勘か?確かに僕は最初からあいつを同盟に入れるつもりだった。特にドワーフとわかったので、何が何でもこっち側に引きこむつもりでいた。まあ、これは隠すようなことではないから別にかまわないが。
「そうだよ、サミー。…近くに来たから、『鑑定』できる。見てみなよ。絶対有用だよ。あのドワーフのダンジョンマスター」
「ほう?どれどれ。……ステータスは全くだめだが、確かに使えるな」
「でしょ?捕まるなり、他の所へ行くなりする前にこっちに引き込みたいよ」
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名前 ゴバゼガブ
種族 マスタードワーフ(型ダンジョンマスター)
性別 男
HP 18/24
MP 6/6
STR 6
DEX 7
AGI 4
INT 2
MEN 2
LUK 3
スキル 鍛冶、火魔法LV1、土魔法LV1
特性 魔神の加護、鑑定(魔眼)、不老、武具図鑑
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武具図鑑
このスキルの持ち主は手にした武器・防具を図鑑として記憶する。記憶した武器・防具は一部の例外を除いて、材料さえあれば作成可能となる
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このダンジョンマスターを配下に加えることが出来れば、わがダンジョン長年の課題であった鉱物資源の精錬技術の上昇、武具いわゆる装備の強化・充実が可能となる。
「あいつが単純に僕のダンジョンへ攻めて来たのなら、返り討ちにして『支配化』するだけだから、話は単純なんだが、どうやら自分のダンジョンを捨ててまでこちらに逃げてきているようだから、話し合いが必要だね」
「‥その話し合いの結果『支配化』スキルで奴隷とするのか?イオ」
「いきなり奴隷にはしないよ。あくまで話し合いでこちらに協力してもらうことにしたい」
話し合いの結果、奴隷って、しかも逃げてきた者を。…鬼かサミー。ダンジョンマスターだからといって、こちらに逃げてきた者をホイホイ奴隷にしてたら、周囲は危険人物としか見なさないようになる。
だが、今回彼は高い確率で『支配化』スキルは受けることになるだろう。状況からして彼はこちらにとっても危険人物である可能性が捨てきれないのだから。
次回、小国家群の状況を軽く説明してから話を進めていこうかなと考えております。




