73.勧誘の結果
交渉が拙すぎる気がしますが、ご容赦ください
「僕と契約すれば新たにダンジョンコアを差し上げますので、契約しませんか?」
という状況の説明などなく、いきなりの配下契約の提案に対しクナは
「配下とはどういうことでしょうか?奴隷と何が違うのかしら?」
「奴隷とは違います。あくまで僕の部下という扱いになります。ダンジョンコアを差し上げますので、それでダンジョンマスターとして活動してください。制限などは僕に敵対しなければ問題はないです。他に色々手伝ってもらおうと思っていることがありますが」
「‥!!またダンジョンマスターとして活動できるの!?」
「できますよ。魔神様の加護はないようですので、もし今後自分のダンジョンコアを見つけてもダンジョンマスターとして復活はできないですが、他のダンジョンマスターから与えられたダンジョンコアであればダンジョンマスターとして復活は可能であるとコアに確認をしています」
コアにあらかじめ確認していたが、魔神様の加護がないと個人のダンジョンマスターとして自立した活動ができない。誰か他のダンジョンマスターの部下、もしくは奴隷としてならばダンジョンマスターの活動が可能であるということだった。ただの人にダンジョンコアを渡してもダンジョンマスターとして活動はできないが、元ダンジョンマスターならばOKという条件はあるが。どうやらクナはそのあたりのこともよく知らないようだ。
「もう1つ条件を付ければ、あなたにかかっている『奴隷』の状態を解除します。その後、僕との契約をしてもらうことになります」
と畳みかける。さらに『ダンジョンマスター支配』スキルのデメリットなどを説明して、クナに僕の配下として契約をしてもらった。『隷属状態』の解除は簡単だった。元々奴隷紋を刻むだけの魔法しかかけられておらず、『ダンジョンマスター支配』スキルで上書きしたら奴隷紋は消えた。今後クナには南部の森を中心に活動してもらうことになる。
「いやった~!!これで初めてダンジョンマスターとして個人での活動
ばできるっぺよ~!!」
‥‥突然感極まったのか、なまりだしたが。クナは喜んでいた。
「‥‥ハッ!!失礼しました。私は普段は普通に話をするようにしているのですが、感情が高ぶると素が出てしまいまして」
と言っていたが。
後ほどなぜ奴隷になっていたのか聞いてみたら、
「この世界に来てすぐに大姉さまに出会って、「ダンジョンマスターの先輩として色々教えてあげるから私の妹として活動しなさい」と言われて、“エルフの森”で姉妹たちとダンジョンマスターとして活動していたのですが、ある時赤いモヒカンのドラゴニュートに住んでいたダンジョンを攻められまして、その時防衛面が完全にだめになりまして、その後人間につかまり奴隷に」
ん?赤いモヒカンのドラゴニュートって‥アイツか?とことん色々イベントにからんでくるな。
「では貴女のダンジョンコアはそのドラゴニュートが持っている?」
「いえ。元々大事なものとして大姉さまに預けていました」
‥‥本人は気が付いていないのかもしれないが、それって体のいい人質では?命を預けているに等しいのだが?逆らうならコアを壊すぞとでも言えば逆らえないし。
赤いモヒカンのドラゴニュートって‥‥アイツしかいません。この後きちんと出す予定です。